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大航海時代、未知なる植物を「新世界」で採取してヨーロッパに持ち帰ることを生業としていた「プラントハンター」が多数活躍していました。
来日していた医師シーボルトも、アジサイなどを持ち帰っているので、プラントハンターとしても有名です。
持ち帰る、と言っても船でえっちらおっちら持ち帰ったり、シルクロードを延々旅して持ち帰るので、枯れ果てることもしばしば。
ガラス容器に土や水とともに植物を密閉して持ち帰る「ウォード箱」ってのが開発され、飛躍的に輸送がうまくいくようになったそうで、これが「テラリウム」の走りです。
【注】あくまでプラントハンターごっこ
最近ではお気に入りの上野のマルイの裏手の園芸店で、オリーブの苗2種とクリプタンサスを購入し、他の荷物と一緒にスーツケースに入れ、一緒に旅して長野に持ち帰りました。
オリーブの枝はしなやかなので、丸めてコンパクトにすることができます。
夫の実家に、バラ苗のまだ幼いのを2鉢スーツケースに入れて、持ち運んだこともあります。
スーツケースの上部に十分なスペースを確保して、一番上に苗を入れてゴロゴロ転がしながら運びます。
衝撃で土がこぼれだしたりしないように、キッチンペーパーや新聞紙などでポット周りをくるみ、ポット周りをビニール袋で包んだ上で、ひとまとめに大きなレジ袋にくるんでおきます。
ごろごろスーツケースを転がして植物を運んでいると、その昔珍しい植物を故国に持ち帰ろうとしていたプラントハンターの高揚した気持ちがわかるような気がします。
私のしているのは単なる「植物の運搬」であって、「植物を採取して運ぶ」わけではありません。
あくまで気分を味わう「プラントハンターごっこ」です。
多肉植物の苗と一緒に旅をする
一瞬、自分が盗撮されていたかと思うような画像を見つけたので入れました。
現在、冬型種の多肉植物4種を、種から育てる「実生栽培」の真っ最中。
ようやく全種類芽が出たので、三男の誕生日までに東京に舞い戻ることができそうです。
今回、この旅に多肉植物の苗を同行させます。
だって、1週間以上、放置できません、枯れたりカビたりするかもしれない!
まだまだベビーちゃんなので、毎日世話して、毎日観察したいんです。
そのために、密閉容器にぴったり入る鉢に植えたし、密閉容器がぴったり入るものも用意したんです。
大事に大事に運びます
今回、運ばせていただくのは多肉植物の苗。
長野の自宅からスーツケースに入れてゴロゴロ長野駅まで運びますが、なるべく段差をがこん!としないように気を付けて運びます。
スーツケースはトランクに預けるので、高速バスのバス停でスーツケースから苗を出して、網棚に置くか膝の上に置いてバス旅をさせようと思います。
東京についてバスを降りたら、再びスーツケースに苗を戻して、ゴロゴロ夫の下宿まで電車に乗ったりしながら運びます。
スーツケースを横にすると、土が漏れることも、苗がどこかに行ってしまうことも考えられるので、運んでいる間は常時立てたまま、四輪ガッチリ接地して慎重に。
スーツケースを立てたまま出し入れ
スーツケースを立てたまま、苗を出し入れできないと困るので、荷物を詰めるときは普通に横にして詰めていきますが、立てても荷崩れしないようにそれぞれの荷物を袋などに入れてしっかりと固定しておきます。
ちなみに、どこででも記事を書けるようにと夫と子供がお金を出し合って買ってくれたマイパソコンと、コミック読書専用のおんぼろパッドもいっしょにスーツケースで運びます。
荷物が多いときは、運ぶ服をどんどん減らします。
夫の下宿にいくつか置きがあるし、自宅にはもちろん服はあるから、まったく持って行かなくても裸でいなくちゃいけなくなることは絶対ない。
ワードローブがたくさんあることよりも、植物がちゃんと運べる方が大事です。
「服がないなら買ってもらうもん!」と、貧乏性でなかなか買う気になれないくせにうそぶきます。
多肉植物の苗の旅の結末は!?
スーツケースを立てたら荷崩れすることを繰り返し、うまく崩さない詰め込み方に改善したうえで、そ~~~っと多肉植物の苗の密閉容器を厳重に梱包した容器を一番上に固定し、崩れないようにサッと閉めて旅立ちました!
途中迎えに来てくれた三男に、「くれぐれも横にしないで!」「段差をガンガンするな」とくどくど文句を言い続け、駅から家まではこんでもらいました。
開封すると、多肉ちゃんベイビーの元気な姿が登場しました!
問題なしです。
明日の朝、また、いつものように沸騰させたお湯を1cmほど入れて、大事に育てます。
プラント VS プランツ
ずっと「プランツハンター」と呼んでいましたが、「プラントハンター」という方が一般的なのに気が付きました。
いっぱい持って帰ってたんだから、複数形の方が正しいと思うんですが単数形が一般的のようです。
外来種の持ち込みは在来種の存在を脅かすので、生態系を狂わせることも問題になっており、保護活動している絶滅危惧種を窃盗していく犯罪行為も絶対にやってはいけないと思います。
珍しいものを育ててみたいと思うのは人として、よくわかることなのですが、生態系を狂わせるようなことはしたくないですね。
園芸品種以外は手に入れようと無茶なことはしない、育てた植物は面倒見切れなくなってもあっちこっちに捨てたりしない、ということが最低限のマナーですね。