種から育てる多肉植物|多肉植物の種まき方法【準備編】

多肉植物の栽培は、肥料も水やり頻度も少なく、品種によっては通年室内栽培も可能で、省スペースで手間いらずながらも個性的な姿を楽しませてくれるため、人気が高まってきています。

かなり個性的な外観の多肉植物の流通量も多くなり、身近な園芸店でも手軽に入手できるだけでなく、マニアックな品種についてもインターネットで手軽に手に入れられるようになりました。

多肉植物のそのほとんどは花を咲かせ、花後、種が採取できます。

これまで多肉植物の栽培は、販売されている苗を育てることが中心でしたが、種を扱っているネットショップも多くなってきて、苗がほとんど流通していない個性的な多肉植物を、種から自分で育てることも可能になって来ました。

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多肉植物は生育期と休眠期がある

多肉植物には、元気に育つ生育期と、枯れたように弱りはて、水やりしないで様子を見守る休眠期があります。

いつが休眠期で生育期なのかはその品種によって異なり、たいていの多肉植物は春と秋は生育期に含まれていますが夏に休眠するもの、冬に休眠するもの、夏にも冬にも休眠するものがあります。

分類としては生育期の方で分類するため、冬型春秋型夏型に分類されます。

冬型種の種まき

冬型のものは、梅雨入りごろから初秋まで休眠するので、秋~春までが生育期になります。

冬型種のものは、秋になって暑さが和らいで過ごしやすくなってきた9月下旬~11月初旬までが種まき時期で、最適期は10月になります。

夏になると休眠してしまうので、暑くなる前に十分に育つように夏までの期間をなるべく長く取れるようにします。

「冬型」と言っても、暖かいところが原産のものが多い多肉植物は10℃以上で育てた方がいいものが多く、寒すぎても発芽しにくいので、まだ温かい秋のうちに種まきを行います

夏型種の種まき

夏型種と言っても、夏がとっても好きで生き生き元気というわけではないのがほとんどで、あえて言うなら、夏に休眠しない品種を夏型種と考えましょう

夏型のものは、冬になると休眠してしまうので、春~秋までが生育期になります。

冬になるまでに十分に育つように通常は春先に種まきしますが、まだ寒いうちに種まきするとなかなか発芽しない半面、梅雨の高温多湿は嫌いなものが多く、それならいっそ秋口にまいた方がいいのではないかと秋口に種まきするケースもあります。

春秋型種の種まき

生育期が春と秋で、夏にも冬にも休眠してしまうタイプがこの品種です。

昨今の冷暖房の普及により、夏でも冬でも活動的ではないものの、休眠までいかないで育てられる場合も増えてきました。

夏と冬、どちらが水管理により気を使うかというと、冬の方が難しくなるので、夏型同様、春先に種まきするのがおすすめです。

多肉植物の発芽に必要な温度はたいてい20~30℃と高温気味なので、春の方が発芽に適した温度設定にしやすくなります。

多肉植物の種まきをする前に

多肉植物の種まきをする前に、種を冷暗所に保存しておき、そのあとで種まきすると発芽がそろうといわれています。

ベストの保存期間は一週間程度で、冷蔵庫に保存しておきます。

残った(残した)種の保存場所としても、冷蔵庫がおすすめです

種は長期保存すると発芽率が下がりやすいので、長期保存しないように心掛けましょう。

種まきする前に、種を冷蔵庫から出して一晩水につけておくとよいといわれていますが、多肉植物の種はまるで埃か何かと間違えそうなくらい小さなものが多いので、むやみにやると紛失しかねないのでおすすめしません。

多肉ショップで種を手に入れよう

個人が育てた多肉植物から採取した種がオークションなどで販売されていることもありますが、ネットショップに多肉植物を多く扱っている店舗もいくつかあります。

多肉植物の栽培に慣れた、信用のおける所から購入するようにしましょう。

種は一般的に容積が小さく、多肉植物はその最たるものなので、メール便や郵便などを使えるので配送料は苗のように高価にはなりません。

一般的な園芸店で多肉植物の種を扱っていることはまずありません。

「種から育てる多肉植物栽培キット」なるものが店頭で当たり前のように多数売られるようになる日は絶対に来ないとは言いませんが、なかなかお目見えするのは難しいのではないかと思います。

多肉植物の種は一粒100円程度からですが、マニア垂涎の希少価値が非常に高いもの・育てるのが非常に難しいデリケートなものは、高値で取引されています。

多肉植物の種は慣れた人がうまく種まきすると発芽率も高めになりますが、細菌やカビ、コケなど些細な外敵にも負けてしまうことも多く、デリケートなので発芽させてもうまく育てられないこともあります。

リスクを念頭に置いて種から育てる「実生」栽培にチャレンジしましょう。

密閉できる光がしっかり入る容器を

多肉植物の種は非常に小さいため、上から水やりすると簡単にどこかに行ってしまうので鉢底から水を吸わせる「底面給水」で管理します。

多肉植物の種は、湿らせた土の上にぱらぱらまいて、その上には土をかぶせません。

多肉植物の種は、発芽に日光を必要とする好光性で、発芽してある程度の大きさに育つまでは乾燥が厳禁なので、光が入る透明な蓋がついている密閉できる容器を用意しましょう。

底面給水できるように、底に水がためられ、種まきする鉢が入る大きさにします。

種まきする鉢は何でもいいというけれど

種まきに使う鉢はプリンカップでも何でもいいので、底穴があるものか、穴がないなら穴をあけて使えばよいといわれています。

多肉植物の種はカビにもバクテリアにも細菌にも負けてしまうことが多く、コケなどが生えてもやはり負けてしまうことが多いので、できるだけきれいな容器を用意しましょう。

空き容器を使うのであれば、あらかじめアルコール消毒しておくなど、ある程度の予防策をとっておいた方が無難です。

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