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食虫植物は、その生態もユニークですが、ユニークな姿形のものが数多く存在しています。
食虫植物には、南国原産のものが多いのですが、高山地帯や乾燥地帯にも見ることができます。
とはいえ、圧倒的に多いのが南国原産なので、普通に園芸店やホームセンターに売られているものを購入してきたときは、南国原産と考えて育てると間違いないでしょうか。
実際、普通に園芸店やホームセンターで購入してきた食虫植物は、どれもこれも寒さに弱く、秋が深まっていくと我が家から姿を消していました。
ウツボカズラ(ネペンテス)の魅力
ウツボカズラは和名で、属名のネペンテスとして売られていることもあります。
90種類以上が自生していて、園芸品種や交配種もあり、どれも同じ形をしているものと思われがちですが、個体差が多く、いろいろ集めてみたくなります。
ウツボカズラは東南アジアを中心とした熱帯地方に広く分布するツル植物で、大きくなると15mもツルをのばして木に絡みついてることがあります。
高温多湿の明るめのジャングルに自生しているものが最も多く流通しています。
冷涼な高山地帯や乾燥した砂漠地帯にも自生していますが、これらは希少種なので、まず手に入りにくく、見つけられてもお高いので、マニア向けです。
葉脈がぐんぐん伸びてやがて袋になる
ウツボカズラは、葉っぱの中央の葉脈が、葉っぱの先端からどんどん長く伸びていき、そこがやがて捕虫袋になっていきます。
まだ伸び始めたばかりの葉脈の先端はちょっと尖っていて、真ん中に穴が空いているので、なるほど、ここが捕虫袋になっていくんだとわかる構造をしています。
捕虫袋の中に消化液が入っていて、そこに落ちた虫を消化して栄養として生育します。
蓋の部分に蜜腺があって、そこに吸い寄せられ、蜜を吸うと虫はフラフラして、袋の口が滑りやすいようになっているので、袋の中に落っこちてしまいます。
袋の中も滑りやすくて、出ていけないようになっているようです。
水苔か水はけの良い土で育てて
ウツボカズラを育てる場合、なれていない場合は、水苔のみで栽培するのが最も水管理がしやすいようですが、市販されているものが水苔で栽培されているケースはあまりありません。
腐葉土やピートモスなどを多めにブレンドした水はけの良い腐植質の土もおすすめです。
しかし実際問題としては、シクラメンが栽培されているような、普通の培養土か、普通の培養土にもっとピートモスやココピートなどをブレンドした、乾いたらふわふわになりそうで、湿っているとビッチャビチャな土に植えられているのがほとんどです。
気温が高い時期であると、生育期なので植え替えもしやすいので、気温が高い時期に枯れそうなのであれば、水苔に植え替えるとか、植え替えにチャレンジしてみましょう。
デリケートな植物なので、元気で育っているようであれば、ダメージになりやすい植え替えにはチャレンジせず、そのまま栽培してみましょう。
ウツボカズラの袋を長持ちさせるには
ウツボカズラの捕虫袋は、そのまま暖かく見守っているだけでは、あっと今に枯れたり破れたりしてしまいます。
捕虫袋を長持ちさせるには、袋の中の水を大体1/3くらいの水量に保つようにしましょう。
何を入れて??と思われるでしょうが、入れるのは、水か薄めた液体肥料がおすすめです。
袋全体も乾燥しにくいように、時々霧吹きで水をかけておきましょう。
ウツボカズラは土と葉に与える水の量を変えて
ウツボカズラは、土に与える水と、葉に与える水の量は変える必要があります。
土には、表面の土が乾いてきたら、たっぷりと水やりするようにして、常にビシャビシャにしないように心がけましょう。
底面給水になっている場合など、常に水分を含んでいますが、この状態がピッタリの品種であれば、そのままにしておきましょう。
元気がどんどんなくなってくるようであれば、底水を外して、表面の土が乾くまで水やりを控えてみましょう。
一般的はウツボカズラは、多湿を好むので、葉や袋には通年霧吹きで水をかけて乾燥しすぎないようにしましょう。
虫のあげすぎ・触り過ぎに注意
ウツボカズラに、チーズのかけらや虫を与えると、元気になると思われていますが、それほど消化能力の高い消化液ではないので、むやみに与えすぎないようにしましょう。
同じ入れるのであれば、すぐに吸収できる液体肥料を規定量より薄めてちょっとだけ入れてあげましょう。
あまり栄養になる虫などが多くありすぎると、栄養が豊富なために、新たに捕虫袋をつけなくなってしまうことがあります。
葉っぱの葉脈の先端が捕虫袋へと成長していきます。
その様子があまりに面白いからと言って、先端を触りすぎると、袋にならないことがあるので、触り過ぎにも注意しましょう。
アブラムシやカイガラムシには気をつけて
虫を食べてくれるはずのウツボカズラですが、アブラムシやカイガラムシは付きやすいようです。
アブラムシやカイガラムシは葉水が好きではないので、予防も兼ねて葉水はよく与えるようにしましょう。
湿度の高い環境もまた、ウツボカズラには適しているし、アブラムシやカイガラムシがつきにくくなるので、乾燥しすぎないように気をつけましょう。
ウツボカズラがやってきた
コバエ対策として、これまで数々の食虫植物が我が家にやってきたのですが、どれも長野の冬の寒さに耐えきれず、気がついたらいなくなっていました。
胡蝶蘭を育てるようになってから、真冬に誰も家にいなくても、15℃以下に温度を下げないようにしてきました。
この頃からなら、おそらく長野の冬でも生き延びたのでしょうが、すでにすっかり育てる気を失い、長く育てていませんでした。
暖地の浜松の夫の下宿に、コバエ撃退機がやってきたものの、コバエが一向に皆無にならないこともあって、またぞろ、食虫植物を我が家に登場させてみようということになりました。
ポケモンのウツボットのこともあるし、今回はウツボカズラに決定。
コバエ撃退機が、食虫植物の真横にあると、ものすごく機能を発揮することがわかりました。
食虫植物のおびき寄せと、コバエ撃退機のおびき寄せで、ダブルで撃滅。
とはいえ、それでもいなくならないコバエたち。
どこに住んでいるんでしょうね。
我が家の三人息子なら、「おかんの草(←観葉植物のこと)に決まってる」と、間髪入れずに答えてくれそうです。