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2018年5月12日に、はままつフラワーパークで咲き誇っていたバラの花々から、分類を見ていく「バラの咲き方・花形ガイド」その5です。
ここでは、ロゼット咲き・抱え咲き・ポンポン咲きをご紹介しています。
2018年6月15日の長野県中野市の一本木公園のバラも追記しました。
ロゼット咲き
ロゼット咲きというのは、バラらしい咲き方という意味で、バラの花形をもともとさしていて、放射状に伸びる花形なので、またまた、丸弁平咲きやオープンカップ咲きと境界が微妙ですね。
カップ咲きの品種のほとんどが、花が開いてくるとロゼット咲きになってきます。
他に分類しにくいバラらしい咲き方、と考えるとよいかと思います。
ジュビリー・セレブレーション
2002年 イギリス デビッド・オースチン作出
イギリス・エリザベス女王陛下即位50周年を記念して、女王陛下に捧げられたバラ。
「jubilee」は50周年・祝祭、「Celebration」は祝典・祝賀を意味しています。
90枚の花びらがぎっしり詰まったロゼット咲きで、花持ちもよい。
ディープカップ咲きに分類されることも。
四季咲き、花径9ｃｍ【大輪】茎が細いのに花が重いので、うなだれたように咲きます。
四季咲き性が強く、繰り返しよく咲きます。
樹高1.0ｍ ✕ 幅1.0ｍ なので、鉢植えでも育てやすいシュラブローズ（S)
香り：強香（爽やかなフルーツ系）
花色 ：サーモンピンク色
（撮影：長野県中野市 一本木公園）
伊豆の踊子
2001年フランス・メイアン社作出
別名「カルトドール（Carte d’or)」は「金のカード」を意味します。
川端康成の小説「伊豆の踊子」の発祥地の河津市にあるフランスバガテル公園の姉妹公園「河津バガテル公園」に贈られたバラ。
四季咲き、花径8ｃｍ【中輪】咲き始めは半剣弁高芯咲きですが、咲き進むとロゼット咲きになります。株が充実してもロゼット咲きになるので、イングリッシュローズかオールドローズのような雰囲気になります。花びら40枚
樹高1.3ｍ ✕ 幅1.0ｍ なので、鉢植えでも育てやすい品種
フロリバンダ（F）で、半直立性です。
香り：中香
花色 ：黄色
ミケランジェロ
1997年フランス・メイアン社作出
1997年ジュネーブ国際コンクール金賞受賞
四季咲き、とも繰り返し咲きともいわれているので、秋以降の花数は少なくなると考えられます。
花径8ｃｍ【中輪】ロゼット咲き。花びら40枚
樹高1.6～1.8ｍ
ハイブリットティー（HT）で、半ツル性（シュラブローズ）のため、ショートクライマー（小さめのツルバラ）としても仕立てられます。
香り： 中香
花色 ：黄色
チャイコフスキー
2000年フランス・メイアン社作出
オールドローズに似た雰囲気があり、花が終わると一気に散ってしまいます。
花径12ｃｍ【大輪】半剣弁（花びらに尖った部分がある「剣弁」と尖った部分がない「丸弁」の中間）ロゼット咲き。花びらの数は30～60枚。
樹高1.0～1.5ｍ
ハイブリットティー（HT）で、半ツル性のあるシュラブローズ（S)のため、ショートクライマー（小さめのツルバラ）としても仕立てられます。
香り： 微香
花色 ：クリームイエロー色
グリーンローズ
1827年ころ、中国で作出
ロサ・キネンシス（庚申バラ）・オールド・ブラッシュなどの変種・枝変わりと言われていて、中国では「青花（チンホア）」と呼ばれています。
グリーンの花びらに見えるものは、ホウなので、秋には紅葉して赤く色づきます。
別名は「ロサ・キネンシス・ヴィリディフローラ」
四季咲き、花径4ｃｍ【小輪】ロゼット咲きですが、平咲き・半八重咲きにも分類されます。花びらは退化。
樹高 1.2～1.5ｍ
中国で作出されたのでチャイナ・ローズ（Ch)に分類されます。
香り： 超微香
花色 ： 緑～赤色
スイート・マーマレード
2013年 イギリス・ワーナーズローズ社コリン・オーナー氏 作出
四季咲き、花径8ｃｍ【中輪】ロゼット咲き。 花びらの数は30～50枚。
樹高 1.0ｍ ✕ 幅 0.8ｍ コンパクトに育つので、鉢植え向き。
花が房状につくフロリバンダ（F)で、半直立性。
香り： 強香（スパイシーな香り）
花色 ： オレンジ
アンブリッジローズ
1990年 イギリス・デビッド・オースチン 作出
四季咲き、花径8～10ｃｍ【中大輪】咲き始めはカップ咲きですが、段々とロゼット咲きに。 花びらの数は70枚。
樹高 1.2ｍ ✕ 幅 0.8ｍ コンパクトに育つので、鉢植え向き。
シュラブローズで、横張りしない直立型で、コンパクトに育ちます。
香り： 強香（フルーツ系のミルラ香）
花色 ： アプリコットピンク
抱え咲き
カップ咲きのように花びら全体が丸くなっている「カップ咲き」のような花形ですが、中央の芯の部分に巻きがあるものを「抱え咲き」といいます。
プリンセス・シャルレーヌ・ドゥ・モナコ
2014年 フランス・メイアン社作出
モナコ公国シャルレーヌ公妃に捧げられたバラです。
4つの国際コンクールで芳香賞を受賞
四季咲き、花径11ｃｍ【大輪】花びらにウエーブがかかっているので、「波状弁抱え咲き」になります。花びらは60～70枚
樹高1.6ｍ
ハイブリットティーHT（木立性のバラ）ですが、立木性なので、横に広がらないシュラブ状に。
香り： 強香 フルーツにティーとハーブの香り
花色 ： パステルピンク（アプリコットピンク）
シェエラザード
2013年 日本 バラの家・木村卓功氏 作出
ロサオリエンティスのひとつ。
アラビアンナイトの王に物語を千夜語る姫の名前が由来。
切れ目がある花びらで、剣弁状の尖りもありますが、ウエーブがかかっています。
四季咲き、花径8ｃｍ【中輪】花びらにウエーブがかかっているので、「波状弁抱え咲き」。
バラの家のサイトには、「波状弁咲き」と書かれていましたが、上出の「プリンセス・シャルレーヌ・ドゥ・モナコ」と比較して、「波状弁抱え咲き」に分類しました。
樹高1.2ｍ ✕ 幅0.8ｍ 直立性のあるハイブリットティー（HT)によくある樹形に育ちますが、バラの家のサイトに、「シュラブローズ（S)」と書かれています。
香り： 強香 （ダマスクに、フルーツ+スパイス）
花色 ： 紫がかったローズピンク
ウーメロ
1996年 フランス・メイアン社作出
繰り返し咲き、花径7～8ｃｍ【中輪】花びらにウエーブがかかっているので、「波状弁抱え咲き」。花びらが外側になるに連れてグラデーションが入っていきます。
花びらの枚数は25～30枚。
樹高1.5～2ｍ ✕ 幅1ｍ 半直立性のシュラブローズ（S)で、半つる性。
冬場に1ｍ未満の樹高まで切り詰めたほうが管理も花つきも良くなります。
修景バラなので、花柄摘みしなくても、終わった花がポトンと落ちます。
香り： 中香 （スパイシーさのある甘い香り）
花色 ： 中心がアプリコットピンクになる淡いピンク色
（撮影：長野県中野市 一本木公園）
ポンポン咲き
花びらの一番外側がそっくり返っていて、横から見ると球形に近いほど丸くなった咲き方を「ポンポン咲き」といいます。
バラよりも、菊やダリアのイメージが強い咲き方です。
ファイヤーワークスラッフル
2014年 オランダ・インタープランツ社作出
四季咲き、花径8～9ｃｍ【中輪】深裂弁ポンポン咲き。ロゼット咲きに分類されることも。
花びらの数は 153枚
花びらの切れ込みがめっちゃ深いよ、という意味の分類です。
樹高 0.8～1.0ｍ ✕ 幅 1.0ｍ
房状に花が咲くフロリバンダローズ（F)で、半横張り性があります。
香り： 中香 （ティーの香り）
花色 ： 黄色い花びらにだんだんと赤みが入っていきます。
