根や茎の中を食べるテッポウムシ|バラを壊滅的に枯らす虫【その1】

バラの葉っぱにつく虫は、葉っぱをダイレクトに食い荒らすので、水やりのときにすぐに気が付けますが、根や茎につく虫は地中や茎の中に隠れているのでなかなか発見できず、あれよあれよといううちに枯れ果ててしまった!ということになりかねません。

バラの根や茎につく、バラのサイレントキラーの特徴と退治方法をご紹介します。

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なすすべもなくバラが枯れていく!

実際、私自身、2m四方に育ったバラの大株が1週間でなすすべもなく枯れていくのを手をこまねいて見つめているしかなかったことが何度かありました。

抜いてみても、何事もなかったため、原因がわかりませんでした。

根だけでなく、茎や株元にも虫がつくことがあることを知らなかったがために、大株を何本も失いました。

元気がないので、鉢を外したら、中から幼虫がうじゃうじゃ出てきたこともあります。

地植えの場合でも移植ごてで株元を掘ってみたところ、幼虫がこんにちはしました。

地中や株の中に巣くう虫は、バラをダイレクトに枯らしてしまうので、なるべく早く見つけて退治することが必要です。

株元・茎の中に巣くう【テッポウムシ】

「テッポウムシって何?」とよく聞かれますが、「カミキリムシの幼虫」のことで、白い芋虫です。

バラの株もとに穴をあけて中にもぐりこみ、株を内側から食べつくします。

茎についていることもあります。

いずれにしろ、人目につかないところを集中的に狙ってきます。

なんだかあれよあれよという間に枯れていく気がするんだけど・・・??というときは、まずはこれが疑われ、株もとなどをつつくとぼろぼろ崩れるところがあり、その中に潜んでいます。

株もとにおがくずが落ちていたらテッポウムシのサインと言いますが、このサイン、見逃しがちです。

テッポウムシの退治法

人目の付かない株の裏側などに巣くっているので、アヤシイと思う株をハサミの端でつついて落とします。

穴が見つかればその奥をつついて撲滅することも可能ですが、たいてい見つからず、株元の場合はのこぎりでぎこぎこ、アヤシイ部分を切断して虫をさがします。

白い姿が見つかったとき、歓声が上がります。

テッポウムシ向けの殺虫剤がいろいろありますが、見つける以上に効果的な効き目があったことが、残念ながらありません。

テッポウムシの予防法

後述のテッポウムシこぼれ話でも書きましたが、テッポウムシの予防法の画期的なものはまだ見つかっていないようです。

それでも、何とかしないといられませんよね。

夫がネットで探して試してみるようにといった裏技を試してみたので、その方法と効果についてご紹介しましょう。

アルミホイルを株もと周りに巻く

カミキリムシは光物が嫌いとの説があり、株もとにアルミホイルを巻き付けておくと、カミキリムシが寄ってこないので被害を防げるというものです。

巻いている間、そこにはテッポウムシはつきませんでしたが、アルミホイルと株の間にダンゴムシが快適そうに暮らしていたのと、見た目が悪いのとで継続するのは断念しました。

株の周りをコーティング剤で塗り固める

専用の酢ビ(木工用ボンド)のようなコーティング剤を夫がネットで購入してきました。

株元をコーティングしておくことで、テッポウムシの被害を防ぐというものです。

すでにテッポウムシの被害をこうむった、のこぎりで切ったばかりの痛々しい株の切断面を保護するにはうってつけでした。

のちに、芳純が元気がないなと思っていたら、直径15cmはあるかと思う株の中央に大きな穴が空いていました。

コーティング剤を押しのけて、中のテッポウムシが出てきたようです。

塗る前からいたのか、塗った後にいたのか、定かではありませんが、中の虫を窒息させる効果はないようです。

白いものを株の周りに敷き詰める

玉砂利を敷いたらカミキリムシが寄ってこなくなるという方法を夫がネットで見つけ、「玉砂利は株元のメンテナンスのときに大変そうだから、タイルにしたら?」と言い出し、白いタイルをネットで大量購入して、20株は下らないから結構大変でしたが、頑張って敷き詰めました。

先日、ローゼンドルフシュパリースホップにカミキリムシが止まっていたので、高枝ばさみでチョキンしました。

もちろん、白いタイルは株もとに敷き詰めてありますが、敷き詰める前から元気がなく、相当探したのですがテッポウムシを発見できていませんでした。

前述のコーティング剤も塗ってあります。

白いタイルの効果は、コーティング剤も含めてよくわかりませんが、これ以降、ローゼンドルフシュパリースホップは元気を回復しています。

テッポウムシこぼれ話、村上敏先生に質問してみた

京成バラ園を訪れたとき、NHK「趣味の園芸」の講師でおなじみの村上敏先生がスタッフの方とお話ししているのを発見し、ダッと駆け寄り、許可ももらわずいきなり自宅のバラが4本以上テッポウムシにやられていることを告げたうえで「テッポウムシが付かないようにする方法はないか」とお尋ねしたことがあります。

先生はにっこり微笑んで、「実はね~~、ないんですよ、これが」とおっしゃいました。

親を見つけたら、徹底的にチェックすることしか根本対策はないそうです。

こういった木が一緒に植えられていると、つきやすいですよ、と教えてくださった木はほとんど縁がない木でしたが、唯一「紅葉」だけはうちにありました。

嫁が脱兎のごとく駆け寄ったあの人は何だろうとついてきた夫が横から、「ごめん、紅葉にカミキリムシがいるの、見たけどほっといた」とボソッと懺悔しました。

バラを壊滅的に枯らす虫【その2】 に続きます。