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ピエール・ドゥ・ロンサールのようなつるバラを、壁面いっぱいに大きく育てたい、フェンスにぐわっと這わせたい、そんな夢を持っている方が多くいらっしゃいます。
バラを育てる人なら一度は夢に見ることですね。
でも、その細かな剪定の仕方、誘引の仕方などが細かく紹介されていることは稀です。
ここで今一度、つるバラの剪定の仕方、誘引の仕方など、詳しく紹介していきましょう。
つるバラのつるは横に広がるだけじゃない
つるバラのつるは、伸びるに任せると、どのように育つかと言うと、噴水のシャワーが広がったように伸びていきます。
自立性があまりなく、ボワンボワンに広がっていきます。
横に広がる、というのは正しいとは言い切れません。
同心円状に広がります。
後ろに壁があっても後ろにも伸びる?
残念ですが、後ろに壁があっても、後ろにも伸びます。
後ろのほうが日当たりが若干悪いために、伸びにくいのが救いです。
建材の間から、サイディング内に入り込む場所を探すかのようにエラいところに枝が伸びて抜き取るのに苦労したことがあります。
日の当たる側にボリュームよくのびやすい
つるバラのつるは、だんだん長く太くなっていきますが、後ろに壁があると、フロント側のほうが日当たりが良いので、前の方の伸びがより良くなります。
フェンスの手前につるバラを植えると、フェンスの向こうのほうが日当たりが良ければ、手前から見れば、後ろのほうが伸びが良くなります。
平面的につるが伸びてくれれば壁面に仕立てるのは容易になるのですが、株元がはどんどん同心円状に大きくなっていくように、株全体もボリューミーになっていきます。
つるバラのつるは横に寝かせる距離を長く
つるバラを、横方向により長くなるように誘引するのは鉄則です。
つるバラを縦方向に真っ直ぐ伸ばすと、その先端付近にしか、蕾が付きません。
したがって、段々と下の方の花がなくなってきます。
横に寝かせたつるから新芽がどんどん出てくる
つるを横に寝かせると、次々と脇芽が伸びてきて、蕾がその先端付近に付きます。
たくさん花を咲かせるためには、つるを横方向に誘引する距離をより長く取れるようにする必要があります。
アーチに沿わせる場合、蛇腹状につるを誘引することで、まっすぐに上まで伸ばしたときとは比べ物にならないほどの花数の花を咲かせることができるようになります。
強い誘引は大寒の頃に
シュートや細枝を横方向に誘引するのは、ホワンホワンしていて柔らかいので、いつでも簡単ですが、直径3cm以上になった太枝を曲げるのは簡単ではありません。
少々力を入れても曲がらないし、無理をするとボキッと折れてしまいかねません。
冬、バラの葉っぱを全部取り、強めに切り詰める強剪定をして冬支度した後、バラは休眠に入ります。
この時つるの誘引もやりますが、できる範囲でできるだけ横に寝かせようとするだけでOKです。
特に寒さの募る大寒の頃、バラはしっかり休眠しているので、枝の曲げ頃になります。
初冬に行った誘引を、大寒の頃に、更に強い誘引にやり直します。
大きく育った太枝の、特に太い部分は、ほぼ曲げられないので、株元近い部分は斜めにするのがやっとかもしれません。
でも、まっすぐ直立で立っているよりも遥かにいい状態になるので、できるだけ横に倒しましょう。
誘引はフェンスやアーチの表面だけに
つるを固定しやすいように、フェンスの柵の間を互い違いにつるを通していくと楽に固定できますが、NG。
春になって、つるが伸び、脇芽が伸びてくると、ガチガチになって二度と外せなくなってしまいます。
混み枝になっても、柵が幹に食い込んでも、手が出せなくなってしまいます。
何度も外して調整することを考えて、作業しやすい一面上のみにつるを誘引し、しっかり固定したいところだけ麻ひもや結束バンドで軽く止めておきます。
冬の強剪定はどのくらい切る?
バラの強剪定は、茎の長さの1/3~1/2を残してバッサリと小さくコンパクトに抑えるものですが、壁面いっぱいに伸ばしたい時、切りたくないですね。
切らなくてもいいものか、それでも切ったほうがいいのか、悩むものです。
大きくしたいときは長めにつるを残して
どんどん大きくしていきたい時、つるを長めに残して剪定してもいいものか悩みますが、もちろん構いません。
切ってしまった枝はつけ直すことができませんが、残しておいた枝は、生育が悪い部分を切り落とすことは可能です。
休眠中、枝が長いからバラの生育が結果的に悪くなってしまうということはないので、長くしたいときは長く残しましょう。
細枝は枯れることがあるけれど
長めにつるを残そうとすると、かなり細い枝ばかりの部分も残すことになってしまいます。
細いから切るか?でも残したい。
悩むときは残しましょう。
後で切り直すことはいくらでもできます。
細枝はそのまま何とか育つこともあるし、その部分が枯れることもあります。
実際に育たない様子を見ないと、育つかどうか判断できないこともあるので、残しておいて、ああやっぱり駄目だな、と思ったときだけ切るようにします。
3年以上育てた太い茎は優先的に切る
3年以上育てた太い茎は、茎のつけ根部分が緑色でなくなり、木のような肌質になる「木質化」していきます。
ふっとい枝、素敵~と思いたいところですが、切り頃です。
古枝には、蕾があまりつかなくなってしまいます。
株をリフレッシュさせるためにも、古枝は優先的に株元から切ってしまいます。
これが切り頃??今年はよく咲いたのに!
と思うかもしれません。
そんなときはもう一年残して様子を見ます。
太い古枝だけど、すごい咲いたわ!ということがあるかもしれません。
大部分は、古枝は大きいのに花つきが悪くなって、残すんじゃなかったと思う結果になっていきます。
花付きが悪くなってから、その年の冬の強剪定のときに、株元から切り落としても十分に間に合います。
くどいようですが、切ってしまっては元には戻らないので、後悔しないように、だめになってから切っても全体の成長には問題にならないので、もう切らないとダメだな、と思うまで残してください。
つるバラの剪定の画像を取り忘れた
2018年11月下旬、長野の自宅の庭のバラの強剪定をいっぺんにやろうとしたところ、芳純のテッポウムシの処理に思いの外時間を取りました。
つるバラとして育てながら四季咲き性も残す育て方をしているストロベリーアイスの解説をたっぷりお伝えしようと思っていたのに、疲れ果て、体調不良もあって、全然伝わらない記事に。
しかも、壁面向けに育てているローゼンドルフシュパリースホップの画像を取り忘れていることに、浜松に戻ってから気づきました。
理論的なことばかりで、実践編がなしになってしまいましたが、ご了承ください。