目次
バラの葉っぱにつく厄介な虫として、チュウレンジハバチ、ホソオビアシブトクチバと並べて書くならバラゾウムシじゃないかと言われるかもしれませんが、バラゾウムシは飛び回って逃げるので、簡単には駆除できないので、この際カウントしていません。
ミノムシは、じっとしているだけじゃないかと思われるかもしれませんが、意外に逃げ足も速く、繁殖力も強く、バラも含めてなんにでもついて、大食漢で大きなダメージを与える厄介な害虫です。
意外な天敵【ミノムシ】
葉っぱに茶色く丸い跡がたくさんついていると、その裏などに小さな5mmくらいのミノムシがついていることがあります。
小さくてかわいい?大きくてもじっとしてるし、いいんじゃない?と思うかもしれません。
私も45年間ほど、そう思っていました。
2階のベランダまで大きく滝のように伸びたクレマチスモンタナの、1階からも2階からもとどかない部分にびっしり隙間なく大小さまざまなミノムシがついて葉っぱがまるでない状態になっているのを見つけ、株もとから切り取る羽目になるまではミノムシは害がないと思っていました。
大きなクレマチスが真っ黒な棒状に
冬、2ひきくらいの大きなミノムシが木の枝からぶら下がっているのを見つけました。
それまで、ミノムシは一生ミノの中でじっとしているおとなしい虫だと思っていました。
とはいえ中にはグロテスクな虫が入っているのは知っていたので、触りたくないのでそのままにしました。
翌年の春、洗濯物を干していて、ふと、5mmくらいの小さなクレマチスの小枝を背負ったミノムシがクレマチスの上を歩いているのを見つけました。何処から来たんだろうと、クレマチスの方を見ると、大小さまざま、同じようなミノムシがちょろちょろしています。
よくよく見ると、1階からも2階からも届かない位置が、真っ黒になるまでミノムシが巣くっていて、葉っぱが一枚もない状態になっていました。
手で取り除こうとしたけれど取れないくらい多い
はじめ、夫と子供に手伝ってもらって、ミノムシ取りをしようとしたのですが、取っても取っても取り切れず、一番巣くっているところは2階からも1階からも届きません。
あきらめて、株もとから切り落としました。
クレマチスと言えど、一本の太さが3cmくらいある枝が何本もある巨木です。
のこぎりでぎこぎこ切り、なるべく何も残さないように大きなビニール袋に拾い集めて詰め込んで、園芸ごみとして処分することにしました。
意外と逃げ足が早くはびこるミノムシ
ミノムシをビニール袋に詰めたものの、ビニール袋のわずかな隙間から逃げ出しそうになっているのを何度か見つけ、切り落とした枝があったあたりにはびこっている大量のミノムシをその植物ごと切り取ってまたビニール袋に集めて詰めることを繰り返しました。
様々な植物にすぐに繁殖しようとし、そのたびに見つけてアヤシイ枝ごと切り落とし、5年ほどたった現在も庭から完全にはミノムシが駆逐できていません。
ミノムシそのものは、植物を選ばないらしく、バラもターゲットになることがあります。
葉っぱに丸い茶色い部分がいくつもあるとアヤシイ
ミノムシは小さかったり、周りにいるミノムシの個体数がまだあまり多くない場合は、葉っぱを食べつくさずに、茶色い丸い模様をいくつか付けます。
ようはお食事した後なのですが、葉っぱを食べつくさず、あちこちつまみ食いしては移動していくので、茶色い丸い模様がある葉っぱが出たときはミノムシ注意報が出ています。
妖しい葉っぱを丸ごと処分しないと、見落としたミノムシがまた繁殖していきます。
ミノムシの処分は枝ごと丸ごと切り取って
ミノムシは一匹いるとその周りにも隠れていることが多いので、アヤシイ枝が見つかったら、枝ごと多めに切り取っておくようにします。
切り取り範囲を抑えめにすると、見逃したものがいて、必ずまた被害にあってしまうので、妖しい葉っぱのついている枝はすべて取り除いても、切り取り過ぎではありません。
また、ミノムシはゴミ袋の封がしっかりされていないと隙間から逃げ出すので、きっちり口を縛っておきましょう。
切った枝をすぐにゴミ袋に入れないでいても、やっぱり逃げ出すので、切りながら袋にどんどん入れていくようにします。
ミノムシは絶滅危惧種というけれど
最近見ないミノムシがいた、被害が起こる前は私もそう思っていました。
のちに知ったことによると、ミノムシは絶滅危惧種だそうです。
しかし、ミノムシに果樹の葉っぱが一枚もなくなるまで食べつくされた農家の方が呆然としたという話を何かで読んだことがあります。
蝶が来ると喜び、蝶の幼虫を可愛がって育てている人もいます。
でも、ガーデニングを楽しんでいる以上、私は蝶が来てもうれしくないし、幼虫は枝ごと切り取って処分するし、育てるのに協力する気はまるでありません。
できるならばミノムシを、せめて我が家の庭から絶滅させたいです。
絶滅危惧種といえど、我が庭での繁栄は許されません。