目次
横浜イングリッシュガーデンは、モダンローズが多く栽培されているバラ園です。
流通量が少ない希少種や、これからメジャーになるかも!?という素敵なバラも沢山栽培されています。
11月下旬に美しく咲き誇るバラは、四季咲き性が高いものばかり。
「これは四季咲きだろうか?一季咲きだろうか?」と悩む必要もありません。
新しく四季咲きのバラを探しているかた、なにか素敵なバラはないかしらと思っている方に、これ、いいかも!を見つけるお手伝いになればと思い、量が多いのですが、まとめてご紹介しました。
きっと見つかる素敵なお気に入り
膨大なバラを栽培している横浜イングリッシュガーデンなので、もちろん、全部は撮りきれていません。
でも、できるかぎりをご紹介させていただきました。
きっと、夢中にさせられる、是非欲しい四季咲きのバラが、いくつか見つかることと思います。
わーこんなの咲いているんだ~、ふ~ん。
あ、これいい!ほしいな~、でもどんなバラだろう??
あ~そういうやつなんだ~ふうん。
これ、探して買おう!
そういう感じで楽しんでいただけたらと思います。
ちょっとおさらい「バラの品種について」
- ハイブリットティー(HT) 四季咲き大輪の花が、枝先に一輪ずつ咲く品種。木立性が多い。
- フロリバンダローズ(F) 四季咲き中輪の花が、枝先にたくさん咲く、房咲きになる品種。
- ポリアンサローズ ノイバラを片親にもつ、小花が房咲きになるバラ。
- シュラブローズ(S) 半つる性とも呼ばれ、ボワンボワンに広がるけれど、ツルバラほど長く伸びないタイプの樹形のバラ。
どういうバラなのか、一口で説明するように、サラッと書かれていることがあります。
何となくわかっているよりは、はっきりわかったほうがより良いですね。
紹介の中では説明しないので、何だったっけ?と思ったら、確認してください。
花の大輪中輪小輪は大体の傾向で、例外もあります。
ブルーローズ
ブルーローズはもちろん、青いバラのことですが、バラには青色色素も青色色素を作り出す酵素もないため、かつては不可能の代名詞でした。
現在、ブルーローズとして流通しているバラは、遺伝子組み換え技術を駆使したものも含めて、どれも紫系統のバラになります。
横浜イングリッシュガーデンは、スーパーバイザーである河合伸志氏が、ブルーローズもいくつも生み出されているためか、園内のあちこちにブルーローズが見られました。
夢紫
夢紫は、2009年、日本 河合伸志氏作出のフロリバンダローズ(F)で、「禅ローズ」の一つです。
夢紫もそんな河合伸志氏のブルーローズの一つです。
赤紫色の縁にフリルの入った中輪の波状弁咲きの、花びらの多い花が咲きます。
柑橘系の香りを含んだブルーローズの強い香りがする強香です。
樹高も幅も、1mくらいまでしか伸びないコンパクトに育つ品種です。
紫の園
紫の園は、1980年、日本 小林森治氏作出のフロリバンダローズ(F)です。
数々のブルーローズを生み出してこられたアマチュア育種家、故小林森治氏の代表品種「たそがれ」の改良品種です。
丸弁平咲きのラベンダー色の花径7cmの中輪の花が美しく、微香性ですが、ブルーローズでは花つきも花数も良い、育てやすい品種です。
樹形も幅も1mくらいまでに育つ、コンパクトな樹形になります。
カフェ・オレ
1997年 日本の 山崎和子氏作出のミニバラと看板がついていたのですが、1990年アメリカ Ralph S. Moore 作出のミニバラもまた、カフェ・オレと名付けられていて、どちらも同じように見えるので、よくわかりません。
カフェオレといえば、黄土色の飲み物なので、なんでカフェオレ?とちょっと思ってしまうほど、美しいブルーローズです。
花色は、「灰色がかったラベンダー色」とされることが多いのですが、花芯が茶色っぽいので、茶系統とされることもあり、カフェ・オレなのでしょう。
アンティークブーケ
アンティークブーケは、2003年、オランダ デルイター社作出のスプレーバラ(房咲きのバラ)。
切り花に適したバラなので、苗の流通が少ない品種ですが、花持ちの良さと花形の可愛らしさに人気があります。
半剣弁抱え咲きの花ですが、フリルのついた花びらなのに、花はほとんど開きません。
ピンクと言うよりラベンダー色というのがふさわしい花色が目を惹きます。
微香性です。
一抱えもあるような花束にしたくなるバラです。
横浜イングリッシュガーデンにあったアンティークブーケは、樹高は1m未満で、株の広がりも小さな、コンパクトな株でした。
苗がほとんど流通していないので、樹高や性質のデータは余りありません。
イントリーグ
イントリーグは、1982年にアメリカで作出されたフロリバンダローズ(F)です。
「Intrigue」は「秘め事」を意味していて、インツリーグ、イントゥリーグとも呼ばれています。
イントリーグは、花径9cmの、深い赤紫色ともワインレッドと言われる深い色の、大輪の半剣弁抱え咲きの花を咲かせます。
花形は、半剣弁カップ咲きともいわれます。
樹高は1m前後に収まり、やや横張り性がありますが、それほど広がりません。
強いダマスク香が魅力です。
マダム高木
マダム高木は、2007年 日本 寺西菊雄氏作出のハイブリットティー(HT)です。
マダム高木こと、バラ研究家の高木絢子さんに捧げられたバラです。
マダム高木は、咲き始めは白に近い花色で、咲き進むと紫がかった白い色合いになり、シルバーブルーのシックな花色がとても印象的です。
マダム高木は、花径12cmの、半剣弁高芯咲きの整った大輪の花を咲かせます。
樹高は1.5mと大きめに育ちますが、幅80cmほどにまとまって収まる半直立性で、栽培場所を大きく取りません。
香りは、フルーティーな香りを伴う、ブルーローズ香・ダマスク香の強香。
香りについては、香り音痴なので、あくまで文字情報と思ってください。
ブルー・バユー
ブルー・バユーは、1993年ドイツ コルデス社作出のフロリバンダローズ(F)です。
青紫色の花びらが、緩やかなフリル状になり、花径6cmの可愛らしい丸弁平咲きの中輪の花になります。
切り花として、蛍光灯の下に持ってくると、より青みが増して見えます。
樹高は1.4mと高めですが、広がり幅が80cmなので、やや横張り性がありますが、すっきりとした樹形に育ちます。
花色に特化しているので、病害虫には弱い品種です。
香りは微香性です。
ホワイトローズ
花の形が違ってくると、それぞれにまた違った趣があり、同じ白でもアイボリーホワイト、クリームホワイト、純白、紫がかったホワイト、ピンクが入ったホワイト・・・・数限りないバリエーションがあります。
ホワイトローズの清楚な美しさには、誰もが振り向かずにいられません。
その美しさには、静謐さが伴っていて、いつまでも見ていたいと思ってしまいます。
ボレロ
ボレロは、2004年フランス メイアン社作出の、フロリバンダローズ(F)です。
花径10cmの花びらの数がとても多い大輪の花が、コロンとしたカップ咲きになり、開花が進むとロゼッタ状に開きます。
香りはフルーツ香と言われていますが、香りがとても強いため、「超強香」とされています。
淡いピンク色が中心に入る、白いふわふわとした花が魅力で、名だたるガーデナーが絶賛しています。
こんな大きな花がたわわに咲くのに、樹高も幅も1m以内に収まる半横張り性のブッシュ型になります。
ヨハネ・パウロ2世
ヨハネ・パウロ2世は、2006年、アメリカで作出されたハイブリットティー(HT)です。
名前の通り、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の偉業をたたえ、バチカン庭園に植樹するために選ばれたバラです。
純白花びらが60~70枚にもなる、花径13cmの剣弁高芯咲きの大きな花は、高貴さも漂うほど、整った花姿をしています。
フレッシュなシトラスの香りが強く香り、樹高は1.5mくらいに伸びますが、横には余り広がりません。
売上の一部がアフリカの貧困地域の寄付されます。
レジナ・パシス
レジナ・パシスは、1945年 スペイン ペトロ・ドット作出のハイブリットティー(HT)です。
半横張り性があるため、枝は横に広がりがちですが、樹高も幅も1mくらいで収まります。
花径9cmの大輪の剣弁高芯咲きの花は、中心部分が黄色みを帯びたクリーム色になりますが、咲き進むと白に代わります。
ほのかに甘い香りがする中香です。
レジナ・パシスは「平和の女王」を意味していて、スペインの内戦など、過酷な人生を歩んだ育種家ペトロ・ドットの、平和への祈りが込められた花です。
フレンチ・レース
フレンチ・レースは、1980年にアメリカで作出されたフロリバンダローズ(F)です。
アプリコットピンクにほんのり染まるアイボリーホワイトの、ウエーブの入った緩やかに巻かれた花びらが、優雅な雰囲気を醸し出しています。
樹形は多少枝が広がるので、半直立性~直立性といったところです。
7~10cmの大きめの中輪の花が美しく、香りは微香性です。
フレンチ・レースは、咲き始めは波状弁高芯咲きで、咲き進むと波状弁平咲きになります。
枝変わりでピンク色の花を咲かせる、2004年に日本で作出された、ピンクフレンチレースもあります。
ネージュパルファン
ネージュパルファンは1942年、フランス シャルル・マルラン氏作出のハイブリットティー(HT)ローズです。
ネージュパルファンは、「香る雪」を意味していて、香るバラの代表として、長く愛されてきたバラです。
芍薬咲きのコロンとした丸みを帯びた花は、咲き始めはクリーム色ですが、咲き進むと純白へと変化していきます。
花は半剣弁高芯咲きとされることもありますが、30~35枚の花びらが花径12cmの大輪の花を形作ります。
フルーツのようなフレッシュな香りを伴うダマスク香が強く香ります。
樹形は半直立性で多少広がりますが、樹高も幅も1mに収まってコンパクトになります。
ユキ・サン
ユキ・サンは、1965年、フランス メイアン社作出のハイブリットティー(HT)ローズです。
ユキ・サンは、日本人モデルからつけられた名前と言われていましたが、日本人画家と結婚したフランス人女性に、夫がつけた愛称から名付けられたようです。
別名がマダム・ネージュで、香り高い花が咲きます。
純白の花びらの、花径10cmになる半剣弁高芯咲きの大輪の花がたわわに咲きます。
樹高は1mほどしか伸びないので、半横張り性があって多少株は広がりますが、収まりよく育ちます。
枝変わりのクライミングローズ「ツル・ユキ・サン」もありますが、こちらは木立性に戻りやすい性質を持っています。
雪っ子
雪っ子は、2002年、日本 山上洋氏作出のシンプルな小輪の一重咲きの花を咲かせるシュラブ・ポリアンサです。
雪っ子は、樹高も幅も50cmくらいにコンパクトに収まります。
香りは少ない微香性です。
よく似た花を咲かせるバラが多々ありますが、大型化しやすいので、コンパクトな樹形に育つものがほしいときにはおすすめですね。
花径は3cmですが、花びら一枚一枚は大きめです。
プリンセス・オブ・ウェールズ
プリンセス・オブ・ウェールズは、1997年、イギリス ハークネス社作出のフロリバンダローズ(F)です。
プリンセス・オブ・ウェールズは、故ダイアナ元妃にちなんだバラで、苗木の売上の一部が英国肺病基金に寄付されます。
これとは別に、クリーム色の花びらにピンク色がくっきり入った艶やかなダイアナ・プリンセス・オブ・ウェールズもあります。
プリンセス・オブ・ウェールズの蕾はうっすらピンク色に染まっていますが、咲き進むと純白の花になります。
花径8cmの中輪の花は、丸弁カップ咲きから、咲き進むと丸弁平咲きになります。
香りは中香です。
樹高は60~80cmほどにしかならない上に、幅もあまり広がらないので、非常にコンパクトなので、鉢植えにも向く品種です。
アンナ・プルナ
アンナ・プルナは、2001年、フランス ドリュ作出の、ハイブリットティー(HT)です。
アンナ・プルナは純白の花径8cmの、丸弁高芯咲きの中輪の花を咲かせますが、咲き進むと大きく花開いてカップ咲きになります。
花びらが多く、四季咲き性も多花性も強いため、繰り返しよく咲きます。
樹高は1.2mほどに育ち、幅も80cmぐらいに広がる半直立性です。
香りはすっきりとしたフルーツ香で、強香です。(超強香とされることも)
香り高く、透き通るような白さが美しい花がたくさん咲き、フランスでは非常に人気が高い花で、日本ではこれから人気が徐々に上がってきそうな品種です。
ホワイト・キャット
ホワイト・キャットは、1984年、日本 小林森治氏作出のハイブリットティー(HT)です。
花びらの数が40~50枚、花径12cmもある大輪の、剣弁高芯咲きの凛とした花形と、純白のピュアな花色が美しい、香りの高い花を咲かせます。
樹高は80cmまでしか伸びず、横にも60cm程度にしか広がらないので、非常に大きな花を咲かせるにもかかわらず、コンパクトに育ちます。
香りも非常に強い、強香。
ブルーローズで名高い、故小林森治氏のこだわりの品種です。
ピンクのバラ
もともと、バラの花色といえば白とピンクしかなかったようで、長きに渡る品種改良を経て、赤や茶系統といった様々な花色も生まれてきました。
ピンクのバラは王道中の王道といった花色ですが、華やかで優しい色合いが魅力です。
一口にピンクのバラ、と言っても、品種によってその趣が全く違っていて、それぞれに違った魅力にあふれています。
ラ・フランス
ラ・フランスは、1867年、フランス ギョー社作出の、ハイブリットティー(HT)第一号、モダンローズの草分け、完全な四季咲きのバラ第一号という、非常に重要なバラです。
40~60枚のピンクの花びらで、花径10cmの大輪の、半剣弁高芯咲きともディープカップ咲きともいわれる花を咲かせます。
木立性が強いため、樹高は1.2mまでのびますが、横にも90cmほどに広がります。
ダマスク香が強く香る、強香です。
花つきは良いのですが、枝が細めなので、花が重くてたれやすくなっています。
雨に当たると、花痛みして、花が開かなくなってしまいます。
アマンディーン・シャネル
アマンディーン・シャネル(アマンディーヌ・シャネル)は、2004年、フランスのギョー社作出のシュラブローズ(S)です。
樹形が「直立性」と書かれていることが多いのですが、樹高が1.8mくらいのコンパクトなツルバラ(ショートクライマー)に仕立てるのに向いています。
四季咲きではありませんが、繰り返しよく咲きます。
枝分かれが少なめの長いつるを伸ばしますが、先端は房咲きになり、花数は少なくありません。
裏が白く、表がラズベリーピンクの花びらがギュッと集まった、花径が6~8cmの中輪の、カップ咲きの花を咲かせます。
香りは中香です。
ジ・アニック・ローズ
ジ・アニック・ローズ(ジ・アレンウィック・ローズ)は、2001年、イギリス デビット・オースチン 作出のシュラブローズ(S)です。
イギリスのノーサンバーランドにあるバラの名園「アレンウィックガーデン」を作った公爵夫人に捧げられたバラです。
ジ・アニック・ローズは、ソフトピンクの儚げな印象の花びらがぎっしりと詰まった花を、花数多く咲かせます。
花びら120枚で花径10cmの大輪の、コロンとしたディープカップ咲きが、咲き進むとシャーロットカップ咲きに変化します。
樹高は1.2mくらいまでしか伸びず、あまり枝分かれしないので横にそんなに広がらない、コンパクトな樹形に育ちます。
ティーの香りを伴ったダマスク香の、バラらしい香りが強く香ります(強香)。
イヴ・ピアジェ
イヴ・ピアジェ(イブ・ピアジェ、イブピアッチェ)は、1983年、フランス メイアン社作出のハイブリットティー(HT)です。
スイスを代表する高級宝飾ブランド「Piaget(ピアジェ)」社の会長イヴ・ピアジェ氏に捧げられたバラです。
ゆるやかなウエーブの入った濃いピンクの花びら80枚、花径14cmの大輪の芍薬咲きの花を咲かせます。
樹高は1.3mで、やや横張り性があって、少し広がるブッシュ樹形になりますが、比較的コンパクトに育ちます。
切り花としても人気の高い品種です。
ダマスク・モダンの華やかなバラらしい香りが強く香る強香です。
ラ・マリエ
ラ・マリエは、2009年日本 河本純子氏作出のフロリバンダローズ(F)です。
花色は、春はさくらピンク、秋は青みを含んでライラックピンクになります。
フリルのような柔らかな花びらの中輪の、波状弁平咲きの花を咲かせます。
ラ・マリエは、樹高1m、幅80cmほどの木立性の樹形で、こんもりとしたコンパクトな樹形に育つので、鉢植えとしてもピッタリです。
香りはフレッシュなフルーツ香で、ブルーローズ香もともなっています。
河本バラ園のサイトでは中香と書かれていますが、強香とされることもあります。
サザンホープ
サザンホープは、2014年、日本 河合伸志✕宮地秀作 作出の、フロリバンダローズ(F)です。
南九州の高温多湿の環境でも適応できる品種として「南の希望」と名付けられています。
中輪の丸弁平咲きですが、花びらは多めです。微香性。
寒さに当たると花びらの赤みが強くなり、気温が高いとクリーム色に近くなるほど赤みが少なくなります。
花が開ききっていないときは、花バラの下の方に黄色みが入ります。
木立性であまり背が高くならず、こんもりと育つようですが、流通していないようで、詳しい性質のデータがありません。
ミ・セレッソ
ミ・セレッソは、2012年、日本 友景保氏作出の、シュラブローズです。
淡いピンクの花びらの中心部分がほんのり色濃くなります。
ローズピンクの花径11cmの、半剣弁カップ咲きとも、丸弁カップ咲きともいわれる大輪の花が咲きます。
樹高1.2m、幅80cmと、あまり広がらないですっきり育ちます。
フレッシュでみずみずしいフルーティーな上品な香りが強く香ります(強香)。
リトル・チョコ
リトル・チョコは、1997年 日本 寺西菊雄氏作出のミニバラです。
世界的にも名の知られる育種家作出のバラですが、現在は余り流通していないようです。
丸弁高芯咲きの花は微香性です。
茶系統のバラに分類されていますが、シックなダークピンクといった感じの花色です。
ミニバラとは思えないサイズに成長し、たわわに花が咲いています。
開花が進むに連れて、花色が薄くなっていきますが、それはそれで別の美しさがあります。
ミニバラなので、コンパクトな樹形に育ちますが、ミニバラと思えない大きさにしっかり育っていました。
あずき
河合伸志作出のミニバラです。
札の画像を撮らないと気づきにくいのですが、鉢に植えられています。
作出年などが不明です。
流通量が多くないミニバラのようで、データがほとんど見つかりません。
控えめなピンク色が、自己主張の少ない小豆のようで、ピッタリのネーミングだと思います。
シェアリング・ア・ハピネス
シェアリング・ア・ハピネスは、2010年、日本 河合伸志氏作出の禅ローズの一つで、フロリバンダローズ(F)です。
シェアリング・ア・ハピネスは、群馬県館林市のザ・トレジャーガーデンのシンボルローズ。
館林市は「分福茶釜」の発祥の地なので、「分福=幸福を分かち合う」ことから、名付けられました。
裏側は白く、ピンクの花びらの中に白い模様がたくさんはいる「ハンドペイント」の花びらの、花径6cmの中輪の花が、丸弁平咲きになります。
刺が少ないので扱いやすく、樹高も幅も80cmくらいに育つ、鉢植えにも向く品種です。
香りは微香性です。
ミルフィーユ
ミルフィーユは、2013年 日本 河合純子氏作出のフロリバンダローズ(F)です。
クリーム色の花びらに、淡桃色の絞りが入った、キュートな花色で、花径8cmの中輪の花がロゼット咲きになります。
蕾にもすでに淡桃色の絞りが入っています。
樹高も幅も80cmくらいまでしか伸びないために、コンパクトに育てられるため、鉢植えにもぴったりです。
香りは微香性です。
強剪定を行うと、リカバリーする力が弱いので、冬の強剪定も控えめに行います。
実はミルフィーユは、横浜イングリッシュガーデンで栽培されていたのではなく、バックヤードの近くにスタンバイしてあった苗です。
印象的な美しい花が咲いていたので、これから植えられるのだろうことも考えて、加えておきました。
赤いバラ
赤いバラの濃い花色が、落ち着きのある情景を作り出してくれます。
「赤いバラ」といえば愛の告白の代名詞であり、情熱的な花色ですが、なんとなく強すぎるイメージがあって、これまであまり好きではありませんでした。
一口に「赤いバラ」といっても、花色にもバリエーションがあり、花の持つイメージがそれぞれ違っていて、赤いバラの良さを改めて感じることができたように思います。
ドゥフトボルケ
ドゥフトボルケは、1963年ドイツ タンタウ社作出の、殿堂入りしているハイブリットティー(HT)です。
ドゥフトボルケは、ドイツ語で「香りの雲」を意味する、代表的な香りのバラです。
錆色が混じったような落ち着いた黒っぽい赤色の花色が美しく、花びらもボリュームがあり、花びら30枚、花径13cmの大輪の花は、半剣弁カップ咲きになります。
樹高は1・3mほどに伸び、横張り性があるため、幅1mくらいまで広がります。
甘くフルーティーな香りが強く香ります。
ラ・マルセイエーズ
ラ・マルセイエーズは、1976年フランス デルバール社作出のハイブリットティー(HT)です。
ラ・マルセイエーズは「フランス国歌」を意味します。
明るい赤い色の花びらの数は40枚位で、花径10cmの大輪の半剣弁高芯咲きの花が咲きます。
樹高は1.2mくらいに育ちますが、切り花用にも用いられるため、まっすぐに育ち、横には余り広がりません。
香りは微香性です。
苗の流通量は少ないのですが、切り花は流通しています。
ザ・ダーク・レディ
ザ・ダーク・レディは、1991年、イギリス デビッド・オースチン作出のシュラブ(S)ローズです。
咲き進むと、深いローズピンクからダーク・クリムゾン色に色が深まっていき、大輪のロゼッタ咲きになります。
花弁の数が140枚もあり、花径が10~12cmにもなる大輪になります。
樹高は130cmになり、シュラブ樹形なので、広がります。
香りは、ダマスク香の強香です。
エロティカ
エロティカは、1968年、ドイツ野タンタウ社作出のハイブリットティー(HT)です。
くろみのある落ち着いた赤い花色の、花びらの数が30枚程度、花径5~8cmの、丸弁高芯咲きの中輪の花を咲かせます。
香りは強いダマスク香(強香)です。
樹高は1.3mほどまで伸びますが、直立性が強いので、余り広がりません。
ウイリアム・シェークスピア2000
ウイリアム・シェークスピア2000は、2000年にイギリス デビッド・オースチンより作出されたシュラブローズ(S)です。
咲き始めはディープカップ咲きですが、咲き進むとロゼッタ咲きになります。
花びらの数は100枚で、花径8~10cmの中大輪になります。
樹高は1.2mになり、シュラブ樹形なのである程度は広がります。
香りは強いダマスク香(強香)。
画像の花色は濃いピンクっぽく見えますが、深紅のバラです。
ベル・デスピヌーズ
ベル・デスピヌーズは、2005年フランス ギョー氏作出のシュラブローズ(S)です。
ワインレッドの花びらに白い絞り模様が入るのが特徴的です。
花びらの数が40~50枚、花径8cmの中輪の花はロゼット咲きになります。
繰り返し咲きですが、11月下旬にしっかり咲いており、四季咲き性は強い方。
樹高は1mくらいまででコンパクトに育ち、秋までは木立性のように育ちますが、秋が深まってくるとシュラブローズらしい広がり気味に育ちます。
香りは中香。
プロスペロ
プロスペロは、1982年、イギリス デビッド・オースチン作出のシュラブローズ(S) です。
深いクリムゾンレッドの細かな花びら40枚がギチギチに詰まって、花径8cmの中大輪の花が、ロゼット咲きになります。
樹高は1mくらいとコンパクトで、木立性のようにしっかり育ちますが、多少は横に広がります。
香りはスッキリとしたフルーツ香が強く香ります(強香)。
プロポーズ
プロポーズは、2006年日本 田頭数蔵氏作出のハイブリットティー(HT)です。
広島バラ園のオリジナル品種です。
花びら30枚、花径13cmの大輪の、スカーレット・レッドの半剣弁高芯咲きの花が咲きます。
香りは微香性です。
広島バラ園のHPによると、樹高は中程度になり、木立性なので、あまり広がらずに育つようです。
プロポーズという素敵なネーミングのために、プロポーズにどんなバラがいいのか、そればかりが検索するとヒットしてくるので、性質など、調べるのが非常に困難です。
オーレ
オーレは、1964年、アメリカで作出された、ハイブリットティー(HT)とフロリバンダローズ(F)の交雑種なので、グランディフローラ(Gr)系統になります。
花びらがフリルのように優しく波打ち、花びら40枚、花径10cmの大輪の花は、波状弁平咲きになります。
樹高は1.2mくらいまで育ち、半横張り性があるので、株が全体に広がり気味になります。
枝変わりのツル・オーレもあります。
オーレは花持ちがよく、花びらの濃い朱赤色はほとんど退色しません
カーディナル
カーディナルは、1985年、ドイツ コルデス社作出の、ハイブリットティー(HT)です。
カーディナルは、赤い帽子と礼服が定番の「枢機卿」を意味しています。
明るく美しい赤色の、花径10cmの剣弁高芯咲きの大輪の花を咲かせます。
ベルベットのような美しい赤い花びらが魅力的で、切り花用の品種としても人気があります。
樹高1.4mで、半横張り性があるため、大株に育ちますが、比較的真っ直ぐに枝を伸ばします。
新枝シュートは余り伸びないものの、古枝にもよく花を咲かせます。
香りはティーの香りで、中香~微香性です。
アプリコットやブラウンのバラ
ピンクや赤のバラの華やかさも捨てがたいものですが、シックな花色のバラの美しさもまた、格別です。
自分の庭を顧みた時、白がちょっとあるものの、ほとんど全部がピンクのバラしかなかった!ということもありがち。
そんな中に、アプリコットやブラウンの花色のバラが交じると、お庭が急に引き締まります。
一株はほしい!と思う出会いがきっとあります。
アンゲリカ
アンゲリカは、2010年 日本、吉池貞藏氏作出の、ちょっとホワンと広がる直立に近いシュラブ樹形になる、フロリバンダローズ(F)です。
アンブリッジローズによく似たアプリコットオレンジ色の花が咲きます。
アンゲリカは、花びらが40枚もある、丸弁カップ咲きの花径7cmの中輪で、咲き進むとロゼッタ状になります。
強いフルーツ香がします。
樹高は1mくらいまでしか伸びず、横幅も70cmほどにしか広がらないコンパクトな樹形なので、鉢植えで育てるのにもピッタリの品種です。
チャーリー・ブラウン
チャーリー・ブラウンは、1996年 日本 河合伸志氏作出のミニバラです。
河合伸志氏の最も気に入っている品種の一つで、「禅ローズ」。
茶色いシックな花色の半八重咲き(セミダブル)の小輪バラですが、花径が5cmなので、中輪と言っても問題のない大きさの花が咲きます。
香りは中香ですが、スパイシーな香りに心が癒やされます。
樹形は0.6mまでしか育たないと言われていますが、ミニバラとは思えない大きさに育っていました。
横張り性も少ないため、幅も40cmくらいにコンパクトに収まります。
花持ちも花つきもよく、絶え間なく開花する優良株です。
禅
禅は、2005年 日本 河合伸志氏作出の、フロリバンダローズです。
花径が6cmくらいの、剣弁高芯咲きの中輪の花は、咲き進むとロゼッタ状になります。
ティーの香りは中香です。
ちょっと広がり気味に育つ木立性のバラなので、半直立性。
樹高も幅も1m前後まで育ちます。
シックで落ち着きのある花色が、開花が進むとまた違う雰囲気になります。
華やかさのある濃い朱色がかった茶色の花が、咲き進むと花びらの色が薄いオレンジ色から赤茶色までのグラデーションになります。
シックで落ち着いた色合いなので、「禅」と名付けられました。
アン・ヘンダーソン
2004年イギリス・フライヤー社作出の、フロリバンダローズ(F)です。
花径9cmの大輪の剣弁高芯咲きの花を咲かせてくれます。
ティーの香りは中香。
樹高も幅も1m前後まで育つので、こんもりとしながらもコンパクトな樹形に育ちます。
マットな色合いの花びらは雨に打たれても傷みにくい丈夫な品種です。
シックな朱色がかったブラウン?イエロー?と決めかねる不思議な色合いをしています。
横から見るとわかりやすいのですが、花びらの裏側が、全く違う色をしていて、とても濃い茶色がかったオレンジ色です。
裏から光を透かして花を見ると、また色が違います。
そして、咲き進むと、全体的にイエローが強くなる赤みがかった様々な色を含んだ花色になります。
いつまでも眺めていたくなるような、存在感のあるバラです。
タウニー・タイガー
タウニー・タイガーは、2003年イギリス・フレイヤー社作出のフロリバンダローズ(F)です。
絞り模様が入るバラとして紹介されていることがありますが、ほとんど流通していないようで、データがありません。
黄色がかった濃いオレンジ色の花びらの数の多いカップ咲きですが、開花が進むと花色がかなり違ってきて、一本でいろいろな花を育てているかのようになります。
トム・ブラウン
トム・ブラウンは、1964年イギリス・ルグリース作出の茶色がかったオレンジ色~ピンク色の花を咲かせるフロリバンダローズ(F)です。
花びら35枚、花径6~8cmの中輪の花は、丸弁咲きで、フルーティーなティーの香りの強香です。
横に少し広がるので、木立性ですが、半横張り性です。
樹高も幅も1m以下に収まるコンパクトな樹形になります。
蕾も複数の色が見られ、咲き進むと全体的にオレンジがかった薄茶色になります。
プレイ
プレイは、1966年ベルギーで作出された、フロリバンダローズ(F)です。
ほんのりとアプリコットピンクに染まっているような、優しいクリームピンクの花色が、控えめな美しさを引き出しています。
「プレイ」は「祈り」を意味していて、アンネのバラの後継品種と言われています。
丸弁咲きの中輪の花は、中香です。
樹形も広がりも1mほどになる、横に広がり気味な木立性のバラです。
なんとも言えないような儚い雰囲気のする透けるような花びらと花色から目が離せなくなります。
レオニダス
レオニダスは、1995年、フランス メイアン社作出のハイブリットティー(HT)です。
茶色がかったオレンジ色の花色がシックで美しく、花びらの裏側がオレンジ色がかったクリーム色です。
レオニダスは、チョコレート色の花色のバラとして、ベルギーのチョコレート会社「レオニダス」にちなんで名付けられました。
直径10cmほどの大輪の花は、半剣弁カップ咲きとも、丸弁高芯咲きともいわれています。
木立性で樹高は1mくらいまで伸びますが、余り枝は広がりません。
香りは微香性ですが、スッキリとした香りがします。
かつて、レオニダスを10年ほど育てていましたが、ラストの5年はどんどん病気で弱ってきて、昨年枯れ果てました。
シックな花色がとても好きだったので、久しぶりたくさん咲いている姿を見ることができて、とても嬉しかったです。
イエローローズ
黄色いバラというと、グラハムトーマスがまっさきに思い浮かびますが、ちょっと趣の変わったバラを見つけたのでご紹介しました。
あまりない花色なので、一株あると、インパクトは大です。
リンボ
リンボは、2000年ドイツ Kordes(コルデス)社作出のハイブリットティー(HT)です。
「リンボ」は「不確定状態」を意味していて、「天国と地獄の間」の意味合いを持っているそうです。
樹高も広がりも1mまで届かない、コンパクトな樹形に育ちます。
全体にトゲの少ない品種です。
透き通った感じのする緑がかった黄色い花色は「ライムグリーン」ともいわれ、とても珍しく、ひと目を惹きます。
花径10cmの大輪の、剣弁高芯咲きと言われていますが、トンガリがそれほど大きくないので、丸弁でもいいように思えました。
房咲きにならず、基本的にはひと枝に一輪咲かせる、切り花向きの品種で、流通量が少ない希少種です。
トロピカル・シャーベット
トロピカル・シャーベットは、2003年、日本 小山内健氏作出のフロリバンダローズ(F)です。
深みのある濃い黄色をベースに、咲き進むと花びらの端がオレンジ色に染まり、赤が深まって、やがてピンク色に変わっていきます。
ひと枝に5~12輪も花をつけるので、見ごたえがあります。
トロピカルシャーベットは、35枚の花びらの花径8cmの中輪の、抱え咲きの花を咲かせます。
樹高も幅も1.2mくらいに育つ強健種です。
香りはフルーティーな香りの中香です。
お庭に取り入れるバラの参考に
横浜イングリッシュガーデンのバラを、できる範囲でご紹介して来ましたが、こんな素敵なバラが咲いている!ということが伝わればと思います。
入り口から順番に撮ったものではないので、実際に訪れて花を探すのは大変かもしれませんが、訪れる機会があるなら、ぜひ探してみてください。
実物を見て、それをお庭に導入する姿を想像するのも、とても楽しいですね。
一目惚れ!でも苗が手に入らない!?
これは絶対手に入れたい!そんな思いにとらわれる花がいくつも見つかったことと思います。
近くの園芸店で手に入ることもありますし、インターネットで信頼の園芸店から入手することができることもあります。
そんなふうに、苗が手に入ればベストですが、流通量が少なくて、手に入らないものも。
そんなときは、ぜひ、切り花を探してみてください。
切り花が手に入ったら、挿し木に挑戦しましょう!
挿し木が難しい物もあって、必ずつくとは限りませんが、チャレンジして損はありません。
挿し木で増やすのは自分で楽しむために
珍しい植物を挿し木でどんどん増やしても問題はありませんが、それを販売しようとすると、パテントの関係で問題が出てしまうこともあります。
挿し木で増やすのは、できれば自分で楽しむ分にしましょう。
なかなか手に入らないバラだからこそ、苦労して挿し木苗で育てる価値があると思います。