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ベンジャミン・バロックは、すべての葉っぱがくるんくるんに丸まって育つ、ちょっと変わったビジュアルのベンジャミンです。
「ベンジャミン」そのものは、観葉植物としてとってもメジャーですね。
長い茎をみつあみにしたりして、先端がボールのように丸く仕立ててある「スタンダード仕立て」のものも人気があります。
現在育てているベンジャミン・バロックは、5年目に入ったところでしょうか。
かつて、5年ほど育てていたスタンダード仕立てのノーマルのベンジャミンは、長野に引っ越した時、室内で雑巾が凍るような家に移り住んだため、冬の訪れとともに、ストーブの真横においても枯れ果てました。
結露が凍るようなところでベンジャミンは生きていけないことを実感しました。
ベンジャミン・バロックの性質・特徴と育て方
ベンジャミン・バロックも、ガジュマルやゴムの木の仲間のフィカス属です。
フィカスはご存知、「イチジク」のことですね。
フィカス属は、約800種類も存在しています。
熱帯~温帯に自生している植物なので、雑巾が凍るような家で枯れるのはアタリマエ。
品種によって異なりますが、大体寒いのは苦手です。
ベンジャミン・バロックに斑入りのものも登場
ベンジャミン・バロックは、自由奔放に葉っぱがくるくるしているので、バロック音楽のようだから、ベンジャミン・バロックと名づけられました。
緑の葉っぱのものしかなかったのですが、斑入りの葉っぱのものも出てきました。
画像は普通のベンジャミンのものですが、ベンジャミン・バロックは、これが丸まっています。
斑入りの葉っぱのもののほうが、暗いところに対する耐性は弱めです。
ベンジャミン・バロックは、斑入りのものと、そうでないものの、どちらにしろ、通常のベンジャミンに比べると流通量が少ない品種です。
ベンジャミン・バロックは、新品種・パテント品種なので、勝手に挿し木してもかまわない反面、勝手に販売できない品種です。
切り口の白い樹液に注意
イチジクの実や葉っぱをとると、切り口から白い液体が出ます。
これは天然ゴムの材料になるゴムの木の樹液と同じ樹液ですが、かぶれやすいので、素手でむやみに触らないようにしましょう。
ベンジャミン・バロックの枝も葉も細くて小さいのですが、それでも切り口から白い樹液がとろとろ出てきます。
手についたら、流水ですぐにしっかり洗っておけば大体問題はありませんが、かぶれやすい方は皮膚科にかかってください。
漆にもかぶれる私でも、かぶれたことはありませんが、だれもが大丈夫とは限りません。
とんがった円錐形の新芽が特徴
フィカス属の葉っぱは、品種によってかなりイメージが違いますが、先端がちょぴっととんがっているという特徴があります。
しかし、一番くっきりわかりやすいのは、新芽が円錐状になっていること。
赤いものと緑のものがありますが、どっちにしても、円錐状になっています。
円錐状の新芽が割れてくると、葉っぱが展開してきて、中に新しい新芽が入っているのが分かります。
小さなベンジャミン・バロックの新芽にも、しっかり新芽が入っています。
ベンジャミン・バロックの葉っぱがボロボロ落ちるワケ
ベンジャミン・バロックに限らず、ベンジャミンを育てていると、葉っぱがぽろぽろ落ちてくることがあります。
水が足りないかな?と思って水をやると、さらにぽろぽろ。
お日様が足りないのかもしれない!と日当たりに出してみると、さらにぽろぽろ。
禿げ上がってしまうことも。
我が家のように寒すぎる環境でなければ、そうなる前に、きちんと管理をし直すと、ベンジャミン・バロックはちゃんと持ち直してくれます。
置き場所をコロコロ変えると適応できない
ベンジャミン・バロックは、周りの環境がころころ変わると、適応できなくなります。
ベンジャミン・バロックに限らず、フィカス属すべてに言えることですが、多少暗くても明るくても、環境に馴染んで暮らしていけるようになるのですが、それには時間がかかってしまいます。
お店から、自宅に、その程度の置き場所の変化にも、ベンジャミン・バロックは葉を落とします。
たまには日光浴をさせてあげようと、急に外に出すと、新しい環境になじめず、なじむまで葉っぱを落とします。
数時間で元の場所に戻すと、そこでもまた場所が変わるので、ひたすら葉を落としてしまいます。
置き場所になじむまで1週間くらいかかります。
1週間して、葉っぱが落ちなくなってきたら、その環境になじんだとわかります。
水が多くても少なくても葉っぱが落ちる
ベンジャミン・バロックは、土が湿っている状態がずっと続くと、過湿になってしまい、元気がなくなって葉っぱを落とすようになってしまいます。
過湿にならないように水を控えて、控えすぎると、やっぱり葉っぱを落としてしまいます。
水が多すぎても少なすぎても葉っぱを落としてしまいます。
土の表面を手で触ってみて、乾いているようならたっぷり水を与えるのが水やりの基本です。
日当たりが足りなくても葉っぱが落ちる
ベンジャミン・バロックは、多少暗いところでも馴染んでしまう植物です。
室内の明るい窓辺がベンジャミン・バロックにはちょうどいい環境ですが、もう少し暗め・つまり、明るい室内の真ん中あたりでもなんとか適応できます。
それより暗いところは、ベンジャミン・バロックには暗すぎます。
多少暗くても、馴染んでしまえば何とか生きていけますが、1週間以上置いていても葉っぱがぽろぽろ落ちるようであれば、その場所は暗すぎるので、もう少し明るい場所に移しましょう。
明るい場所に移して馴染めば、1週間ほどで葉っぱを落とさなくなります。
ベンジャミン・バロックを屋外栽培するには
ベンジャミンは明るい窓辺であれば通年室内栽培も可能ですが、熱帯~温帯にかけて生育する植物のなので、春~秋にかけて屋外栽培したほうが生育が良くなります。
ベンジャミン・バロックを屋外栽培する場合、遅霜の心配がなくなったころ屋外に出し、秋に霜が降り始める前に明るい窓辺に置き場所を移すのが良いでしょう。
最低気温が0℃を下回らないような暖地であれば、通年屋外でも生育可能ですが、ずっと室内栽培していた植物を外に出すのは、やはり春先の遅霜の心配がなくなったころがおすすめです。
栽培場所を変えたとき、一時葉っぱを落としますが、すぐになじみ、元気に育ちます。
葉っぱが生き生きするから葉水をどんどん与えよう
ベンジャミン・バロックの土への水やりは、表面の土が乾いてきたらたっぷりと与えるのが基本です。
土がずっと湿っている状態は嫌いでも、葉水は大好きです。
ベンジャミン・バロックは葉っぱがくるくるしているので、葉の裏側に葉水を与えるのは結構難しいです。
できる範囲で、全体に葉っぱに水をスプレーしましょう。
真冬であっても、毎日葉水は与えてもかまいません。
葉水を与えることで、葉っぱのほこりが取れ、ハダニやカイガラムシが付くのが防げます。
ベンジャミン・バロックはお留守番が苦手
ベンジャミン・バロックは、土が常時湿っている状態を嫌いますが、土がからからに乾いている状態が何日も続くのも苦手です。
たっぷり水をやって、鉢皿に3cmほど水をためておいて、それでもお留守番できるのは10日が限界です。
それ以上たっぷりの水に入れておくと、根腐れして弱り、逆に何日か水切れして乾いた状態が続くとやはり弱ります。
繰り返しお留守番をさせると、小さめの新葉をボロボロ落としてしまい、先端部分がお寂しい状態になってしまいます。
10日くらいのお留守番を繰り返したくらいでは、枯れるところまではいきませんが、あまり良いビジュアルが維持できません。
ペットボトル給水をさしておくのも一つの方法ですが、湿った状態が続くとだめなので、あまり向きません。
健気に耐えるベンジャミン・バロックを思う
今を去ること4年前なので、2015年の春でしょうか。
まだ珍しいベンジャミンバロックの2mありそうな大型の株を見つけたのですが、恐ろしく管理が悪く、弱っていました。
そのベンジャミン・バロックを見つけたのは、関西メイドでバリバリの阪神ファンの夫が、東京ドームシティに連れて行ってくれたときのことです。
水の流れにのるジェットコースター「ワンダードロップ」の落ちてくるあたりに一番近い入り口近くの、ブティックのショウウインドウ中に見つけました。
ブティックでベンジャミン・バロックに注目する当たり、変り者かもしれませんね。
当時はまだ流通量が少ないベンジャミン・バロックで、樹高が2m近くある大きなもの。
ライティングが上からあてられていますが、羽目殺しの窓の内側で、通風ゼロ。
葉の上には埃が降り積もっていて、手入れもちゃんとされていない雰囲気が漂っていました。
2018年春、浜松に夫が転勤になるのを機に、最後にもう一度ベンジャミン・バロックを見に行きました。
心配していた通り、葉っぱには更にほこりが積もっていて、葉っぱもお寂しい状態、立派な木だったのに、かなり哀れな状態。
フェイクグリーン扱いされているのがよくわかります。
まあ、花屋じゃないし、ブティックで、店員さんにそこまで手が回らないのはよくわかっているんですけどね。
でも、3万円以下で買えるとは思えない木を、ここまで粗雑に扱うのは、ちょっと許せない感じ。
せめて葉っぱを洗ってあげたい!!無性に思いました。
あれから、もうすぐ1年たとうとしていますが、東京ドームシティのベンジャミン・バロックは無事でしょうか。
心配ですが、さらにひどい状態になっていても、どうしてあげようもないのがとても残念です。
たくさんグリーンがあっても栽培に慣れているとは限らない
たくさんグリーンが置いてある美容院や喫茶店などは、やっぱり行くのが好きです。
自分がグリーンが好きなので、見ているだけでいい気分になります。
でも、お店の方に、そこに置いてあるグリーンの話をすると、「ああ、そういう名前なんですか」とか、「育て方がよくわからないんですね」とか「枯れたのもあって」とか言われます。
開店当時に、知り合いのお花屋さんが贈ってくれたから、そのまま何とか育てている、ということも。
中には好きで育てている方もいらっしゃいますが、どうもそうではないケースが多いようです。
スタッフの中に、グリーン好きがいて、持ってきてくれるから置いているというケースは、そのスタッフの方が世話をするので、維持できているようです。
せっかくのグリーンなので、長く育ててほしいです。
コメント
はじめまして。突然のメッセージ失礼いたします。
我が家のベンジャミンバロックが、引っ越しを境に枯れてきてしまいました。
現在5年くらい育てていて(ずっと札幌です)、土や鉢は変えていません。
日当たりの関係で徒長気味ではありました。また、二年前に急な寒さで葉を落としてしまったこともありましたが、その時は栄養剤入りのお水で回復しました。
今は、乾燥かなと思い水をあげる頻度を多くして(2日に一回)、霧吹きは毎日しています。
新しい枝を出して小さな葉はつけますが、大きな葉は枯れていき、小さな葉の中の中にも徐々に枯れていくものが出てきました。あまり回復に向かっているとは思えない状態です。
どうすれば、また元気になってくれるでしょうか。
ベンジャミンバロックで検索し、こちらのページにたどり着きました。
もしもアドバイスいただければ、よろしくお願いいたします。
さるさま、コメントありがとうございます。
ベンジャミンバロック、心配ですね。コメントを拝見し、原因は一つではないのではないかと思いました。
メールでもご連絡させていただきましたが、全体像や土の様子、葉っぱの状態などを見せていただければと思います。
質問相談コーナー
http://rose-garden.net/contact
から画像を送っていただけないでしょうか。
現在の栽培環境(日照条件や風通し)、施肥の間隔や量など、どのようにされているのでしょうか。
園芸専門家というわけではないので、素人判断になりますが、できるだけお手伝いが出来たらと思います。