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緑の玉ねぎみたいなツヤツヤ球からほわわ~んとした葉っぱが伸びている「蒼角殿(そうかくでん)」は球根多肉植物です。
英名「クライングオニオン」は、ツルがどんどん上へ伸びていく緑の玉ねぎ状態だからという、見たままの名前です。
和名の「蒼角殿」の方がはるかにかっこいいし、ぴったりだと思います。
わしゃわしゃになるツルは、はじめの頃は短いニラがぺろん、みたいなものが生えるだけですが、やがてわしゃわしゃのつるを伸ばすようになります。
蒼角殿の魅力と性質
蒼角殿はキク科ボウィエア属、学術名は「ボウィエア・ボルビリス」です。
蒼角殿の原生地はアフリカ大陸の南部~東部にかけてですが、その生育環境は山岳地帯の岩場から海岸線、森林地帯まで多岐にわたります。
デリケートな植物ではなく、”郷に入れば郷に従え”といった感じで、どんな環境にも適応する力を秘めているのではないかと思います。
蒼角殿の緑色は小さいときの方がキレイ
蒼角殿のコロンとした緑の玉ねぎ状球根は、大きくなるにつれて色が薄まる傾向があります。
蒼角殿の球根は目に見えてどんどん大きくなっていくので、見ていて育てがいもあります。
分球すると、球根の丸みがいびつになってしまい、コロンとした丸い形状に戻るまで数年かかります。
まだみずみずしい皮をはいで育てることも
蒼角殿は、育てているうちに緑の球根に薄皮がついてくることがあります。
この薄皮は、無理にとりはずさない方がいいのですが、簡単に取れるときは取ることもできます。
まだみずみずしい状態の皮をはいで、2cm片くらいにカットして、土の上に置いているうちに根が伸びてきて、蒼角殿を増やすこともできます。
蒼角殿 VS 大蒼角殿
球根の大小で分けているわけではなく、球根が大きくても小さくても、蒼角殿は蒼角殿(ボルビリス)で、大蒼角殿は大蒼角殿(ガリエペンシス)になります。
見た目はよく似ています。
違いは、葉っぱのある時期。
蒼角殿は春~秋にかけて、大蒼角殿は秋~春にかけて葉が茂ります。
春に葉っぱが元気に伸びてくれば、それは蒼角殿で、寒くなってきたら葉っぱが元気に伸びてくればそれは大蒼角殿と考えればよいでしょう。
ちなみに、我が家の蒼角殿は大蒼角殿ではありません。ボルビリスのほうです。
蒼角殿の育て方
蒼角殿は、比較的明るい場所を好み、日照不足になると葉が徒長したり球根が腐りやすくなるといわれていますが、このもじゃもじゃの長く伸びる葉がどういう状態なら徒長と言えるのか??今一つわかりません。
でも、腐るのはNO THANK YOU!なので、できるだけ明るい場所で育てましょう。
多肉植物なので、雨除けがある場所がおすすめです。
蒼角殿を屋外で育てるには
ずっと室内栽培しているものを、いきなり真夏の炎天下に出したらあっという間に枯れることも。
屋外で育てるなら、八重桜の咲くころからずっと屋外で管理しましょう。
ずっと屋外で育てていると、炎天下でも特に気を使わなくても元気に育ちます。
6月以降に屋外に出す場合は、直射日光が当たらない場所で管理するのがおすすめです。
冬は屋内管理がおすすめ
蒼角殿の耐寒温度は0℃ともいわれています。
最低気温が5℃を下回る前に室内の明るい窓辺に置き場所を移しましょう。
2018年11月~2019年4月まで、蒼角殿をベランダの簡易温室に置いていましたが、元気に越冬しました。
亀甲竜のように寒暖差が激しいと適応できないわけではなく、蒼角殿は寒暖差が激しい場所でも寒すぎなければ問題なく越冬できるようです。
花が咲くから種も取れる
蒼角殿は6月頃、あまり目立たない小さな花を咲かせることがあります。
大蒼角殿は冬に咲かせるようです。
花が咲いたら受粉させることで、種を採ることができ、種からも蒼角殿を増やすことができます。
蒼角殿は水が多くても少なくてもOK
蒼角殿は、水をやり過ぎたら即枯れるというほどデリケートではありません。
また、水が少なすぎても、即枯れたりもしません。
水に関しては、かなりキャパシティの多い植物です。
水やり頻度が多すぎたら
蒼角殿に水やり頻度が多すぎたら、分球してしまうことがあります。
一株が二株に増やせるので、ラッキー!増えた!というタイプの方は、しっかり目の水やりがおすすめです。
球根を大きくぷっくりさせたいなら、分球しないように水のあげすぎに注意しましょう。
水やり頻度が少なすぎたら
蒼角殿に水やり頻度が少なすぎたら、球根がしわっしわになってしまうことも。
しわが寄ってくる前に、しっかり水やりしましょう。
蒼角殿は、水が足りないから皮ができるというわけではなく、水の多い少ないに関係なく成長していくと皮ができるのが当たり前の植物です。
蒼角殿の肥料は少なめに
蒼角殿に肥料をせっせと与えると、球根が大きくならずに、分球してしまうことがあります。
球数を増やしたいのでなければ、肥料はあまり上げないようにしましょう。
蒼角殿も水やりをそれほどせっせとしない多肉植物なので、置き肥を1粒置いておけば、たいして溶け出していかないので、ちょうどいいくらいではないかと考えています。
蒼角殿は比較的栽培しやすい多肉球根植物
蒼角殿は、それほどデリケートに管理をしていかなくても勝手に育っていくような、高い適応力のある多肉植物です。
育っているのかいないのかイマイチわからない成長が著しく遅い「蛾眉山」のようなコーデックスに比べると、目に見えて成長していくし、もこもこ~~っと葉っぱを伸ばしてくれるので、うきうき眺めていられる見た目の良さもあります。
多肉植物としては、安価とは言えませんが、亀甲竜よりはかなりお値ごろ感があって、小さいものでもすぐにすくすく育っていくので、初心者にもおすすめの多肉植物です。