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多肉植物の種まきの準備ができたら、いよいよ種まき!種から育てる多肉ちゃん育成プロジェクトのスタートです。
多肉植物の種の大部分は本当に小さくて、くしゃみをしたら飛んで行ってしまいそうなほどのもの。しかも、一粒100円程度はするし、10粒単位など、本当に少ない数で販売されています。
でも、多肉植物を育てても、花を咲かせるのも難しいし、花が咲かないと種は取れないし、ちゃんと成熟した種を作るのは本当に難しいんです。
多肉植物の休眠期を避けて種まきする
育てようとする多肉植物の休眠期を避けて、休眠期明けを狙って種まきします。
昨今冷暖房が完備しているので、冬寒すぎず夏暑すぎない環境を楽に維持できますが、それでも休眠期は元気にあふれているわけではないので、デリケートなベイビー育成期間にするのは避けるようにします。
多肉植物の発芽は15~30℃を保てばうまくいくので、「いつが休眠期かよくわからない!」という場合は、温度が下がりすぎず上がりすぎないように気を付けて、とりあえずまいてみましょう。
多肉植物の種まきの鉄則
多肉植物でなくても、種の発芽率は100%ではありません。
種自身の生育が不十分なんこともあれば、保存状態が悪くて発芽しにくいこともあります。
また、些細なことが原因で、芽が出ても育たないものも出ます。
最大限失敗しないために、種にかかるリスクを減らすために、種まきの鉄則を守って種まきしましょう。
清潔第一!おすすめは熱湯消毒
種を植える土も、土を入れる容器も、底面給水させるために容器を入れておく蓋つきの容器についても、細菌もカビも汚れもないのが鉄則です。
容器にプリンカップなどの不要な容器を使うときは、きれいに洗って、できればアルコール消毒もしてから、しっかりと乾かしておきましょう。
種を植える土を容器に入れて、湿らせて電子レンジでチン!して消毒される方もいます。
レンジでチン!が作業として不満なわけではありませんが、個人的には熱湯消毒がおすすめです。
たっぷりグラグラになるまで沸かしたお湯を全体にかけて消毒します。
容器に植え土を入れ、蓋つき容器の定位置にセットし、お湯が全体にひたひたになるまで入れたらお湯を抜いて、また定位置にセットしてお湯を入れて・・・を3度ほど繰り返しておくと確実です。
種を湿った土の上にのせて蓋をして発芽を待つ
消毒した土が熱くなくなってきたら、土の上に多肉植物の種をそっと乗せていきます。
種は小さいので、先端をちょっとだけ濡らした爪楊枝の先に一粒ずつつけて、土の上にそっと置いていきます。
発芽したときわかりやすい位置に、それぞれの種は間隔をあけて、そっとまきましょう。
まき終わったら容器のふたをして後はじっと発芽を待ちます。
容器の底に水を入れておく「腰水」で管理すると乾燥しにくいのですが、この腰水に使う水も一度沸騰させた湯冷ましを使うようにしましょう。
有機質・肥料はカビやコケを呼ぶ
種をまいてからある程度大きくなるまでは、湿度を高く保ち、ちょうど人も過ごしやすい温度を維持するので、腐葉土やバーク、ピートなど、自然に分解される土を利用すると、コケやカビが生えてしまいます。
多肉植物のベイビーはカビやコケに負けてしまうので、有機質の土は使わないようにしましょう。
種が発芽して、ある程度の大きさになるまでは肥料は必要ありません。
多肉植物は、大きくなっても肥料をそれほど必要としないので、ましてやベイビーに、早々から与えてしまうと、かえって生育を阻害してしまいます。
また、肥料があるところにはコケやカビがやってきます。肥料分が含まれない土を使いましょう。
生育を促進させるために肥料を与えたいのであれば、ある程度大きくなってきてから、薄めた液体肥料をスプレーする程度に留めます。
肥料分のない有機質でない土を用意する
多肉植物の種は非常に小さいので、埋もれてしまわないように、粒のあまり大きくない土を用意します。
それぞれの用土だけを用いる「単用」にしても、「自分流のブレンド」にしても構いません。
自分の種を自分のためにまくのだから、自分がいいと思う土にするのが一番です。
赤玉土(小粒~超小粒)
赤玉土がつぶれたものを、「みじん」と言います。みじんは根の呼吸を妨げるので、極力取り除いて使います。
粒が大きいと種がどこかへ埋もれてしまうので、極力粒の小さいものをそろえましょう。
川砂・日向砂(土)など
粒がそろっていて、粒度が小さく、潰れないので砂はおすすめです。
高級なら絶対失敗しないというわけではないので、手に入りやすいものを用意してください。
バーミキュライト
バーミキュライトは、黒雲母を主成分とする「ヒル石」を約1000℃で焼成して作られています。
保水性や排水性を向上させる土壌改良剤としてもよく利用され、焼成してあるので軽くて無菌状態なのも魅力です。
パーライト
パーライトは黒曜石や真珠岩を約1000℃で焼成して作られ、焼成するときに発砲するのでふわふわと軽い感じがします。
保水性や排水性を向上させる土壌改良剤としてもよく利用され、バーミキュライト同様軽くて無菌状態なのも魅力です。
ある程度の日当たりと湿度と温度を保つ
種が発芽するには、直射日光は必要ありませんが、暖かく日当たりの良い窓辺において管理するのがおすすめです。
窓にべたべたに近づけすぎると、外気温の変化の影響を受けやすくなるので、窓からは少し話しておきましょう。
腰水を入れ替えるとき、暖かめのお湯を用いると容器内も暖かくなり、高い湿度に保ちやすくなります。
種から育てる多肉植物はデリケートなベイビー
多肉植物の苗は、ある程度大きく育っているので、急に暑くなったり寒くなったりしてもすぐには枯れないし、かびやコケにも簡単には負けません。
水をちょっぴりあげすぎても、逆にちょっと足りなくても、やっぱり即枯れるということはありません。
ところが、種から育てる場合は、ある程度大きく育つまではデリケートなベイビーなので、特に理由がなくても枯れてしまうこともあれば、コケやカビが生えてベイビーが負けてしまうこともあります。
そうならないためにも、なるべく多肉植物にかかるリスクがローリスクになるように、育ちやすい清潔な環境を整えてあげるようにしてください。