ゴムの木の仲間「フィカス属」の新芽の秘密と土選び

ゴムの木といえばまず思い浮かべるのが、先端がちょっととんがった楕円形の大きな葉っぱのアポロゴムの木。

葉っぱが小さめなフランスゴムの木、葉っぱがちょっと異質なカシワバゴムの木、シャープな葉っぱのショウナンゴムの木など、名前に「ゴムの木」が入っているものでも姿かたちは品種によって違います。

ゴムの木の仲間は「フィカス属」に分類され、約800種類もあります。

ご存知の方が多いのですが、「フィカス」は「イチジク」のこと。

もちろんイチジクもゴムの木の仲間ですね。

名前に「ゴムの木」と入っていなくてもゴムの木の仲間「フィカス属」はたくさんあります。

ベンジャミン、ガジュマル、ベンガルボダイジュ、ウンベラータなど、ポピュラーな観葉植物の多くがゴムの木の仲間「フィカス属」です。

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フィカス属の新芽はとんがり円錐形

フィカス属同士でも、葉っぱの形状・樹形などそれぞれに違っていて個性的ですが、新芽がとんがり円錐形なのはどれも共通しています。

新芽の色には緑と赤があり、緑の新芽のものはいつでも緑ですが、赤いものは時には緑色の新芽を出したり、同じ赤でも色が薄かったりすることもあります。

新芽は伸びてきた枝の先端についていて、枝を途中で切ってしまうと、そこから先には新しい芽が出てきません。

途中の節から新しい枝分かれができた場合は、枝分かれの先端に新芽が付きます。

フィカス属は新芽の中に葉っぱと次の新芽が入っている

新芽が大きくなって膨らんでくると、割れて中から新しい葉っぱとともに、次の新芽が出てきます。

円錐形の新芽を覆っていたものは保護皮で、葉っぱへと展開せず、そのまま下に落ちます。

新芽の保護皮が取れたとき、中から、まだ小さい黄緑色の新葉とともに、次に成長していく新芽が登場します。

つまり、新芽の中には新しい葉っぱだけでなく、その次の新芽も作られています。

出てきた葉っぱは初めは小さめですが、だんだんと大きな葉へと成長していき、色も濃くなっていきます。

新芽の中に葉っぱと次の新芽が入っているのは、芽が大きい品種だけでなく、芽の長さが1cm足らずの品種でも変わりありません。

フィカス属の新芽に傷がついたとき

アポロゴムの木の鉢を倒してしまい、新芽に傷がついたことがありました。

縦に2cmほど茶色いラインが走ったような傷でした。

傷がついても新芽は成長しましたが、その前の新芽よりも若干小さめのまま割れて、中から葉っぱと新芽が出てきました。

なんと、出てきた葉っぱは初めから穴だらけ。

それでも若干成長しましたが、ちいさめのまま。

次の新芽は傷がなく、長めに伸びたのでほっとしましたが、中から出てきた葉っぱは前よりは大きいものの、まだ傷が入っていました。

その次の新芽も傷がなく、大きく育ちましたが、出てきた葉っぱには、2か所切れ込みが入っていました。

そしてその次の新芽になってようやく、傷なしで大きな葉っぱが出てきました。

フィカス属の新芽の中には新しい葉っぱと新芽だけでなく、葉っぱや新芽の素が3世代分ほど詰まっているようです。

フィカス属を発泡煉石で育てるのは難しい

室内に土を持ち込まないで観葉植物を育てるために、ハイドロボールやセラミスグラニューなどの「発砲煉石」に切り替えることで、コバエ問題などにも悩まされなくて済むようになります。

フィカス属は、適応力が高いものとそうでないものがあるらしく、ガジュマルはあっさり適応しましたが、アポロゴムの木を発砲煉石で育てようとしてあの手この手を使いましたが3本枯らし、カシワバゴムの木もベンジャミンもあっさり枯れました。

適応できないわけではないけれど、得意な生育環境ではないようです。

底に水をためるハイドロカルチャーは特に適応しにくい

ハイドロカルチャーで育てる場合、底に水を1cmほどためて育てますが、底に根腐れ防止剤を入れていても、フィカス属は根腐れしやすい傾向にあります。

どうしても発砲煉石で育てたいときは、普通の底穴のある鉢に土の代わりに発砲煉石を使って育てた方が、根に通気性が伴うためか、まだ適応しやすいようです。

また、発砲煉石は、土と違って根が絡みにくいのかもしれません。

赤玉土単用や普通の培養土の方が生育がよい

我が家では発砲煉石にあっさり適応したガジュマルですが、生育スピードが速いとは言えないように思います。

肥料分のない土を用いて、化成肥料を施肥して育てれば、発砲煉石ほどではないにしても、かなりコバエに悩まされなくてすみます。

フィカス属は、赤玉土や芽出し用土など、肥料分が含まれない土に化学肥料を施肥して育てたほうが、発砲煉石で育てようとするよりも、伸びも木の太り具合もよくなり、あの手この手を使わなくてもよく育ちます。

普通の草花用培養土で育てるとコバエに悩まされますが、育てにくかったり枯れやすかったりはしません。

無理に発砲煉石に切り替えずに、育てやすい土で育てる方が育てやすいしぐんぐん育つから育てて楽しくなります。