荒地に咲く向日葵やコスモスのようなひと

三男(20)の幼稚園のママ友の会に参加するために長野に戻り、3時間しゃべりっぱなしの楽しいひと時を過ごしました。

たわいのないおしゃべりをするだけの会ですが、毎年参加しています。

定員30人を割るクラスでしたが、連絡用のLINEのメンバーは20人を越えました。

でも、参加を呼び掛けることができない人もいます。

空の向こうで、にこやかに笑いながら、一緒に楽しんでくれていたに違いないと思っています。

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荒地に咲く向日葵やコスモスのような人

暑い夏の日差しの中で、すっくと伸びて大きな黄色い花を咲かせている向日葵を見ると、彼女のあたたかなほほえみが思い出されます。

野に渡る風が吹く中、風に揺られながらパステルカラーの花を咲かせるコスモスを見ると、華奢なのに強い風に負けないで優しく微笑んでいるようで、彼女のような花だと思います。

いつも、前に出ることのない、控えめな人でした。

優しいほほえみをたたえながら、ひっそりと子供たちを見守っているような人でした。

荒地でも、しっかりと根付いて花を咲かせる、向日葵やコスモス。

夏の向日葵と、秋に風に揺れるコスモスを見ると、いつも彼女を思い出します。

はじめて彼女に出会ったのは、転居に伴い、新たに転入した幼稚園の終わった後、園庭で子供を遊ばせているときでした。

園児の弟妹も混じって遊んでいて、ダウン症の小さな子が混ざって一緒に遊んでいるのに気が付きました。

自閉症の子供を持つママ友が、以前、「ダウンは一目でダウンと分かるから気づいて気遣ってもらえるけれど、自閉症は一見普通に見えるから、気づいてもらいにくい」と言っていたことが頭をよぎりました。

確かに、誰からも説明はなくても、すぐに気づけました。

でも、どのように対応したらいいのか全く分からなかったため、戸惑いました。

辺りを見回すと、その子のお母さんと思しき人が、優しいほほえみをたたえて、そっと子供を見守っていました。

子供同士がもみくちゃになっている中にいたので、手助けした方がいいのかな?と一瞬頭をよぎったのですが、彼女のほほえみを見て、余計なことをするところだったと気づけました。

自分の未熟さを痛感する

当時の私は、子供のアトピー対策でいっぱいいっぱいでした。

長男は、誰が見てもアトピーと分かる状態。

三男の皮膚の状態はある程度収まっているものの、4歳当時でIgEが8900もある強いアレルギー体質で、主に卵・牛乳・小麦粉に強い食物アレルギー。

次男はノーマルですが、アレルギー体質がしっかり見えています。

複雑な対応が必要である上に先が見えないことから、余裕をなくしていました。

掃除・洗濯は念入りに行う必要があり、衣類もデザインより素材、食事も特殊。

微笑んで子供を見守る、といったことがほとんどなかったのではないかと思います。

でも、アトピーは、それだけでは死に至る病ではありません。

アナフィラキシーショックやぜんそくの発作があれば、死に至る危険性はもちろんありますが、それがなければ死にそうになることはありません。

ダウン症の子供は、ゆっくりでも少しずつ心身共に成長していくけれど、ダウン症でなくなることはありません。

「恥を知れ」と自分に叱責しました。

何を悲劇のヒロインぶっているのか。

たかが皮膚炎。

それなのに、余裕をなくして、子供を暖かく微笑んで見守ることができないでいる。

彼女の子供を見守る暖かで優しいほほえみが、余裕をなくしていた私の目を覚ましてくれました。

当時の彼女の気持ちを本で知る

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彼女は、つい出すぎて子供にかまい過ぎる私と違って、いつも控えめにちょっと後ろの方で優しく微笑みながら、そっと見守っているような人でした。

もっと前に出てもいいのにといつも思っていました。

そんな彼女が当時どんなふうに思ってどう考えていたのかは、のちに彼女と幼稚園の担任の先生の共著から、うかがい知ることができました。

深い苦悩もあっただろうと、当時からも思っていましたが、そんな姿を全く見せずに、いつもニコニコと柔らかな笑顔を見せてくれました。

彼女の訃報を聞いてから、丸3年が過ぎようとしています。

今回、ママ友の会に参加して、難関大学に現役合格した三男の同級生のお姉さんが頑張っているのはもちろんのこと、つーちゃんが元気に働いていて、お給料で好きなアイドルのCDを買ったりしていることを聞き、とてもうれしく思いました。

彼女がそばで、いつものように柔らかな笑顔で微笑みながら見守っているんだろうなと思いました。

向日葵とコスモスの花言葉

花言葉は、花にまつわる寓話や伝説からつけられたものもありますが、大部分は生産者や園芸業者など、花に携わる人がつけているものなので、花の性質などとは全く関係がないので、私自身はあまり好きではありません。

バラの本数別の花言葉など、誰が言い出したのか全く分からない、どうも大陸からやって来たらしいことしかわからないので、参考にしたいと思ったことがありません。

しかし、ふと、向日葵とコスモスの花言葉は何だろう??と思ったので、調べてみました。

花言葉も、国・宗教により違いがあり、本やHPごとに違うこともあるので、参考にするなら気に入ったもので十分だと思います。

向日葵の花言葉「私はあなただけを見つめる」「愛慕」「崇拝」

コスモスの花言葉「乙女の真心」「調和」「謙虚」

私が彼女に持っているイメージを表しているような花言葉がつけられていました。

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