バラの大苗と新苗、どう違うの?

新苗、大苗の違いについて 
バラ初心者です。ネットで苗を購入しようと思い見ていたら「新苗」「大苗」、とあったのですがこの違いはなんなのでしょう?初心者はどちらのほうがおすすめ・育てやすいというのはありますか?

ご訪問&ご質問、ありがとうございます。

バラの大苗と新苗、どう違うのかは、値段だけを見れば明らかに大苗の方が高価ですが、その違いがどこから来ているのかはわかりにくいですね。

どちらが初心者にむいているのかは、どう見るかで違うとは思いますが…カラクチ観点から見た個人的な判断になってしまいますが、参考にしてもらえると嬉しいです。

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ミニバラは挿し木苗、それ以外は接ぎ木苗

バラは挿し木しても全部が全部つくわけではないので、ミニバラは同じ鉢にたくさん挿し木をしてあるので、買って来たらすぐに株分けして植え替える必要があります。

それ以外のバラの苗は、ノイバラなど、丈夫でぐんぐん育つバラの台木に接ぎ木した「接ぎ木苗」が用いられています。

バラを育てていて、時々横から葉っぱの形が違うとげが多いバラの枝が伸びてくることがありますが、これは台木が伸びてきたもので、接ぎ木されているバラが弱ってしまうので、見つけたら株元から切り落としておくようにします。

接ぎ木部分のテープは外すもの?

接ぎ木苗は、株元のちょっと太くなったところにテーピングがなされていますが、これが接ぎ木した場所で、そのうちに太い株元になっていきます。

テープでぐるぐる巻きになっているから、外すものなのか、そうでないのか悩むところですが、外してはいけません。

通常は自然に消える素材が使われているので、そのまま固定しておきましょう。

接ぎ木苗を挿し木して自根苗で育てたら

接ぎ木苗のバラの枝を挿し穂にして、挿し木で自根苗を作って育てることも可能ですが、挿し木で育てたバラは元の親株よりも弱かったり花が小さかったり、花数が十分に望めないのが一般的です。

やってはいけないことではないのですが、育てやすさから言うと接ぎ木苗を買ってきて育てた方が楽であり、管理もしやすくなります。

新苗は一年生苗とも呼ばれる幼苗

「新苗」は秋~冬に接ぎ木して、一年たっていない苗を言い、まだ生まれたばかりなので「一年生苗」ともいわれ、春に出回るので「春苗」ともいわれます。

春先に一斉に店頭に並び、とてもリーズナブルで販売されていて、花がついているものも多いため、どんな花が咲くのか、実際に目で確かめることもできます。

購入後は、鉢植えで育てるにしても、地植えで育てるにしても、すぐに植え替える必要があります。

まだ小さいので、花を咲かせるよりも、株を充実させることにエネルギーを回すために、蕾がついても咲かせないように、しばらく蕾を摘み取るようにした方が、後々の株の充実度が変わってきます。

春に新苗に交じって、ひときわ大きい高価なバラ苗が売られていることがありますが、これらはたいていが大苗です。

大苗は二年生苗とも呼ばれるしっかり育った苗

「大苗」は、新苗と同じく秋~冬に接ぎ木した苗を、次の秋ごろまで育てた苗のことなので「二年生苗」ともいわれ、秋に出回りはじめるので「秋苗」ともいわれます。

秋は、四季咲きであれば花のついているものもありますが、大きく育っていても花はほとんど付いていないので、どんな花が咲くのか札を見て想像するしかありません。

流通量は春の新苗に比べると数も品種も少なく、値段が新苗の倍以上して当たり前になりますが、丈夫に大きく育っています。

秋苗の中には、二年で済まないだろうと思われる長いツルバラの苗が売られていることもあります。

これらは「長尺苗」と呼ばれていて、そのままフェンスやアーチに添わせると、翌年見事に咲いてくれる確率はかなり高くなっています。

豪華な鉢にすでに育った鉢苗

豪華に育った大きなポットで育てた「鉢苗」は、花のしっかり咲いた状態で売られていることがあるため「開花苗」ともいわれています。

バラ苗を多く扱っている専門店なら数もある程度多くなってくるのかもしれませんが、流通量も、数も、そう多くなく、値段は仕立てたバラの大きさで違ってきますが、往々にして割高感が高くなり、贈答用の印象が強くなります。

一年で一番流通量が多いのは、母の日、父の日の前後ではないかと思います。しかし、母の日はバラがしっかり咲いてくれる時期よりは少し早いので、温室か温暖な地域で栽培して開花調整してあるのではないでしょうか。

初心者におすすめなのは新苗

初心者におすすめなのは、しっかり育った大苗か、すでに仕立ててある鉢苗と言われてきていますが、私がおすすめするのは新苗です。

立派な鉢苗は、栽培になれていないとすぐに豪華でなくなってしまい、枯らしてしまうことの方が多くあります。

高価な大苗はしっかりしていますが、こんな豪華なものを枯らした時のショックは並大抵ではありません。

新苗を小さな鉢で育てたり、室内栽培で育てようとしない限り、通常はそう簡単には枯れたり弱ったりしません。

花を1つか2つ咲かせたと言って、成育が大幅に遅れたりしないので、ちょっと花も楽しんで、それから蕾を我慢して取ればよいので、花も楽しむことができます。

選ぶ楽しみ・育てる楽しみ

新苗の季節、専門店以外にもたくさんのバラ苗が並びます。花も付けているので、どんな花が咲くのか確かめながら選ぶことができます。

たくさんの中からこれというものを選ぶ楽しみは、新苗の季節以上に味わうことができる時期はありません。

昨今、バラの品種改良が進み、どんどん新しい品種が出てきています。

育てやすさや管理のしやすさに重点を置かれたバラが次々と出ているため、「新苗=弱い」という図式はもはや現代では通用しなくなってきています。

はじめは小さいバラでも、強健種であれば3年もすると3m四方に育ってしまうことはまれではありません。

はじめから大きく育っている必要はどこにもありません。

お財布にやさしくて、安心してチャレンジできる値段のバラから始めるのが、一番ではないかと思います。

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