アデニウム・オベスムの魅力と育て方・日常管理

我が家のアデニウム・オベスムの最も古い画像は2016年5月13日に撮ったものです。

多肉の聖地と呼ばれる堀川カクタスガーデンさんから、セネキオ・バルベルトニクス、ユーフォルビア・峨眉山とともに、ヘンテコなフォルムにひかれて我が家に連れてきたもの。

変なフォルムの植物ですが、びっくりするほどきれいな花も咲くので、気に入っています。

アデニウム・オベスムがどんな植物なのか、その魅力や性質とともに、我が家のアデニウム・オベスムの栽培の状況も併せてご紹介します。

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砂漠のバラ「アデニウム・オベスム」

アデニウム・オベスムは、アフリカ大陸東岸一帯、アラビア半島南部が原生地の塊根植物(コーデックス)です。

美しい花が咲くことから、「砂漠のバラ」と呼ばれています。

アデニウム・オベスムの樹肌は、通常灰緑色ですが、育てている土の成分によって、樹肌が赤茶けてくることもあります。

アデニウム・オベスムは、塊根植物らしく、幹の付け根がでっぷりしていますが、はじめはずんぐりむっくりというより、比較的ほっそりめの長身の下半身おデブといった感じに育ちます。

だんだんと”ちょでぶ”に変化していきますが、3年程度では驚くほどは肥大しません。

オベスム以外も基本はオベスム?

アデニウムは10種類ほど存在していますが、基本的にはアデニウムは「アデニウム・オベスム」だけで、他の品種はオベスムの変種や亜種とする専門家もいらっしゃいます。

幹が横にでーっぷり太りやすいのはオベスムではなく、アデニウム・アラビクム(アラビカム)の方で、日本における流通量はアラビクム(アラビカム)の方が多く、アラビクム(アラビカム)が「オベスム」として流通していることもあります。

タイで接ぎ木されたアデニウムも多く出回っており、接ぎ木のアデニウムは幹が太くなりません。

でっぷり気味なのは、実生の印です。

偽物には注意しましょう!といいたいところですが、どれもアデニウム・オベスムの変種や亜種であるとすれば、どれもアデニウム・オベスムと考えて何ら問題ないと思います。

とはいえ、どんなに育ててもでっぷりしてこないのは、コーデックス??といった感じになって寂しいので、幹が付け根までまっすぐズドン!の接ぎ木物のアデニウムは避けるのをお勧めします。

うちのアデニウムはアデニウム・オベスム

私のアデニウムがオベスムか?アラビクム(アラビカム)か?

堀川カクタスガーデンでは、購入当時、実生と思しきアデニウムを大量生育中でした。

専門家がオベスムではないものを”オベスム”とラベルを付けて売るとは考えられないので、オベスムで間違いないと思います。

亜種もオベスムと考えてOKなので、どっちにしても、アデニウムはオベスムだと思えばいいでしょう。

アデニウム・オベスムは美しい花を咲かせる

アデニウム・オベスムは、幹の先端が枝分かれして、細い枝を長く伸ばし、その先端にロゼッタ状に葉を茂らせます。

葉の中心部分から、にょきにょきとロケットのように蕾が伸びてきて、やがて大きなラッパ状の花を咲かせます。

アデニウム・オベスムの花を見ると、アデニウムが「キョウチクトウ科」であることが納得できます。

人目を惹く鮮やかな色合いで、思いのほか大きな花なので、咲くとインパクトがあります。

生育適温20~25℃で花を咲かせる

アデニウムの生育適温は20~25℃です。

日照がしっかりあって、温度条件が良ければ、通年花を咲かせます。

春から晩秋にかけて屋外栽培しているときは、春と秋に花を咲かせました。

室内の明るい窓辺で通年育てていたときは、夏でも花を咲かせました。

アデニウム・オベスムの日常管理

アデニウム・オベスムは、”砂漠のバラ”であり、幹に水をためる多肉植物なので、取り扱いはサボテンなどの多肉植物と同じで、土が乾いてくるまで水やりしません。

日当たりが悪いと花が咲かなくなり、葉っぱもしょぼくれた小さな葉になるので、できるだけ日当たりのよい場所で育てます。

真夏に炎天下!ブラボー!です。

風通しのよい場所で育てると、病害虫も付きにくくなります。

水やりするときは、鉢底から流れ出るまで与えて、しっかり水切りしておきます。

水やり頻度が多すぎると、幹がぶよぶよしてきて、弱ってきて、腐ったり枯れたりします。

元気がなくなると葉っぱに影響が出ます。

葉っぱが生き生きしていれば、管理状態は悪くないと考えられます。

肥料はあまり必要としません。

緩効性化成肥料を少量、株元に置いておきましょう。

夏場、液体肥料を水やりの時に水の代わりに与えることもできます。

アデニウム・オベスムの梅雨越し

アデニウム・オベスムの生育適温は20~25℃なので、梅雨時や秋の長雨のシーズンは、「ちょっと~、今日寒くない?」という状態でなければ、丁度いい温度状態です。

生育適温を越えても、ぐんぐん育ちます。

アデニウム・オベスムは、気温が高い状態の時は、水を好みます。

気温が高いと毎日水やりしても枯れないので、寒く無ければ雨ざらしOKです。

雨続きで、気温が20℃を下回る日が続くようであれば、室内の明るい窓辺に一時的に退避させましょう。

気温が十分にあれば、そのまま放置で問題ありません。

ただし、雨水がその後も溜まるような場所は避けましょう。

我が家のアデニウム・オベスムの梅雨の管理

長野で育てていたときは通年室内栽培だったので考えていなかったのですが、浜松は屋外栽培していますし、降るときはどーっと降るので、「梅雨越し”砂漠のバラ”だから、どうしよう!?」と悩みました。

浜松の栽培状況は、透明な雨除けのあるベランダで3段ラックの最上段に遮光なしで、通年屋外栽培です。

寒いようなら、元気がなくなるようなら、室内に退避させようと思っていましたが、結果として雨ざらしのまま、一度も退避させることなく現在に至っています。

アデニウム・オベスムの夏越し

アデニウム・オベスムは乾燥気味の状態を好むので、多少水が足りないくらいへっちゃらです。

でも、真夏に炎天下に置いていて、ずっと水やりしていないとさすがに枯れてくるので、夏場はしっかり水やりしましょう。

真夏は毎日~3日おきに水やりしても問題ないくらい水をよく好みます。

真夏にしっかり日に当てて育てると、株もぎっしりして葉も大きく伸びるので、秋の花付きが格段に良くなります。

我が家のアデニウム・オベスムの夏季の管理

長野では全館冷暖房管理の家なので、明るい羽目殺しの窓辺で通年室内管理していました。

夏は、室温29~30℃設定だったので、真夏にもポコポコ花が咲いていました。

どのくらいの頻度かというと、「不定期」という言葉がぴったりな感じで、気が付いたら咲いていました。

カイガラムシ・ハダニ・温室コナジラミ、どれも付いたことはありません。

つかないものだと思い込んでいました。

浜松では通年ベランダ暮らし。日照が非常に良いので、ぐんと茎が太く長くなったように思います。

太く長くなったのは、肝心のでっぷり部分ではなく、枝分かれした先の本来は細い方です。

葉っぱも、しげっしげでこれまでにない大きなものになりました。

アデニウム・オベスムの冬越し

アデニウム・オベスムは15℃を下回ると元気がなくなり、生育限界は8℃といわれています。

寒くなると、葉が落ち始めるので、暖かい場所に置き場所を変えましょう。

冬季の水やりは、水やり頻度を極限まで減らすか、禁水です。

冬の水やりは、夜まで濡れていないくらいの量を、暖かい日の午前中遅くに、さっとあげるようにします。

かなり乾かし気味の方が越冬しやすくなり、水をやりすぎると枯れることがあります。

葉がなくなったら、暖かくなってくるまで禁水にします。

室内の明るい窓辺でも越冬できますが、隙間風で枯れることもあるので、夜の隙間風には注意してください。

我が家のアデニウム・オベスムの冬季の管理

長野で育てていたときは、全館冷暖房完備の家で、冬季は通常19℃設置、不在時でも16℃設定(これより下の設定温度がなかったから)にして、明るい窓辺に置いていました。

冬、窓の隙間風で黒法師が枯れたので、アデニウム・オベスムは隙間風の心配のない羽目殺しの窓辺に置いていました。冬に葉数は減りますが、はげちょびんになったことはありません。

2018年4月、浜松に置き場所を変えてから、日当たりのよいベランダ暮らしをしています。

11月下旬にベランダに簡易温室を設置し、4月中旬まで、その中でぬくぬくと越冬しました。

さすが暖地、朝でも簡易温室の中は、長野とは比べ物にならないほど寒くなく、葉っぱは落ちましたが、新しい小さな葉っぱが出揃いました。

上の画像は2019年4月4日の簡易温室の中の植物の状態です。

どれがアデニウム!?といわれそうですね。右端の棒が二股になっていて、後ろの胡蝶蘭の蕾と重なっているのがアデニウムです。

アデニウム・オベスムの植え替え

アデニウム・オベスムは、生育状態がいい場合、根っこの伸びが早い植物です。

根がぐんぐん伸びていない場合、水のやりすぎ・水はけが悪すぎる可能性もあるので栽培状態を変えるようにしましょう。

すぐ、鉢底からふっとい根が飛び出します。

すぐに植え替えなくても、簡単には枯れません。(一年放置しても枯れませんでした)

植え替え適期は5月頃

アデニウム・オベスムの植え替え時期は、気温が十分に高い5~8月です。

9月でも最近は気温が高いのですが、アデニウム・オベスムは寒さに弱く、植え替え後に根がリカバリーするまで、暖かい期間が十分にある方がよいので、8月以降は植え替えないのがベター。

できれば、これからどんどん気温が上がってきて、寒の戻りの心配が全くない5月に植え替えるようにしましょう。

根っこを切ったら2日ほど乾かして

植え替えるとき、根っこがわしゃわしゃに伸びたら、切ってもかまいません。

切る量の目安としては、全体の1/4程度にしておきましょう。

切りたくない場合も、傷んだ根があれば切り取っておきましょう。

いずれにしても、切り口から雑菌が入らないように、切り口がしっかり乾いてから植え替えるようにします。

2日ほど乾かしてから新しい土で植え替えましょう。

植え付けは水はけのよい土に

アデニウム・オベスムは、水はけのよい土を好みます。

多肉植物用の粒々の土を使うか、赤玉土小粒、赤玉土小粒と鹿沼土小粒のブレンド、芝目土など、水はけのよい土を選んで植えつけましょう。

鉢底に鉢底石を入れるなどして、水はけをさらに改良しておくといいですね。