秋も深まってくると、園芸店の店頭に、色とりどりの花つきのミニバラの小さな鉢植えがたくさん並びます。
とってもかわいいのですが、そのまま育てているとだんだん元気がなくなってきて枯れてしまうことがよくありますね。
そうならないために、ミニバラを植え替えて、長く育てるコツをご紹介しましょう。
ミニバラの多くは挿し木苗
ミニバラの多くは、一鉢に何本も挿し木したものが芽吹いた挿し木苗です。
春に出回るバラの新苗の中には、ミニバラでも一株だけを苗にしたものが販売されていることがありますが、ミニバラの大部分が挿し木苗です。
1本が小さなミニバラでも、複数植えられると鉢全体がこんもりして、かわいらしく仕上がります。
見た目はかわいいのですが、実は地下部では根っこが、し烈な縄張り争いを繰り広げています。
この熾烈な争いのために、ミニバラをそのまま育てているとどの株も弱って枯れてしまいます。
バラは根を深く張る植物
ミニバラは、花が「ミニ」なのではなく、樹高があまり大きくならない品種を言います。
地上部が大きくならない品種は、当然ですが地下部もあまり大きくならないので、ミニバラは鉢植えで育てるのに向いています。
ミニバラといえど、バラなので、根を深く伸ばしていくので、深さのある鉢に植え替えてあげる必要があります。
ミニバラの場合はあまり大きくならないので、直径・深さが25cm以上ある鉢で育てるのに向いています。
それ以下の小さな鉢で育てようとすると、狭すぎて根が十分に広げられず、暑さ寒さの影響もダイレクトに受け、ミニバラであっても枯れやすくなります。
ミニバラは一鉢一株で育てる
枯らさずにミニバラを育てるには、株分けして、1つの植木鉢で1つの株を育てる必要があります。
小さい鉢ではミニバラでもすぐに手狭になってしまうので、直径・深さが25cm以上ある鉢をミニバラの株の数だけ用意する必要があります。
バラは休眠期の厳冬期以外は根をいじられるのを嫌うので、株分けするときはなるべく土を落とさないように、根を傷めないように丁寧に根をほぐし分けます。
実践!ミニバラ「インフィニティ」の株分け
説明されてもよくわからないし、できる自信がない!どうやるの!?という方のために、実際にどうやって株分けするのかその様子を順を追ってご紹介しましょう。
株数に応じた鉢を用意する
購入してきたインフィニティの株元を見て、何株育っているのか確認します。
このインフィニティは4株植えられていました(正確には5株で一株育っていなかった模様)。
自宅にある鉢で大きさのあるものを使ってもよかったのですが、サイズがわかりやすいように、ちょうどいいサイズの100均の植木鉢を使いました。
植え替えに必要な資材として、
- 鉢底石大粒
- 培養土(普通の物)
- バラ用肥料
- マルティング材(サンデーマルチを使用)
- 鉢底ネットがわりのオクラネット
を用意しました。
この他に、
- バケツ
- 移植ごて
- 水
も使います。
鉢を外して根の状態を確認する
株の間に指を差し入れてひっくり返し、鉢底を押し出してから鉢を引き上げるときれいに鉢が取れます。
根の状態を確認して、手で分けられるか分けるのが無理そうかを判断します。
春先に出回る挿し木苗のミニバラの場合は、根があまり育っていないので手で簡単に分かれることがありますが、根が回っていると難しくなります。
この苗は手では分かれそうもありません。
バケツの水の中で根をほぐす
バケツに水を入れて、土の部分をそっと水に入れ、指で鉢底からほぐすようにしながら、徐々に根の絡み合いをほぐしていき、一株ずつに分けていきます。
あくまで優しく絡み合いをほぐしていき、根を切らないようにします。
バラは厳冬期以外は根をいじられるのを嫌うので、土をなるべく落としきらないようにします。
一株ずつ植木鉢に植える
株分けできたら、次に一株ずつ、それぞれの植木鉢に植え付けていきます。
虫の侵入を防ぐため鉢底ネットを敷く
私のご愛用はオクラのネットですが、排水溝ネットでも何でも構いません。
土漏れと虫の侵入を防ぐためにつけます。
鉢底石を敷く
バラは多湿を好むので、鉢底石を入れない人も多いのですが、入れないより入れたほうが生育がいいように思えて、私はいつも入れています。
スリット鉢に植える場合は入れません。
土を5~10cmほど入れる
バラ用の培養土を使っても構いませんが、普通の培養土で問題なく育ちます。
バラ用肥料をひとつかみまく
ここで牛糞堆肥とか腐葉土とか入れる人が多いのですが、においが強いのと虫が寄ってきやすいのとで、鉢植えには使っていません。
もっぱらバラ用肥料をまいています。
バラ用肥料を土と混ぜ合わせる
適当に移植ごてでわしゃわしゃ混ぜ合わせます。
さらに土を5cmほど入れる
ほぼむき出しの根っこが肥料に接触するのを避けるために、土をさらに加えます。
苗をセッティングしつつ周りに土を入れる
苗を左手で持って鉢の中央あたりにセッティングし、その周りを土で埋めていきます。
しっかり固定するように土を抑える
きゅっきゅっと、軽く土を固定して、苗がぐらつかないようにします。
株もとにバラ用肥料をまく
多肥を好むバラのために、追肥も一緒に行っておきます。
マルティング材を敷き詰める
バーク堆肥でも構わないんですが、マルティング材を周りに敷き詰めて、根を保護し、暑さ寒さがダイレクトに根に影響を及ぼすのを防ぎます。
黒いバーク堆肥はコバエがものすごく寄り付きやすいので、我が家ではサンデーマルチに替えました。
鉢底から流れ出るまで水やりする
最後にたっぷりと水やりして、水を切っておきます。
セリアのアイアンフラワーベースを鉢の下に敷いてデッキと鉢の間に空間を作っておきます。
鉢底の通気性がよい方が生育が良いので、お留守番で底面給水させていないときは、鉢はどれもフラワーベースの上にいます。
これで植え替え完了です。
12月を過ぎると、我が家は寒冷地にあるので、鉢の周りを梱包材のプチプチで覆って保温します。
サイズがよくわかるように、元のポットを中央に配置してみました。
もちろんこの後取り除きます。