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多肉植物の多くは、南アフリカとか、熱帯の砂漠地帯などが原産地のものがよくありますが、センペルビウムはヨーロッパ原産。
ヨーロッパ中南部から中央ロシアにかけての高山地帯が原産地なので、寒さにはとても強い、つまりは夏の暑さの方が苦手な多肉植物です。
秋も深まって、ガーデニングがひと段落する頃にこそ、出回り始める多肉植物なので、これから多肉植物を育てたい方、来年の春まで待たなくてもこれからGO!できるので、挑戦してみてください。
センペルビウムは春秋型の多肉植物
センペルビウムは品種にもよりますが、大体-5℃くらいならどうってことのない多肉植物です。
雪が上にドカンと積もってもなんともないのですが、逆に、寒風吹き荒れる-20℃になると、さすがに雪がなくても枯れてしまうので、雪の下の方が保温の観点から考えると安全かもしれません。
センペルビウムの生育期は春と秋で、夏は暑さに弱いので元気がありません。
休眠して枯れたようになる・・・ということはありませんが、元気はなくなるし、夏の直射日光バンバン!では、枯れてしまうこともあるので、夏は明るい日陰に移し、それ以外の季節はよく日に当たるところに置いてあげると元気に育って、子株がどんどん増えていきます。
秋も深まってくるとセンペルビウムは紅葉して色が赤く染まってきて、色変わりするのも魅力の一つです。
春先になってくると、また元の色の戻ってくるのにも注目です。
花を咲かせると親株が消える!?
センペルビウムの株が成長してくると、大きな親株になり、周りに子株がどんどん出てくるようになり、充実した株は生育期の春か秋に、ふと気が付いたら花芽を伸ばし、花芽の先に花を複数つけることがあります。
小さな花ですが、順に咲いていくため開花期間が1か月以上続いて長く楽しめ、うまくいくと種も取れる!?となりますが、花をつけると親株はその後枯れてしまうので、花を楽しむなら、この後、親株とはお別れであることを覚悟したうえで咲かせないといけません。
子株がまた育ってくれば、花を見る機会もあるので、子株がたくさん出ている場合は花を咲かせてみるのも楽しいですね。
枯らさないためには、花芽が伸びてきた時点で花茎を株元から切り落とします。
上から水をかけると株が消える
ロゼット状の多肉植物全般にも言えることですが、上から水をかけると、葉と葉の間に水がたまり、蒸れて枯れてしまうことがあります。
大きくなったから、生育期だし、ちょっとぐらいはいいだろうと思って、適当な水やりをすると、ボコッと枯れて、見る影もなくなるので、気をつけましょう。
センペルビウムは特に乾燥が好きな多肉植物で、土がカラカラに乾いてから水やりするので、表面の土がかなりカラカラになってから、株元から、底から水が流れ出るまで水やりし、しっかりと水切りしておきます。
夏の休眠期や、冬の寒さが厳しい時期は、水を控えめにした方が暑さ、寒さをよりしのげるようになるので、いつも以上に乾燥気味に管理します。
土がかなり乾いて、葉っぱにしわが寄ってあまりに水が足りないと思うまで待ってから、生育期と同じように、株元から、底から水が流れ出るまで水やりし、しっかりと水切りしておきます。
屋外限定!限りなく太陽が好き
ベンケイソウ科全般に言えるのですが、センペルビウムも屋外栽培限定の多肉植物です。
センペルビウムは寒さに強いので、北海道や東北でも北の方までは保証できませんが、長野程度の寒さであれば屋外で越冬できます。
地植えにしてもいいのですが、夏に厚さに弱いので明るい風通しの良い日陰に移し、梅雨の長雨に当たるとやっぱり腐って枯れるので雨が当たらないところに移すので、両方を兼ね備えた明るい場所があるならいざ知らず、鉢植えを移動させた方が管理しやすいので鉢植え栽培をおすすめします。
室内の明るい窓辺でも育てられないことはないのですが、ひょろひょろして、ロゼット状に広がらずに松ぼっくりみたいにとんがってきて、ひょんな時に小さくなって枯れ果ててしまうので、元気に丈夫に長く育てるなら、室内栽培はやめましょう。
センペルビウムの土と肥料
センペルビウムは肥料をあまり必要としないので、肥料がなくても元気に育ちますが、施肥するとしたら、緩効性化成肥料を株もとに1~2個、春と秋の早いうちに置いてあげたら十分かと思います。
たくさん肥料を与えても、ガンガン元気になってくれるわけでもないので、無理にせっせと肥料を与える必要はありません。
センペルビウムはあまり土を選ばないので、土は、赤玉土小粒、川砂、サボテン用の土など、何でも構いません。
一般的な培養土に赤玉土や鹿沼土の小粒を混ぜたものでも栽培できます。
水のやりすぎ・水持ちのよすぎがないようであれば、元気に育ってくれます。
センペルビウムはよく増えて株分けも簡単!
センペルビウムは小さな株を育て始めても、すぐに大きくなって、どんどん子株を横から出します。
そのまま育てていても構いませんが、鉢がすぐに手狭になってしまうので、その場合は株分けして植え替えをします。
植え替えは生育期の春か秋の、早い時期がおすすめです。
子株は手で簡単に切り分けられるので、鉢を外して子株を切り分け、最低2~3日以上、切り口を乾かしてから挿し木します。
土に棒で穴をあけて、子株の下に伸びているランナー(茎)を穴に挿すので、株分け直後でもグラグラしないので管理が簡単です。
ランナーのないものを土の上に置いておいても、そのうち根が伸びてきます。
植え替えたら、株がしっかり固定されるように、株元からそっと水やりして、水は十分に切っておきます。