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バラの冬支度
今日は
いつもブログ楽しく拝見しています
こちらはデビューしたての超初心者です
早速質問です
「バラの冬支度」ですが
つい先日、知人からバラの挿し木苗を数本頂きました
まだ若いのでしょうか一番太い苗でも幹が直径1センチぐらいです(高さは約60センチ)
後は直径約7,8ミリでしょうか(高さは30,40センチぐらいです)
葉はついています
このような場合でも「切り詰め」「葉っぱ取り」「寒肥」で良いのでしょうか?
よろしくお願いします
ご訪問&ご質問ありがとうございます。
枝の太さ長さだけでは判断しきれない部分もあったので、改めて画像も送っていただいた上、詳しい品種もお伝え頂いたので、とても助かりました。
それぞれのバラの画像から、それぞれの品種でどのような冬支度がおすすめなのか、できる限り詳しく紹介させていただきました。
鉢でこれからも育てていきたいとうかがいましたが、非常に大きくなる品種もあるので、将来的には庭植えも検討していただけたらと思います。
パスカリ
パスカリは、1963年ベルギー作出の、長く切り花品種として流通していた、花径10cmにもなる大輪の、象牙色の半剣弁高芯咲きのバラです。
クイーンエリザベスが品種親になる、四季咲き強健種です。
樹高は1.5m前後まで育ちますが、直立性が強いので、それほど枝が広がらないため、横のスペースは大して必要ありません。
できれば庭植えにしてほしい品種です。
育てやすいのですが、すぐにビックに育ち、鉢底が抜けます。
強健種には、この鉢はかなり小さめなので、今年の冬はこのままとしても、春以降はちょっと苦しいです。
このまま鉢植えで育てるのであれば、春の花が一段落した頃、なるべく根鉢を崩さないようにしながら、後ろに写っている草花の茶色い鉢くらいの大きさの鉢に植え替えるのをおすすめします。
それでも3年持つかどうか・・・。
強健種を大きくしない場合、大寒の頃に、鉢を外して根を切り詰める作業を数年おきにやらないといけないので、ちょっとめんどくさいです。
上の画像の、一番手前の枝は枯れているので、根本から切り落とします。
これはいつやっても構いません。
購入したての株なので、強剪定するのは、上の画像の中央の、一番背の高い枝だけで十分です。
右側の背の低い方の枝に長さを合わせる感じで、ちょうどいい位置にある新芽を残して切り落とします。
長い枝は枝分かれしていますが、とりあえず両方残しておき、春以降に絡んでくるようならどちらかに絞ってもいいかと思います。
長い枝を剪定した後、葉っぱを全部取り除き、鉢のふちの方のマルティング材を外して、軽く掘り起こして、有機質の肥料をぐるっとハチ周りに入れて、また埋戻し、マルティング材を戻して置けばいいかと思います。
でっかくなってもらって困るようであれば、購入後一ヶ月とのことですし、たっぷり元肥を入れたばかりであれば、寒肥はなしにしておいても、問題はないかと思います。
ウィリアムアンドキャサリン
ウイリアムアンドキャサリンは、イギリス王室ウイリアム王子とキャサリン妃のご成婚を記念して名付けられた、2011年イギリス作出の繰り返し咲きの強健種のバラです。
シャーロットカップ咲きのコロンとした丸い花形で、花びらが多く、中心にピンクのボタンアイがついた、アプリコットクリーム色~白色の花が咲きます。
中輪ですが、房咲きなので、一つ一つの枝先にたくさん花が咲きます。
ウイリアムアンドキャサリンは、シュラブローズなので横にも多少広がりますが、だいたいまっすぐ育つ木立性に近い育ち方をします。
樹高も幅も1.2mくらいまでしか育たないので、ぎりぎり鉢で育てられるんじゃないかと思いますが、繰り返し咲きの強健種なので、やはりこちらもできれば庭植えで育てたい品種です。
繰り返し咲きは、春にドンと咲いて、その後は冬までポチポチ咲き続け、秋も結構咲く、四季咲きよりは春以降の花数が少なくなるタイプです。
花を咲かせない分、大株になる方にエネルギーが回せるため、あっという間に株が巨大化しやすい傾向があります。
今はひょろひょろしていますが、すぐにぶっとくなるかと思います。
画像から、最大長に近い長さに、育っているように思います。
枝の長さが半分になるくらいの位置の新芽を残して、その上の部分を切り取る強剪定をしましょう。
どんどん枝分かれができて、株元からもシュート(新枝)がどんどん出てきて、こんもり育ってくると、本領を発揮するばらです。
株元近くの枝がどの程度伸びているのか、画像からはよくわからないので、はっきりとは言えませんが、細めのものは冬越しできない太さではないかと思います。
とはいえ、予め剪定してしまうのではなく、残しておいて、春になってやっぱり芽吹いてこなかったときに剪定すればよいかと思います。
冬支度としては、長く伸びた枝を強剪定した後、葉っぱを全部取り除き、寒肥を施肥しておきましょう。
鉢の縁周りのマルティング材を外し、土に軽く円周状に溝を掘り、バラ用の有機肥料をまいてから土をかぶせてマルティング材を戻しておきましょう。
クロッカスローズ
2000年イギリスDavid Austin作出のシュラブローズなので、横にボヨヨンと広がるタイプで、樹高は1mくらいに収まりますが、横に広がります。
四季咲きではありませんが、春以外にもポチポチ咲き続ける繰り返し咲きです。
花びらが多く、花が咲き進むに連れて、アプリコットカラーからクリームイエローへと色が変化していきます。
縦にコンパクトになるように誘引されていますが、シュラブローズはつるバラのようなものなので、ボヨヨンと横に広げるか、コンパクトにするなら、オベリスクにくるくる螺旋状に巻きつけるのがおすすめです。
チュウレンジハバチがすくっているような葉っぱは、早急に取り除いておきましょう。
下の方の枝は、それほど太くはありませんが、冬越しするのではないかと思います。
左側の枝だけが長いので、右側の枝と同じくらいの長さになるくらいの位置の、新芽の上で切り落とす強剪定をするのがセオリー通りなのですが、元は1本の枝からきているように見えます。
今年はどれも強剪定せずに、様子を見るのも一つの方法かと思います。
どちらを選択したからと言って、枯れる原因にはならないので、お好きな方を選んでください。
私ならどうするか?というと、どれも強剪定せずにおいて、1~2月頃もうちょっと切るかどうか様子を見て悩んで、右側の枝が元気なら左を少し切りつめ、3月頃にもう一度悩むだろうと思います。
冬支度としては、剪定後、葉っぱを全部取り除き、寒肥を施肥しましょう。
寒肥は、鉢の縁周りのマルティング材を外し、土に軽く円周状に溝を掘り、バラ用の有機肥料をまいてから土をかぶせてマルティング材を戻しておきましょう。
支柱を使って誘引する場合、長い支柱を3~4本立てて、中央で麻ひもなどで結んだ後、枝をそれぞれ、横上に横上にと誘引します。互い違いに支柱を通すと、後で外せなくなるので、枝を表面にぐるりと巻き付け、麻ひもなどで軽く止めて置くだけにします。
画像の様子からは、今からでも誘引ができそうですが、枝が柔らかく曲げやすくなるのが大寒の頃なので、扱いにくいときは大寒の頃に誘引し直すようにしてください。
スピリットオブフリーダム
スピリット・オブ・フリーダムは2002年イギリスDavid Austin作出の、四季咲き性の強い繰り返し咲きで、つるバラの性質の強いシュラブローズです。
花びら200枚のディープカップ咲きで、咲き進むに連れてソフトピンクからライラックピンクに色変わりしていきます。
花は強香で、香りは「ミルラ香の混ざった芳しいフルーツ香」とも「ダマスク香」とも言われていますが、香り音痴の私にはバラのいい香りがすごくする!としかコメントできません。
株の下の方にも花をたくさんつけてくれるスグレモノ!
今は小さくてひょろひょろしていますが、2m近くまで伸びます。
鉢で育てるのであれば、樹高の1/2~1/3に毎年切り詰める必要がありますが、今年は短い方の枝に合わせて、長い方の枝だけ強剪定すれば十分だと思います。
短い方の枝の長さに近い位置の、新芽の上で剪定し、葉っぱを全部取り除き、寒肥を施肥しましょう。
寒肥は、鉢の縁周りのマルティング材を外し、土に軽く円周状に溝を掘り、バラ用の有機肥料をまいてから土をかぶせてマルティング材を戻しておきましょう。
つるバラは、横に寝かせているほうが枝分かれも花つきも良くなるので、オベリスクか支柱3~4本を立てて束ねたものに、横上へ横上へと、くるくる螺旋状に巻きつけるように誘引しましょう。
ミニバラ
これが8鉢できたものと思います。
花は体力を消耗するので、今年は八部咲きになったら、一番花に近い位置の5枚葉の上で切り落としておきます。
もったいない気もしますが、早急に剪定してください。
冬支度としては、葉っぱを全て取り除き、寒肥を施肥するだけです。
寒肥は、鉢の縁周りのマルティング材を外し、土に軽く円周状に溝を掘り、バラ用の有機肥料をまいてから土をかぶせてマルティング材を戻しておきましょう。
同じ鉢から株分けしたものでも、生育の悪いものは、冬を越せないことがあります。
自助努力が足りなかったわけではないので、気にしないでください。
株分けしたミニバラの、全部が全部育つことは稀です。
冬支度はいつ頃がオススメ?
強剪定して、葉っぱを全部取り、寒肥を施肥する冬支度は、いつ頃やればいいのでしょうか。
バラは、冬は休眠して栄養を蓄えたほうが、春に花つきが良くなります。
横須賀のWether情報によると、例年の気温の変化は4~30℃、冬は0℃を下回ることがない上に、ほぼ晴れ間が続くとか。
プチプチも敷き藁も全然いらない、あったか環境なので、強剪定しないとバラは休眠しないので、余り急ぎ足で作業する必要はないかと思います。
私のオススメはというと、年末あたり、まだお正月準備で忙しくないうちにやっておくのがいいのではと思います。
1月中でも構わないのですが、雨が全然ふらないし、雪もないので、年明け忙しくしているうちにうっかり水切れする可能性もあるので、その前に休眠させておくのが良いかと思います。
冬支度の後のお世話は?
冬支度をしたあと、バラは休眠に入るので、根は余り水を吸いませんが、バラはカラカラに乾燥した状態を好みません。
1週間に一度で良いので、マルティング材をちょっと剥がして、その下の土が乾いていないかどうかチェックします。
表面の土がカラカラになっていたら、水やりする必要があります。
天気のいい日の午前中遅くに、たっぷり水やりしておきます。
バラは耐寒性が非常に強い植物なので、室内に鉢を移す必要はありません。
温かい地方で室内に移すと、春がきたのと間違えて、せっかく休眠させたのが目覚めてしまいかねないので、屋外に出しっぱなしにしましょう。
庭植え向きの品種はできれば庭植えで
つるバラを新しく2株購入予定で、パスカリ、ウイリアムアンドキャサリン、クロッカスローズ、スピリット・オブ・フリーダム、ミニバラは鉢で育てる予定と伺いました。
クロッカスローズも、スピリット・オブ・フリーダムも、つるバラとして育てるのがオススメの品種なので、新しい品種を購入されるよりも、これらを庭植えにされるのがおすすめです。
また、すぐに鉢が手狭になるパスカリは、鉢で育てるのは本当に手がかかります。
パスカリもウイリアムアンドキャサリンも、幅は取らないので、一緒に庭植えで育ててほしいと思います。
鉢植えで育てるには、樹高が1mに及ばない、コンパクトな樹形に育つ、四季咲きの品種を選ぶのがおすすめです。
四季咲きは、花にエネルギーを取られるので成長がゆっくりになり、長く鉢で育てやすくなります。
購入されるのは、つるバラではなく、鉢植え向きの品種にしていただけたらと思います。
しかし、これはあくまで私の希望です。
上述の4種はいずれも、鉢で育てたら即枯れるわけではありません。
育てにくいものをうまく育てるのもガーデニングの醍醐味の一つですね。
どのバラも冬越しがうまくできて、春に美しい花がたくさん咲いてくれたらと思います。
鉢はコンクリートや地面に直置きしないで
周りの鉢も含めて1点気にかかっていることがあります。
それは、鉢をコンクリートの上に直置きされている点。
コンクリートの熱がダイレクトに伝わらないように、なおかつ、鉢底からの通気性も保証でき、虫などが巣食いにくくなるように、鉢底に花台をぜひ設置してほしいと思います。
バラは画像のために集められているだけなので、設置済みかもしれませんが、まだ設置されていないのであれば、ぜひおいていただけたらと思います。
コメント
今日は
早速ご回答頂きましてありがとうございました
5種類のバラそれぞれについて、懇切丁寧に教えて頂きました
具体的に現時点及びその後、やるべきことが分かり本当に大助かりです
超初心者ですが素敵なバラが咲き誇るのを夢見て日々楽しく頑張っていくつもりです
今後ともよろしくお願いいたします
コメントありがとうございます。
お役に立てたようで何よりです。
バラの栽培は難しい、デリケートだと思われていますが、案外丈夫な植物です。
肥料バンバン水バンバンおひさまバンバン、大抵はこれだけでしっかり育ちます。
素敵なバラが咲き乱れる庭、楽しみです!
春に開花が始まったら、ぜひ教えてください。
楽しみにしています。