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2019年もあとわずかになってきました。
ようやく、庭植えのバラの強剪定と冬支度を行いました。
今年は寒冷地の長野でも気温が高い状態が続いているので、花付きも葉っぱの状態も悪くないのですが、今年の病害虫を来年に持ち越さないためにも、しっかりと強剪定を行い、バラを休眠させて来春の花への英気を養ってもらいます。
2019年は年末になっても雪が積もらない
2019年は全国的に積雪量がかなり少ないと報道されていますが、長野市街地でも、年末になってもまだ雪が積もらない状態が続いています。
とはいえ、寒冷地なので朝は冷えるから作業がしにくく、日暮れも寒くなるのも早いので、作業できる時間はそう多くはありません。
そんな中、芳純がひときわ大きくきれいな花を一輪つけていました。
プリンセスミチコには咲きそうな蕾がかなりついていて、ストロベリーアイスも花をいくつかつけていました。
庭植えのバラの強剪定
庭植えのバラの強剪定は、鉢植えのバラほどシビアに切り詰めないで仕上げることもできる反面、同じように切り詰めることもできます。
樹高が高くなって困る品種はシビアに。
つるバラなど長く伸ばしたい品種はほとんど切らないで長く伸ばして。
お隣など、飛び出したら困るところだけ特に切り詰めて。
品種や栽培スペースに合わせて剪定度合いを変えていきます。
全ての葉っぱを取り除くことで、カイガラムシなどの潜んでいる虫もチェックしやすくなり、しっかり取り除くこともできます。
どこで切り落とすにしても新芽は残して
どこで切ってもいいとは言っても、残した部分に新芽が一つもないと、その枝からは新しい葉っぱが出てこないことも。
そうならないためにも、少なくとも新芽2つは残して剪定しましょう。
切り口に近すぎる新芽はよく芽がでてこないので、あまり新芽ぎりぎりに切り落とさず、余裕を持った位置で切り詰め、保険となる新芽も確保します。
画像は、クイーンエリザベスを親に持つホワイトクリスマスです。
背が高くなりやすいので、もう少し小さく切り詰めたいのですが、下の方に新芽が付きにくいので、新芽を残すために枝分かれより上で切り落としています。
枝分かれの先が細いので、どれだけ越冬するかわからないこともあって、大目に残して、もう少ししてから取捨選択します。
先端がたくさん枝分かれしている太枝は切り落とす
かなり太い枝で、先端部分が細かく枝分かれし、花付きもよくない枝は、鋸で株元から切り落とし、株をリフレッシュさせることがあります。
もちろん、太い枝すべてが取り除く対象、というわけではありません。
かなり太く、先端が細かく枝分かれし、育ちが悪い枝が一部で密集していて、カイガラムシの被害がひどい枝などがちらほらしている場合、扱いにくいので、私は優先的に株元から切り落とします。
とはいえ、株元から出ているいい枝が3本もない場合は、寂しいので切り落とさず、なるべく温存します。
原種と原種に近いものは大胆カットして
原種ないし、原種に近い品種は、どこで切ろうとすべてが枯れることはないほど強健です。
好きなところの芽を残して、ざくざく~っと思いっきりよくカット。
樹高をひくく、広がりを抑えることだけを念頭にカットしていきます。
ハマナス
原種のハマナスは、どんどん株が大きくなるので、とにかく小さくするのを念頭にカットします。
シュートは残すもの、というのが定石ですが、ハマナスに関しては、いらないところに生えてきたシュートは切っておきます。
ハマナスは、細くて鋭いとげがびっしり、茎だけでなく葉裏にもついています。
通路などにもひょこっと伸びてきますが、危険極まりないので積極的に取り除きます。
モーツァルト
モーツァルトは、主幹を残しているように見えますが、実際は2本ほど古枝を株元からカットし、比較的若いものを残しました。
主幹に新枝が重なっているように見えますが、実はこれ、隣にできた新株の主幹です。
モーツァルトは、アリが株元に巣を作ったために枯れかかり、中央がごそっと取れたら、右と左に分かれた2株と化しました。
縦にも横にもぐんぐん伸びるので、必ず樹高の1/2以下にまとめ、お隣に侵略しないようにします。
芳純
冒頭のきれいな芳純の花は、中央部分で緑に埋もれているものです。
向かって右側の枝が特に長くなり、左側の枝がやや長くなっているので、なるべく左側に基準を合わせるようにします。
左右にそれぞれ、なんだかごちゃごちゃした枝が残りましたが、今年はこのまま残します。
なぜかというと、昨年テッポウムシに大穴をあけられたためか、例年より枝数が乏しくなっているからです。
ここでさらに枝数を減らしすぎると、ちょっとお寂しくなってしまいます。
切った枝は戻りませんが、切るのはまだ先でもできます。
ということで、枝数を温存することにしました。
エマーグローデンドロスト
エマーグローデンドロスト自体はあまり流通していないバラですが、1m以下のこんもりとした樹高に育つバラなので、似たようなタイプに応用できます。
葉っぱは散りやすい品種ですが、花付きはとてもよいタイプです。
右上隅の枯れた花からもわかるように、濃い紫がかったピンクの花が咲きます。
まずは、大体枝先から1/2~1/3のあたりで、芽がその下についているのを確認しながら切り落とし、葉っぱを取り除くようにします。
その後で、特に細い枝や虫がついている枝、将来的にだめそうな位置の枝を株元から切り落としておきます。
ちょっと細いかなあと思う枝に、妙に新芽が付いているので、将来的に枯れたら切ろうと思い、とりあえず残してみました。
この写真では残したままになっていますが、上側の一本短いままになっている枝は、このあと株元から切り落としました。
プリンセス・ミチコ
プリンセス・ミチコはかなり切り詰めたとしても非常に樹高が高くなり、例年秋バラを上から花を見ることができないでいます。
春バラもとてもよく咲きますが、秋バラも長期間にわたって花数多く咲いてくれます。
年末でもまだまだ開花シーズンといわんばかりに、10を大きく超える数のもうすぐ咲きそうな蕾をつけていました。
中央当たりの葉っぱが茂っているあたりまで例年切り詰めます。
少し葉っぱが混み入りすぎているので、古枝を切り落とす作業も必要です。
右端の枝は、枝分かれが妙に多い状態なうえに、向かって左側、株元に近い中央部に向かって生えている枝が混み枝になっているので、根元から切り落とします。
枝分かれが多い上に、上に伸びなくなっている枝がこの葉っぱが茂っている中にあるので、切り落とそうとしたのですが、やはり、上の矢印が付いている枝から伸びていました。
一番伸びている長い枝の1/3~1/2の樹高になるように切り落としました。
あまり長さが伸びていない枝の中に、カイガラムシがびっしりの枝があったので、特にひどい部分のある枝は大きめに切り落としました。
実際、昨年もこのくらいの樹高に切り戻しましたが、元に戻っています。
右端の枝葉、おそらく2020年末には切り落とすことになるのではないかと思います。
古枝は花咲も成長も悪くなり、枝分かればかり増えるので、切り落とすことで全体がリフレッシュします。
ストロベリーアイス
ストロベリーアイスは、5輪ほど花が残っており、蕾もいくつかついていましたが、ストロベリーアイスにしては花数が少ない状態です。
2018年末に太くなった古枝を大幅に切り落としました。
”このくらいの盛り返しになるだろう”という予想を大きく下回っていたので、おかしいなとは思っていました。
矢印のあたりに、おがくずのようなものが出ていました。
秋口に、テッポウムシがカミキリムシになって旅立った後だと思います。
他のバラたちにこれ以上の被害がないことを祈ります。
主幹が、そろそろ切り落としサイズなのですが、2018年にも切り落としているし、今年は成長が予想を下回っているので、残す方向にしますが、右下から出ている枝分かれは切り落とし。
その後ろから二股になって伸びている枝の右側のものも切り落とします。
剪定直後の様子を画像に納めるのを忘れていたようです。
冬支度した後、後日撮影しました。
ぶっとくなって、先端が枝分かれしている古枝は、来年に切り落とせればいいなと思います。
ローゼンドルフシュパリースホップ
ローゼンドルフシュパリースホップは、あまり香りのしないピンクの普通のバラですが、四季咲き性が強いつるバラなので、とてもお気に入りです。
5年ほど前にテッポウムシの被害にあい、これより1/3程度まで小さくなってしまいましたが何とか持ちこたえ、現在ようやくその当時の2/3?1/2?くらいまで復活しました。
大きくしたいつるバラなので、極力、枝は残したいので、先端を切るぐらいにして、葉っぱを全部取り除きます。
中央の四方八方に枝分かれしている主幹の、右方向に伸びている枝は伸びが左よりかなり弱いなと思ったら、カイガラムシがびっしり。
枝分かれ部分から大胆カットしました。
その後ろに、細い枝があり、生育もよくないし、またモールの下に潜り込まれても困るので、切り落としました。
ちなみに下の90℃に曲がっている枝は、モールに潜り込んでいたのを引っ張り出したことがあるため、曲がっています。
とりあえず、なるべく横になる部分が多くなるように誘引しました。
さらなる誘引や曲げは、もう少し寒さが強くなってから行います。
テッポウムシ撲滅作戦
ストロベリーアイスの強剪定が終わったら、テッポウムシ撲滅作戦を行います。
おがくずが出たのは、カミキリムシとして巣立ったあとですが、まだほかにも巣くっていることがあるので、被害個所を取り除きます。
テッポウムシが巣くっているところは、ハサミの先でつついても簡単に取れていくほどもろくなっています。
ハサミの先でつついて巣くった場所を探す
テッポウムシは裏側から入り込みやすく、巣くった後は、非常にもろくなります。
株の裏側、塀に近い部分に回って、ハサミの先で突っついて、簡単に取れる部分をこそげ落としていきます。
ある程度取れたら、穴が出てくるので、株元を鋸で大胆にカットします。
見つけた穴の近辺で、残っている枝の邪魔にならないようなところを少しずつ切っていきます。
簡単に切れるところをどんどん切っていく
テッポウムシが巣くった部分は非常にもろく、簡単にスカスカ切れていきます。
逆に、巣くっていない生き残っている部分は切るのに非常に苦労するので、切りにくい部分に当たったら、そこは切るのをやめます。
断面に、テッポウムシのT字の巣穴が見えてきました。
この中にまだ幼虫がいることもあるので、とれるところをどんどんとっていきます。
T字の上の部分にももろいところがあったので、コチラも細いハサミの先でつついて取っていきます。先の細いハサミがなければ、ドライバーなどを使うのがおすすめです。
かなり、シュートのそばまで被害を受けているのがわかってきました。
右隅の緑に見えるシュートの手前が白くなっていますが、削り取るにはかたくなってきたので、この辺りから生き残っているようです。
シュートのすぐ上の茶色い部分は、数年前に巣くったテッポウムシの被害個所のなれの果てです。
新しい穴の上の飛び出ているところまでもろそうなので、ここも鋸でカットしました。
巨大なホールがお目見えしました。
ストロベリーアイスがこの状態でよく無事だったと感心しました。
さすが強健種。
画像手前部分の肥大した株元にも、もろい部分が多分にあったので、さらに鋸でカットしました。
あまり穴が大きいので、反対側である表からも覗いてみることにしました。
あきらかに、怪しい状態。
非常にもろい部分があったので、取り除きました。
画像を撮りませんでしたが・・・向こう側の穴とドッキングしました。
もろい部分を取り除き終わったら、株がかなり小さくなりました。
上の画像は、元の、塀に近い裏側から見た、もろい部分を取り除き終わったストロベリーアイスの株元です。
株右側のハートが横になったような部分、向こうが見えています。
指が簡単に入る巨大ホール。ちなみに、ここに白い幼虫・テッポウムシが一匹いました。
もろいところはもうないので、多分もういないでしょう。
おそらくストロベリーアイスは来年、元気になるかと思います。
いつもなら、この後、墨汁を塗っておくのですが、あまりの大穴に塗り忘れ、後日塗りました。
剪定後の寒肥と冬支度
画像はローゼンドルフシュパリースホップですが、株の周りをぐるっと土を移植ごてで掘りました。
深い穴を数か所掘ってそこに堆肥を埋めてもいいのですが、場所によっては他の木の根っこに遭遇したり、掘りにくかったりすることがあったので、最近は浅くぐるっと円形で掘る形式にしています。
どういうわけか、馬糞堆肥の開いていた袋に雨が入り込んでいたので、どろっどろになっていましたが、ま、いいか、使い切ろうと、ここに全投入しました。
(残りのバラには、普通の乾いている馬糞堆肥を入れました。)
堆肥を土で埋め戻してから、その上に頂き物のもみ殻燻炭を大量にまきました。
たくさんあるのでいっぱい使っていますが、ここまで多くなくてもいいし、バーク堆肥でも、バークチップでも、お好みのマルチング(マルティング)材を使ってください。
寒冷地なので、さらに頂き物の敷き藁を適当に敷いています。
適当なのは、束をなるべくばらさないようにしたからです。
というのも、束をばらすと回収しにくい上に散らばりやすいので、後々を考えて、塊であつかっています。
寒冷地でなければここまでは必要ないかと思いますが、株元の温めにもなるので、手に入るのであればつけておくのはおすすめです。
2019年末は雪がないので作業がしやすい
2019年末は雪がなく、なんと雨が降っています。
例年なら、これらはすべて雪だったのに、雨。
2019年2月に雨が降ったときも驚愕しましたが、12月末になっても雨が降っている2019年は、間違いなく暖冬だと思います。
こたつも使っていないし、ストーブも出番が少ない。
とはいえ、雪がないので作業がはかどりました。
日が出ているととても暖かいので、手がかじかむこともありません。
いいのか悪いのか、プリンセス・ミチコなど、驚くほど元気な蕾が付いていて、切り花として室内に持ち込んでいますが、非常にいい状態です。
寒くないため、葉っぱが例年以上に残っていました。
年末にもきれいな緑の葉っぱが生き生きしているのはとてもうれしいのですが、”地球温暖化”が目に見えているようで、この先どうなるのか、心配になってきます。
スキー場に雪があるんだろうか??そんな不安もよぎりました。
山間部で雪として水を貯えるのに、蓄えられない。
夏に水不足にならないか、心配です。