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四季咲きのバラの日々のお手入れのポイントとして、花殻つみや追肥・水やりのほかに、病害虫対策と混み枝の剪定も欠かせません。
また、年末に行う寒肥と強剪定は、翌年によりきれいなバラを咲かせるために欠かせない作業なので、詳しい説明は別の記事でおこなうので、ここでは要約を説明しておきましょう。
アブラムシの予防と対策
無農薬でバラを育てたいという人も多いのですが、バラは非常に虫が付きやすい植物なので虫退治に明け暮れてしまうので、無能やっくでバラを育てられる人は、バラの世話に時間を十二分に割くことができて、栽培本数が少ない場合に限定されてしまいます。
実際問題として、アブラムシはオルトランなどの簡単にまいて殺虫効果がある程度ある、弱い殺虫剤でも十分につかないようにできる虫です。
殺虫剤がほぼ効かない虫も多数寄ってくるので、そんなに強くない殺虫剤で簡単につかないようにできるアブラムシなどは殺虫剤で適宜取り除いておいた方が管理しやすくなります。
ハマナスや犬バラ(ドッグローズ)など、ローズヒップをとるために栽培しているバラについては、食用にすることから、殺虫剤は極力使わず、使った年は食用は控えたほうが安心です。
ハマナスや犬バラ(ドッグローズ)は原種に近いバラなので、実がついても花がどんどん咲き、多少アブラムシがついてもぐんぐん成長するので、アブラムシ退治に明け暮れなくても、シャワーで洗い流しておく程度でも安心して育てられます。
ついてしまったアブラムシは、枝先をつまんで持って強めの流水で洗い流すと大半が取り除けるので、水やりするときに大部分を取り除くことができます。
食用にしない場合、ベニカXスプレーなどの病害虫用のスプレーをスプレーしておくことで簡単に除去できます。
ベニカXスプレーは、白いカビが広がるうどんこ病にも即効性があるのでぜひそろえておきたいアイテムです。
葉につく虫は葉ごと取って退治
チュウレンジハバチなどのハバチは、初めのうち葉っぱに小さな穴を無数に開けるだけで体長もとても小さいのですが、集団で増えて放置しているとどんどん大きくなって大食漢になっていくので、駆除するには早期発見早期退治が大切です。
緑色なので、卵や幼虫だけをうまく取り除くのは難しいので、小穴の開いた葉っぱごと取り除いた方が確実に取り除けます。
ホソオビアシブトクチバは下の方の幹に伸びて寝ていたり、蕾に頭を入れて食べていたりするので、見つけたら捕殺する必要があります。大きくなると10cmくらいにもなり動きも早いので、テデトール(手で取る)よりははさみで切って退治した方が触れずに確実に捕殺できます。
鼻が長いバラゾウムシなど、葉っぱにつく虫は数多くあり、虫だけを見つけるのは至難の業ですが、穴の開いた葉っぱごと取り除けば、卵も近くにあることが多いので除去率が高くなります。
穴の開いた葉っぱを取り除いておくと、次に穴が開いたときにすぐに見つけられるので、早期発見と虫がはびこるのを防ぐためには有効です。
また、虫食いの葉っぱを取り除いたら葉っぱがなくなってしまったとしてもバラは簡単には枯れたりしません。
株が混んできたら適宜剪定する
葉っぱや枝が絡まったり重なったりすると、風通しが悪くなり、この状態を「株が混んできた」と言います。
混みあった枝は適宜剪定してすっきりさせます。
どの枝を剪定するとスッキリするのかは、はじめはわかりにくいのですが、まずはいろいろな枝に重なり合っていると思われる枝を切り取ってみるようにしましょう。
「これじゃなかった!こっちにすればよかった!」と思うこともありますが、何回か失敗しているうちに剪定もうまくなります。
四季咲きのバラは花期も長く、剪定する機会が一年のうちに何度もあるので、短期間で剪定もかなり上達していきます。
混み枝を剪定せずに温存していると虫の温床になりやすいし病気になりやすく、剪定した方が健康に維持できるので、思い切ってチャレンジしてみましょう。
少々切りすぎても簡単には枯れません。
年末に強剪定して葉っぱもすべて取る
四季咲きのバラは、年末に雪が上に降り積もっても、そのまま育てていると花を咲かせ続けますが、休眠させる方が来年のために力を蓄えてくれるので、年末には強剪定します。
「強剪定」するとき、樹高の1/2~1/3程度の高さになるまで枝を切り取ります。
はじめてで自信がないときは1/2程度まで刈り込めば十分ですが、ある程度刈り込まないと背ばかり伸びてしまい、翌年花の手入れがしにくくなってしまいます。
葉っぱが落ちていないのにとるのはかわいそうに思えるかもしれませんが、翌年に昨年の病害虫を持ち越さないためにはすべて葉っぱを取り除いて、株もとに落ちたものも集めて処分しておく必要があります。
強剪定は外芽の花芽の上で剪定する
細い枝や枯れ枝、混み枝なども切り取っておきます。
切り取る位置は、赤いプクンとした花芽を残してその上を切るようにします。
来春に花芽が伸びてくるので、中央より外を向いてついている「外芽」を残しましょう。
中央に向かってついている「内芽」を残すと、混み枝になるだけなので、残すのは「外芽」にします。
古くなって太さ3cm以上ある枝と、太さ1cmくらいの元気のいい新芽「シュート」とが絡み枝になっていてどちらを切るか悩む場合は、できるだけこれからの枝のシュートを優先します。
強剪定後は寒肥を施肥して冬囲いする
強剪定した後は、株元から30cmほど離れたところに穴を掘り、牛糞堆肥や鶏糞堆肥をいれて土をかぶせる「寒肥」を施肥し、株周りにココピートなどのマルティング材を敷いておきます。
雪深いところではさらにその上にむしろやわらを敷いておく冬囲いをすると保温性が増します。
鉢植えの場合は、堆肥を入れずにバラ用の肥料を株もとにひとつかみまいておき、鉢の周りにプチプチなどをまいて冬囲いすることで根が凍るのを防ぐことができます。