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暖地の浜松でも、毎日の最低気温が15℃を下回り始めました。
寒冷地の長野では、最低気温は冷蔵庫の冷蔵室クラスになり、最高気温が浜松の最低気温になりつつあります。
バラの冬支度として、強剪定を行うシーズンが近づいてきました。
初めての場合、どこらへんで切ったらいいのか??とても悩みますね。
強剪定の決まりごとをご紹介していきましょう。
強剪定で樹高を1/2くらいに
バラの冬越し準備「冬囲い」は、まずは強剪定からはじめます。
バラの強剪定は、前年の病害虫を来年に持ち越さないために行います。
樹高を1/2~1/3位になるまで切りつめ、残った葉っぱを全部取り除きます。
強剪定で切るところは、いい感じにぷくっと膨れた赤い芽がついているところの上です。
樹高の1/2くらいのところの、枝を見て、ちょうどいい芽を見つけたら、それを残して、その上を切り取ります。
ミニバラなど、新芽がよくわかんない!という時は、大体樹高の1/2くらいになる辺りで、枝ぶりが自分の気に入る感じになるよう、切り取っておけばOKです。
枝や葉っぱを残さない
前年の病害虫を残さないために強剪定しているので、取り除いた葉っぱや枝は、株の周りに残しておきません。
とはいえ、一欠片も残さない!事ができるわけではないので、できるだけ、きれいに取り除きましょう。
葉っぱをバラバラ散らさないためには、大胆に1/2になるように切った後に、周りの残ったものを、その都度袋に入れながら、取り除いていくようにします。
芽が伸びていく方向を考えて
茎から出ている新芽は、先端が向いている方向に伸びていきます。
強剪定のときに残そうとしている新芽が伸びていく方向を確認して、その芽にするか、別のその近くの芽にするか決めます。
伸びていくことを考えて、その方向に他の枝があったり、絡み合ったりしてしまわないか確認して、大丈夫なものを残しましょう。
決めかねる時は、若干長めに残しておいて、翌年春に芽吹いてから考えても間に合います。
古枝と新枝、残すのはどっち?
絡み合った枝を取り除く時、木質化した直径の太い古い枝と、緑色のまだ若い枝、どちらを残すかとなると、3年目くらいの直径2cmくらいの古枝があれば、古枝の方を優先的に切り落としましょう。
古枝にはだんだんと花芽がつかなくなっていきます。
新枝の方が勢いがあり、これから伸びていきます。
新枝を残すことを「株を若返らせる」とも言います。
細枝は残しても冬越しできない
新しい枝でも、脆弱なほっそい枝は、大きくならないし、冬越しできないことがあるので切ってしまいます。
細すぎる枝は、春になっても芽吹いてこないばかりか、春には色が緑ではなくなって、茶枯れているのが一般的です。
もったいない気がするかと思いますが、残しても春に剪定する作業が増えるだけです。
細枝にはちまちました葉っぱが残りやすく、葉っぱを取るだけでも大変なので、まとめてカットして労力もカットしましょう。
実際の鉢植えでシュミレーションしてみよう
上↑の画像は、2017年年末に行った冬囲いの様子で、手前のバラは樹高が1mくらいのエマグローデンドロストですが、樹高50cmくらいまで切りつめてあります。
細い枝は残しません。
残しても、来年芽吹いてこないので、結局切る羽目になります。
強剪定した後、穴を掘って寒肥を仕込み、土にマルティング材を厚く敷き詰めた上に、寒冷地なので敷き藁もしていますが、暖地では藁までは必要ないかと思います。
実際に切っていく様子は、年末までに行う予定なので、実施次第アップしますが、ココではシュミレーションでお許しを。
ふうん、こんなとこ切るんだ、という感じがわかってもらえたらと思います。
エウリディーチェでシュミレーション!
画像は、2018年5月29日に植えた、鉢植えで育てているエウリディーチェです。
樹高は90cm。上の方に見えているフェンスを超えた枝は、隣のアンブリッジローズのもの。
アンブリッジローズの方が大きいんですが、元気がいいので新芽がわからない状態なので、わかりやすいエウリディーチェにしました。
鉢植えなので、内側?外側?どっちでもいいじゃん??ということで、樹高1/2くらいのところで切り取ります。
その下のところでもいいのですが、どっちを向いても鉢の外側に向くので、これで良しです。
枝分かれしたところの先の、芽のところを残してとりあえず切り取ります。
多少細いかな?と思うものでも、位置で決めて、とりあえず残しておきます。
全体をカットしてから結局切ることに決めることもあります。その時々ですね。
枝全体ががっしりしている場合は、長めに残しておいて、後で切ったりそのまま残したりします。
ハサミを乗っけているような、元気のない細めの枝は、全体を剪定してしまう前に、枝分かれ部分からまるごと切り落とします。
まず来春を迎えないからです。
アミ・ロマンティカでシュミレーション!
アミ・ロマンティカは、2017年12月14日(←奇しくも末妹の誕生日。今気が付きました)に長野の自宅の庭に植え付け、2018年3月30日に掘り上げて鉢植えにして、浜松に運んで育てたもの。
長野は寒冷地なので、まだ芽吹いていなかったので、ギリギリセーフでした。
本来ならこんなことしないのですが、どうしても連れて行きたかったので、致し方なく暴挙に出ました。
木立ち性のエウリディーチェと異なり、アミ・ロマンティカはつるバラ。
大きくなっても2m級なので、つるバラとしては小ぶりで、現在も樹高90cm程度です。
上から株を覗き込むと、木質化しているものも、いい感じのシュートもありますが、右側の2本の枝のうち、上側のものは細いので、根本から切り落とします。
同様に、左方向に伸びている枝のうち、下から三本目も、細短いので株元から予めカットします。
ハサミを当てている枝のすぐ上に見える細短い枝も、細すぎるのでカットです。
ピントが合ってるのが関係ないところですが、芽のすぐ上で切り落とします。
大体の長さが、株元から半分くらいになるように、切ります。
新芽を残してその上で切る、その原則を守って大体のところで切り終わったら、全体をみて、バランスを整えていきます。
実は、誘引するためのトレリスを購入済み。
トレリスは、大寒の頃をねらって、取り付ける予定です。
しっかり休眠しているときのほうが、曲げなどに対応しやすくなります。
つるバラは、横へ横へと誘引するのが鉄則。
真っ直ぐ気味でも花をつけると言われているアミ・ロマンティカでも、鉄則を守ったほうが花つきが良くなるのではないかと思います。
咲きかけの蕾は湯切りすると咲く
強剪定する時、もう少ししたら咲きそうなのに!という蕾がついていることがあります。
咲きそうな蕾は、切り花として室内で楽しみましょう。
処分する枝とは別に、取り置いておきます。
後で、切り口を熱湯に50秒ほどつけて、水につけなおして先端をカットする「湯切り」をしておくと、しっかり水揚げができて、花を長く楽しむことができます。
初めてで思いきれない時はほどほどカット
初めてバラを強剪定する時、せっかく育ったのに、もったいない!と思ってしまいますね。
でも、本当は、切ったほうがバラは翌年よく伸びます。
とはいえ、私は1/2以上まで切りつめたことがありません。
度胸がなくて。
年々剪定具合を強くしていますが、1/3まで切り詰める度胸がない。
初めてで思いきれない時は、切り詰める量を減らし目にしても構いません。
残しすぎると、結局上の方にしか花が咲かなくなってしまうだけで、枯れたり成長が阻害されるわけではありません。
春になってから、やっぱり先端の方はいらないと思ったら、もう少し切り詰めることもできます。
自分の花なので、好きなようにカットする、結局は全て自己責任です。
ミニバラも同じように強剪定するけれど
強剪定して葉っぱを全て取り除くのは、バラ苗もミニバラも同じですが、同じミニバラでも、樹高が15cmにも満たないような小さな苗の場合は、1/2まで切り詰める必要はありません。
小さなミニバラの場合は、残したい新芽の上で軽く整えるだけにしておきますが、葉っぱをすべて取り除きましょう。
インフィニティなどは、ミニバラとは思えないような、直径1cmほどある茎が伸びてきますが、樹高は1mをかなり下回ります。
しっかり育った苗の場合は、1/2ほどまで樹高を切りつめておきましょう。
木質化して太くなった枝があるときは、しっかり育った新枝の方を優先的に残して、邪魔な古枝の方を切り落とします。
ミニバラはもともと枝が細いものが多いので、細枝と考えるか、太枝と考えるか、わけがわからなくなることがあります。
そんな時は、残しておきましょう。
ダメだったら、春に切り落とせばいいだけです。
切ってしまったら元には戻りませんが、残していれば、芽吹くこともあります。
強剪定でバラを休眠させる
最低気温がマイナスになろうかという時期がきても、雪が降り出しても、バラの強剪定や冬囲いは年末にすると、私は決めています。
というのも、雪が少々降ったくらいじゃ、四季咲きのバラは開花を止めません。
雪なんてふりゃしない浜松では、強剪定・冬囲いをするのは年明けでも遅くはありません。
しかし、春の花を豪華に咲かせるためには、やっぱり冬場は休ませたほうがいいと思います。
強剪定をしないと、バラは寒冷地でもなかなか休眠しないので、暖地ではなおのこと休眠しません。
バラを休眠させるためには、強剪定は欠かせません。
バラは休眠すると水をほとんど吸わないので、鉢植えでも水やり頻度がかなり落ちます。
とはいえ、土がカラッカラに乾いていたら水やりは必要です。
年末年始でドタバタしているときに、土のチェックが甘くて、枯れていた~!ということがないように、手が掛からない休眠状態にしておくと安心です。