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猛暑が続きます。
炎天下、人も動物もぐったりしています。
当然ですが、植物もぐったりです。
サフィニアや朝顔が咲き誇り、ノウゼンカズラやサルスベリの花が涼やかに風に揺れますが、あくまで例外。
大抵の植物は弱ってきます。
「あああ、また枯れた!!」
という品種も多数あります。
でも、ちょっとお待ちを。
枯れたように見えて、枯れていないケースもあります。
なんとかリカバリーしようとして、逆に枯らしているケースもあります。
びっくりするほど弱ってくる【鉢植え】
屋外で育てている鉢植えの植物が、びっくりするほど弱って枯れ果てることがあります。
特に日当たりのいい場所においてある鉢で、小さめのものは、夏、ちょっと目を離したすきに枯れます。
実は枯れたように見えるだけなんですよ、って言えればいいのですが、対処が間に合わないとすぐに枯れてしまいます。
鉢とコンクリート床の間に空間を作る
鉢を、コンクリートの床に、直置きしている方、よく見かけます。
マンホールや鉄板の上の場合、更に最悪。
日当たりが良いと更に拍車をかけて、鉢も鉢の中もちんちんになって、植物が焼け死んでしまいます。
花台をおいて、その上に植物を置くことで、ダイレクトに熱が伝わってしまうのを防ぎ、同時に通気性を良くして根が蒸れてしまうのもふせげます。
水やりは朝・夕方に
朝は10時までに、午後は夕方に水やりするのがベストです。
鉢植え、地植えを問いません。
そんなの世間の常識だろう?と思うでしょうが、意外に知らない方も多くいらっしゃいます。
気温が十分に高くなってから水やりすると、根にダメージを与えることがあります。
おっそろしく水切れしていて、緊急事態!というときには、気温が十分に高い時期でも水を与えることもありますが、できる限りやらないほうがおすすめです。
小さめの鉢は二重鉢か腰水で
小さい鉢植えは、鉢の中が過酷な暑さに見舞われやすいので、一回り大きな鉢に鉢ごと入れる「二重鉢」にしたり、鉢が2/3程度まで水に浸かるように、水を入れたバケツに鉢ごと入れてつけておく「腰水」で夏を乗り切ります。
腰水は、根が水に浸かっていてもダメージを受けない品種のみに行います。
小さな鉢の代名詞である「盆栽」についても、夏場は腰水で乗り切ると管理が容易になります。
根が水に浸かってもダメージを受けない品種は、腰水と二重鉢、どっちが夏をより過ごしやすいか?というと、腰水のほうが過ごしやすくなります。
根がウエッティな状態を嫌う品種の場合は、二重鉢にしたり、鉢の部分をそのまんま土に埋めたりして、鉢内の温度が上昇しすぎるのを防ぎます。
室内退避してもOK?
遮光したり、鉢の温度が上昇しすぎるのを防ぐために、あれこれ対策するのは無理!という場合は、室内退避させるのもおすすめ。
室内の明るい窓辺に置き場所を替えて、夏を過ごさせるのも一つの方法です。
このとき問題になってくるのが、エアコンです。
日中、締め切った室内では、屋外の方が風が通る分だけでも、過ごしやすい場合もあります。
じゃあ、いてもいなくても、エアコンをつけておけばいい!と考えるものですが、エアコンの冷たい風が直接あたっていると、冷えすぎて弱ってしまうこともあります。
エアコンの風が直接当たらない、なるべく日当たりの良い場所を置き場所にしましょう。
花をさかせてくれることもあるけれど【バラ】
バラは、真夏でも四季咲きであれば、花を咲かせてくれることがあります。
しかし夏の暑さに、葉っぱの多くがチリチリになってしまうこともあるバラは、夏バテしやすい植物です。
花を咲かせることは、バラにとって多大なエネルギーを消費します。
できるだけ咲かせることがないように、追肥は夏の間休止して、蕾が上がりにくいように管理しましょう。
ついた蕾も取って、咲かせないようにするほうが、株のためにはプラスになります。
とはいえ、おケチな私は、追肥はしないものの、ついてしまった蕾は取らないで咲かせてしまいます。もったいないから。
傷んだり混んでいる枝葉は取り除いて
チリチリになった葉っぱは、取り除いても無駄という専門家もいらっしゃいますが、取り除いておいたほうが、株が風通しが良くなるので、できれば取り除いておきましょう。
混み合ったすっきりしない枝も、ざっくり切り取って、株全体が風通しが良くなるようにしておきます。
蒸れたり混んだりしている部分には、姑息に虫が住み着くので、住処を提供しないようにします。
バラはチリチリになっても日当たりで!
夏、葉っぱがチリチリになろうと、場合によっては枯れたようになって、葉っぱが一枚もない状態になってしまっても、まだまだバラは枯れていません。
秋になったらリカバリーするから、気にしないでいましょう。
涼しい日陰に退避させる必要もありません。
バラは、常時、日の良く当たる場所で育てます。
水が足りなくても、足りていても、葉っぱがなくなることがあります。
万一水が足りないことがないように、朝夕の水やりのときに与える水の量を増やしましょう。
株元にマルティング
暑い夏に、根がダメージを受けないように、株の周りの土の上に、バーク堆肥やココピート、サンデーマルチなどのマルティング材を厚めに敷き詰めておきましょう。
春に敷いた分が少なくなっていることがあるので、減っているようなら足しておきます。
マルティング材は、地中の温度が上がりすぎたり、土が乾きすぎたりするのを防いでくれるので、根の保護になります。
南国フラワーの本領発揮?【ハイビスカス】
沖縄やハワイが似合うハイビスカスは、夏ともなれば本領発揮!と言いたいところですが、夏真っ盛りには、くったりして葉っぱを落としたり、花を咲かせなくなってきます。
ハイビスカスは水を比較的好み、カラカラになりすぎると葉を落としてしまいます。
また、30℃を超えると花を咲かせるのをお休みしてしまう性質があります。
気温が高い時期は、鉢を明るいけれど風通しの良い、涼しい場所に移動させましょう。
直射日光バンバンの日当たりでは、花を楽しめなくなってしまいます。
涼しいところでも花が咲かないとき
明るいけれど涼しい場所においても花を咲かせない場合は、肥料切れか、鉢が根でパンパンになっていることが考えられます。
根が鉢底から出ていたら、一回りか二回り大きな鉢に、鉢を外してそのまま根をいじらずに植え替えましょう。
いずれにしても、新たに緩効性化成肥料を株元にまいて、液体肥料を水代わりに与えることで、すぐに蕾がついてきます。
あっという間に枯れてきた【多肉植物】
砂漠など、過酷な環境に生息しているサボテンや多肉植物は、夏になったら暑い日差しを燦々と浴びて、元気ハツラツ!のはずが、弱ってきたり、枯れてくるものも。
何これ?なんで?水が足らないかしら?と水やりすると、更にダメージを与えてしまうことも。
砂漠は暑い夏、雨が降りません。
つまり、暑いけれど、カラッとしています。
多肉植物は暑い夏、枯れたように休眠して、夏を乗り越えようとします。
カラッとした夏なら、かなり暑くても耐えられます。
多肉植物の冬型種
多肉植物の冬型種と言われる品種は、暑い夏が苦手で、夏は休眠して乗り切ります。
気温がぐんぐん上がってくるにつれて、みるみる弱ってきたり、枯れてきたり、葉っぱがなくなってきたものがあれば、大抵は冬型種です。
枯れたのではなく、休眠しています。
休眠しているので、水はほとんど吸いません。
故郷の砂漠に近いようなカラカラの熱々なら乗り越えられますが、水をもらって土の中が蒸し暑くなると、即、根がやられてしまいます。
日当たりは必要ないので、涼しい木陰などで、秋が来るまでゆっくりしてもらいましょう。
9月になるまで水やり無しで過ごさせます。
干からびたようになることもありますが、9月に水やりを再開するとあっという間にプルンプルンになるので、根のためにも、枯れたように見えても、夏は水やりはしないで我慢します。
サボテンなど夏型種も弱る
「夏型種は、夏に生育期が来るから夏型だろ!?」と憤りたくなりますが、夏型種も生育期は春と秋で、夏は、冬型種や春秋型種ほどでないにしても、生育が若干弱まり、盛夏は流石に苦手です。
日本の夏は暑すぎるだけでなく、蒸し蒸ししている点と、夜になっても気温が下がらない点が、ふるさとの砂漠と大きく違っています。
サボテンは、他の多肉植物のように、枯れたようにはなりませんが、若干元気がなくなります。
「水が足りないのかしら?」と考えてせっせと水やりすると、逆に過湿になってダメージを与えてしまいます。
真夏は、夏型種も水やり頻度を控えるようにしましょう。
小さな鉢がちんちんにならないように
多肉植物やサボテンであっても、鉢の中が異常に高温になると、根にダメージを受けることがあります。
禁水にしていると、ある程度は持ちこたえられますが、それでも限界はあります。
「砂漠のほうが暑いだろう?!」と思われるかもしれませんが、コンクリートの上に、直接、鉢を置いていて、常時直射日光にさらされていると、小さな鉢植えなど、信じられない温度になってしまいます。
目玉焼きが作れるような鉢の中では、砂漠生まれのサボテンだって耐えられません。
あっつい砂漠生まれだから、直射日光バンバンに当ててやりたい!という気持ちも、わからないではないのですが、小さな鉢に植えられている小さな植物は、植物としても「幼苗」なので、過酷な環境を耐える力がありません。
温度が必要以上に上がりすぎないように、風通しの良い明るい涼しい場所に置き場所を替えましょう。
くどいようですが、コンクリートや鉄板など、温度がものすごく高くなるようなものの上に直置きするのは避けましょう。
水をせっせとあげると、地中が蒸れて、根がダメージを受けるので、なるべく水を控えましょう。
水やりするなら、気温が低い時間帯にして、鉢の中の温度が高くなりすぎないようなところにおいておきましょう。