リトープスとは|多肉植物「生きた宝石」リトープス

多肉植物のリトープスとは、表面に変な模様が入ったお尻か、二つの丸い石がくっついたような感じの多肉植物です。「なんだコレ?」と言いたくなるような形状からは想像もつかないほど美しい大きな花を色鮮やかに咲かせるので、「生きた宝石」ともいわれています。

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リトープスは冬型種

リトープスは南アフリカの砂漠や山岳地帯の砂利だらけの場所で自生している植物なので、「擬態」と言われていますが、ようするに岩のフリをしている多肉植物です。地色は緑色や茶色、赤色など様々で、一番上が真ん中で割れた平らな形になっていて、その平らな部分にいろんな模様が出てきます。

リトープスは冬に生育期がやってくる多肉植物なので、「冬型種」に分類されますが、寒さにめっぽう強いわけではないので、冬の間は室内で栽培します。リトープスの生育に適した温度は8~25℃なので、どちらかと言えば春秋型じゃないの??と思ってしまいますが、室内であれば冬は休眠しないので生育期は9月~6月になり、種まきは10~11月が最適です。

夏に休眠するから夏はしわしわでも禁水

リトープスは夏には休眠するので、夏に差し掛かると、どんどん元気がなくなってきて、「急に弱ってきたよ!!」と持ち主を慌てふためかせます。しかも、ここで水をやってはいけないという、とてつもない試練が訪れます。

「枯れそうに見えるからこそ、水をやってはいけない」というのは多肉植物を育てる上での教訓なのですが、本当に水切れしているのと見分けがつきにくいので、この点を見極めるくらいの修業は積んでおく必要があります。

夏の間は涼しい日陰で管理しておきます。あまり目につくところに置いておくと、ため息をつきそうになるので、あまり目が届かないところがおすすめです。9月になり、涼しくなってきたらそれ!と水やりして、元気になるのを待っていると、ぷくぷくに戻っていきます。

びっくりするほどきれいな花が咲く

岩のようなリトープスは、真ん中の割れ目のところから花芽を伸ばしたかと思うと、ぼん!と驚くほどきれいで大きな花を咲かせてくれます。リトープスの開花時期は品種により異なり10月~1月ですが、一つの花は一週間も持ちません。花色は品種ごとに異なり、花は昼になると開いて、夜になると閉じることを枯れるまで繰り返します。花茎は脱皮が終わるまでおいておきますが、枯れた花は早めに取り除きます。

リトープスが小さいときはすぐには花を咲かせませんが、大きな株になってくると花を咲かせてくれます。日当たりがよいところで育てると花色と花つきがよくなります。

リトープスは花が咲いた後や、花を咲かせなくても花の時期に、脱皮を始めます。脱皮して取れた皮はからからに乾いてポロっととれるようになるまでおいておきます。

リトープスは乾燥気味に育てる

リトープスは雨の少ないからからに乾いたところに自生している植物なので、メリハリの利いた水管理が必要になってきます。表面の土がカラカラに乾いてきたら、底から抜けるまでたっぷりと株元から水やりし、鉢皿に水をためないようにしてできるだけ水切りします。

6~9月の休眠期にはまったく水やりしませんが、小さな芽を出したばかりのリトープスは乾燥に弱いので、乾ききらないように管理して、それ以外は禁水にします。

生育期であっても、リトープスが脱皮をはじめたら、脱皮している期間中は水をやらないようにします。脱皮している期間中に水やりするともう一度脱皮してしまう「二重脱皮」をすることがあり、二重脱皮をするとせっかく育ててきたリトープスが二回り以上小さなリトープスに逆戻りしてしまいます。

表面の土がからからに乾いたら水やりをする、と言っても、どのくらいの頻度でやったらいいのかわからないのが多肉植物を育てている上でよくある悩みです。リトープスは水を本当に必要としない植物なので、よく水やりするときであっても月に1回程度で十分です。夏でもなく、脱皮もしていないのにしわしわになったとしたら、水切れのサイン。すぐにたっぷり水やりすれば、元通りぷっくり元気になります。

リトープスは肥料があまりいらない

リトープスは生育がとてもゆっくりで、その分というわけではありませんが、生育にあまり肥料を必要としない多肉植物です。秋に休眠から目覚めたときに、粒状の緩効性化成肥料を株もとに一個置いておけば十分です。

緩効性化成肥料は水にゆっくり溶けて効いていくのですが、リトープスはあまり水やりしないのであまり肥料が溶けてこないことになりますが、それでも十分な量になります。

リトープスは粒状のサボテン用土や小粒の赤玉土や軽石を混ぜたものに川砂や燻炭を混ぜたものを用います。肥料分のほとんどない用土でもしっかり育ちます。

大きく育ってきたら株分けして

リトープスの一つ一つの株が大きく成長してきて、鉢の中がぎっしりした感じになってきたら植え替えの時期が来ています。また、リトープスは太い根をまっすぐに生やすので、根が鉢底から抜け出ているようであれば植え替えの時期が来ています。

リトープスは冬型種なので、10~12月が植え替えの適期です。根を傷めないように気を付けて植え替えをします。切り口が乾くまで2~3日日陰に置いておいたものを乾いた土に植え付け、さらに3~4日たってから水やりするようにします。

マニアがいる?売れ残りを見たことがない

リトープスは冬型種だからか、変わり者の多肉植物も少し入荷することがある園芸店の片隅に、冬になるとひっそりと現れることがあります。「ナニコレ?」と言いたくなるあまりかわいくないビジュアルにもかかわらず、休眠期まで売れ残ってたたき売られていることはまずありません。

「多肉の聖地」と言われる長野だけあって、コレクターがあちこちに出没するのかもしれません。おしゃれな雰囲気のある園芸店の一角の多肉植物コーナーでは見かけたことがないので、客層を選んでいるのか、もしかしたらバイヤーを選ぶのかもしれません。

年明けになると、長野市内のダイソーの中で、いち早く100均観葉植物を扱い始める店舗があり、雪道運転が苦手な私には通いたくてもなかなか通えないショップですが、まだ冬のうちに入荷しはじめるためか、いわゆる「流通ロス」と思われる本来は高価な観葉植物や多肉植物が結構混ざっています。ここで、リトープスにはまだ遭遇していないのですが、今年こそ遭遇したいですね。

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