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ポインセチアのきれいな赤やピンクの葉っぱが園芸店の店頭を彩るようになると、クリスマスが近い!と気分がウキウキしてきます。
「ポインセチアの赤いのは、花ではなく葉っぱらしい」ということは、よく知られるようになりましたが、「ポインセチアは草ではなく樹木」ということは案外知られていません。
樹木なので、当然のことですが、春になって枯れるわけではありません。
冬に出回るので、ポインセチアは寒さに強い植物と思われていますが、メキシコ原産なので、寒さには弱い植物です。
ポインセチアも種類が豊富に
ポインセチアというと、赤い大きな葉っぱの中心に、黄色い小さな花がちまちまと寄り集まった、クリスマスを代表する鉢花ですね。
赤い葉っぱが縮れたようになっている品種や、赤ではなく、ピンク色の品種、赤やピンクに白い斑入りになっているものなど、カラーバリエーションも増えました。
白と言っても、黄色がかったクリーム色が主体でしたが、ほんとうに白っぽいものも出てきました。
葉っぱも、大きさが違うものだけでなく、縮れたようになっているフリルタイプも出てきました。
最近、金色のポインセチアも出ていますが、これは金色の塗料を吹き付けるなどして人工的に作られています。
現在流通しているポインセチアは、メキシコ原産のユーフォルビア・プルケリマの園芸品種です。
野生種は霜が降りたくらいでは枯れません。
ポインセチアが手に入ったらすぐ植え替えて
園芸店などの店頭に並んでいる色とりどりのポインセチアは、流通しやすくするためもあって、小さな鉢で育てられているので、鉢の中が根でパンパンになっています。
このままでは根詰まりしやすく、すぐに枯れてしまいます。
また、寒さの影響も受けやすくなってしまうので、必要以上にデリケートな鉢になっています。
ポインセチアは一回り大きな鉢に植え替えて
ポインセチアを手に入れたら、すぐに一回り大きな鉢に植え替えましょう。
ただし、二回り以上大きな鉢に植え替えないようにしてください。
ポインセチアは本来は樹木です。
成長すると、2mクラスまで伸びることも可能です。
つまり、一般的に流通しているポインセチアは、本当に小さな樹木の幼苗です。
樹木に多いのが、まだ幼苗の時、水が多すぎても多湿になり、少なすぎても乾燥し過ぎになる、デリケートなもの。
急に大きな鉢に植え付けると、鉢の中がなかなか乾燥しないために、加湿になりやすく、根腐れしやすくなってしまいます。
鉢底から根が飛び出てしまったら、鉢のサイズをひとつずつ大きくしていって、加湿にも過乾燥にもならないように水管理できるようにします。
水はけも水持ちも良い土が好き
ポインセチアは、水はけも水持ちも良い土を好みます。
室内栽培する期間が長いことから、できれば赤玉土単用で育てたいところですが、有機質に富んだ土が好きなので、普通の培養土か、普通の培養土にバーミキュライトやパーライトをブレンドした土がおすすめです。
コバエがきやすいから、どうしても培養土を使うのは嫌な場合は、赤玉土にバーミキュライトと、ココピートや酸度調整済みのピートモスなどをブレンドした土を使ってみましょう。
株元に緩効性化成肥料をひとつまみ置いておくと、肥料不足になりません。
ポインセチアの水やりは土が乾いたら
ポインセチアの水やりは、表面の土が乾いてきたらたっぷりと与えるようにします。
小さな鉢植えの時は特に、なかなか土が乾いてきません。
土が乾いていないのに水やりすると、てきめんに加湿になって枯れることもあります。
表面の土を触ってみて、乾いているのを確認してから水やりをしましょう。
鉢皿に水を貯めないようにします。
ポインセチアは葉水が好き
ポインセチアの土への水やりは、加減が必要ですが、葉っぱへの水やりは、加減は必要ありません。
あげたいときに、どんどんあげましょう。
室内でずっと管理していると、ハダニが付きやすくなってしまいますが、葉水を頻繁に与えていると、葉色もいきいきしてくるだけでなく、ハダニがつきにくくなります。
霧吹きやスプレーで葉の両面にしっかり水をかけてあげましょう。
シャワーでびっしゃびっしゃにされるのも好きです。
でも、土には余り水がかからないようにしてください。
ポインセチアは寒さに弱いから
園芸店の店頭などを飾っているポインセチアは、温室育ちなためもあって、寒さにはとても弱く、10℃を下回る環境では枯れてしまいます。
冬に買ってきたポインセチアは、春、遅霜の心配がなくなるまで、室内の明るい窓辺で栽培しましょう。
春暖かくなってきたら、屋外に出して育てます。
しっかり日に当てて育てたほうが、生き生きとした葉っぱの丈夫な鉢植えに育ちます。
外に出す前に、鉢底から根が出てきていないか確かめて、出ているようなら、一回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。
秋が深まり、最低気温が10℃を下回るようになるころ、室内の明るい窓辺に置き場所を替えるえるようにします。
屋外栽培した鉢を室内に取り込む前に
ずっと屋外栽培していた植物を室内栽培に切り替える時は、鉢を外して鉢の中に虫や虫の卵などがついていないかチェックし、外した鉢も内外をきれいに洗ってから株を戻し、室内に取り込みます。
地上部分にも、虫がすくっている場合もあるので、葉の両面を強めのシャワーでしっかり洗って、傷んだ葉も取り除いてから室内に置き場所を替えるようにします。
冬の暖かい日に、日光浴させるために外に出したりするという話もよく聞きますが、多肉植物のように徒長する心配があるわけではないので、春暖かくなるまでずっと室内栽培でも構いません。
また、屋外に出すのが面倒な時、ずっと室内栽培していても、十分日が当たる場所で育てられる場合は、問題なく育ちます。
幼苗のポインセチアはお留守番が苦手
樹高が30cm以下のポインセチアは、とてもデリケートな幼苗です。
長期不在のために水やりできないでいると、1週間持ちません。
かといって、底面給水で鉢皿に多めに水をためて置いていくと、枯れずに1週間くらいは持つものの、根腐れして、あれよあれよといううちに枯れてしまうことがあります。
ポインセチアは幼苗なので、お留守番がとても苦手です。
ポインセチアをお留守番させるには
お留守番が苦手のポインセチアをお留守番させるには、ちょっとしたコツがあります。
例えば、1週間程度不在にする場合は、水切れしない程度の水に鉢をつけておく底面給水で対応し、戻ってきたら水からだして、しっかり水切りし、表面の土が乾くまで次の水やりはしないでおくと、なんとか持ちます。
繰り返し1週間ほど留守にする場合は、その半分の、3~4日位しか持たないくらいの水につけていき、また出かけるときに同じくらいの水につけていきます。
後半の3~4日目は、水が十分にありませんが、鉢の中の土全体がカラカラに乾いてくるまでには至りません。
鉢の中の土全体がカラカラに乾いてしまう前であれば、戻ってきた時ぐったりして枝先が垂れ下がっていても、その後、しっかり水やりすると回復します。
下を向いてしまった枝は支え棒などで支えて、上をむかせておくと、ほとんどが数日で持ち直します。
1週間たっても持ち直さず、明らかに枯れた枝だけを剪定し、それ以外の枝を残していくようにします。
冬でもないのに、葉っぱがどんどん落ちてしまうことがありますが、一時的なことなので、また葉っぱも出てきます。
お留守番期間中、ずっと水に浸かってるような状態を維持せず、完全に土がカラカラになるまで乾かさず、適度に根が呼吸できる乾いた状態も数日作れさえすれば、簡単には枯れることなく、長持ちさせられます。
ポインセチアを赤くするには短日処理を
ポインセチアは短日植物なので、日が短くなってきて初めて葉っぱが赤やピンクに色づきます。
9~11月頃、夕方5時から次の朝の8時まで、ダンボールなどをポインセチアにまるごとかぶせておき、夜が長い日を1ヶ月以上続けると、赤などに色づいてくるので、そこで短日処理を終了できます。
一日でもサボったら、短日処理が失敗になるといいますが、それほどデリケートでもありません。
通常、夜に電気をつけたりしない部屋の窓辺に置いているだけでも、勝手に短日処理できます。
2018年、隣のコンビニの明かりが漏れるベランダに、ずっと置きっぱなしにしましたが、勝手に赤くなりました。
日が短くなることを自然に体験させるだけでも十分赤くなります。
ポインセチアがプードルの様になったら剪定を
寒さに弱いポインセチアを、10℃を大きく下回るところにおいていたり、日当たりがあまり良くない環境に長く置いていたり、冬に土が乾いていないのにせっせと水やりした場合など、下の方の葉っぱがどんどん落ちて、トリミングしたプードルのように、枝の先端にしか葉っぱがついていない状態になることがあります。
上の方にしか葉っぱがない状態になっても、春暖かくなれば、下の方の枝の節のところから芽が出てくるかというと、残念ですが、上の方にしか葉っぱが出てきません。
思い切って樹高の1/3くらいまで切り詰めると、下の方からも芽が出てきます。
小さいものは、下から数えて3節以上残して切り取るようにします。
枝分かれして、全体に前以上にこんもりした樹形に育ちます。
ずっとシゲシゲでも剪定したほうがいいの?
ポインセチアは樹木なので、ずっと葉っぱがしげしげだったら、別に剪定しなくても、そのまま育てられます。
寒い環境に置かなければ、多湿で枯れそうにならなければ、ずっと葉っぱがしげしげのままになります。
下の方にも葉っぱがあるのに、なんで切り戻す必要があるのか?ということで、そのまま育てていても、何ら問題なく育ちます。
春に、葉っぱが上の方だけになって寂しいときだけ、剪定して脇芽や下の方の葉っぱが育つようにします。
剪定しても新しい芽が出てこないことがあるの?
ポインセチアの土が多湿気味な状態を維持しているために弱ったときなど、剪定しても芽が出てこないことがあります。
根腐れしてしまう前であれば、なんとか持ち直しますが、多湿が続くと枯れてしまいます。
根腐れしないように、土が乾いていないのに水やりするようなことはないようにします。
大部分の芽が出てきても、一部分はだめだった場合、ある程度待ってもどうにもならなかった部分は諦めて、他を生かせるようにします。
なんだかんだいっても、夏が来る頃までには、全体にこんもりとした茂みに育ちます。
ポインセチアの樹高が高くなっていくスピードは大変遅いのですが、一年目よりは二年目の、二年目よりは三年目のほうが、大きくなっています。
隣のコンビニで逆短日処理?
4月に、3年目くらいのポインセチアを長野から浜松に持ってきた時、ほとんどの葉っぱが緑色でしたが、ほどなくして、赤いポインセチアに戻っていました。
画像↑の日付は2018年4月7日。
持ってきて1週間ほどしか経っていません。
中央に黄色い花も咲いていました。
従来の開花時期は、12~2月頃なのに。
前年の一年間、10日不在、1週間在宅、というサイクルで世話したため、何度も枯れそうになったりしたので、運んだ時は株の状態もいまいち。
その前の2年間は、勝手に短日処理できる、夜に電気をつけないサンルームという名の洗濯物干し場の、シャコバサボテンの隣に置いていたので、勝手に赤くなり、すくすく育っていました。
春の真っ只中で何故咲いている?
画像↓は2018年5月3日。まだまだ赤いです。
画像↓のバラのとなりに、まだ赤いポインセチアが見えます。
2018年5月29日です。
コンビニの隣なので、毎日明かりが点きっぱなし。
これまで、別に、日(おひさまが出ている時間)が短いとは思っていなかったけれど、日が短かったらしい。
ものすごく日が長くなってきた。葉っぱを赤くしなくちゃ!
と思ったのではないか?と勝手に想像しています。
完全に緑に戻ったのがいつなのか、よく覚えていません。
↑画像は、2018年9月13日の様子です。
しげっしげの全部緑です。
短日処理しようと思って、用意した箱を被せようとしたところ、日当たりのいい場所で暮らしたせいか、思ったよりでっかくなっていて、入りませんでした。
かなり大きな箱を用意していたんですが・・・
巨大な箱を探してくる??
というのも面倒くさいので、もういいや、今年は緑色で、と思っていました。
もしかして、また、春になると、赤くなるのかもしれませんが・・・期待しないで待ってみましょう。
10月下旬の今現在は?というと、緑色のままですが…。
台風による被害もあって、今頃下の方の葉っぱがなくなって、半分はげちょびんになってしまいました。
新芽が今頃…。
でも、今なら入る箱はありそうですね。
しかし、来春は剪定が必要そうです。
その後のポインセチア【2018年12月10日】
塩害でぼろぼろになっていたポインセチアは、徐々に元気を取り戻し、2018年12月10日現在、最低気温が5℃になったにもかかわらず、相変わらず屋外でむくむく育っています。
すぐに水切れするので面倒くさくなって、お留守番させたときにセットした要らなくなったタッパーをそのまま鉢皿に愛用しています。
もう家に入れたほうがいいんじゃないだろうかと思うのですが、元気なので、まだ迷っています。
ずっと屋外栽培してきた植物は、暑さ寒さに対する適応力が増すので、これで持つなら、春までもつんじゃないか??と思うわけです。
ちなみに、インパチェンスもそばで元気に花咲いています。
あれ~?ところどころ、あかいんじゃない?とお気づきの方もいらっしゃるでしょうね。
そうなんです、勝手に赤くなりました。
ちなみにこの赤い部分は、どんどん葉っぱが大きくなります。(例年なら、ですが。)
隣のコンビニが明るいという条件は変わっていません。
めんどくさいんで、結局箱もかぶせてません。
短日処理、短日処理って、騒ぐ必要もなかったです。
もっと赤くなってきたり、お家に取り入れたり置き場所を変えたら、またUPします。
2019年4月11日春のポインセチア
現在も、ポインセチアはベランダで過ごしています。
結局一度も室内に移すことなく、越冬しました。
お正月に水切れして下の方の葉っぱがさらに落ちてしまいましたが、残った葉っぱはすべて真っ赤です。
もう少し暖かくなったら一回り大きな鉢に植え替えます。