目次
前回記事 バラを壊滅的に枯らす虫【その1】 からの続きになります。
ダイレクトにバラを枯らしてしまうのに、地中や株の中に巣くう虫は、殺虫剤が効きにくいタイプの虫ばかりで、オルトラン程度の弱い殺虫剤では予防にすらなりません。
虫を何とか探し出して、捕殺する以外に、有効な手段がないものがほとんどです。
アヤシイと思うところを、念入りに観察して、敵を捕獲する、これにつきます。
地上部が、株元も含めて何ともないのにどんどん弱ってくるときは、地下部を疑いましょう。
強い殺虫剤はバラを枯らすことも
弱い殺虫剤ではあまり効かないのなら、強い殺虫剤を使えばいいじゃないかと思うのは人の性かもしれません。
強い殺虫剤が効くこともあれば、それでも効かないことの方が多く、強すぎる殺虫剤を撒いたために、虫ばかりでなくバラそのものが枯れてしまうこともあります。
強い殺虫剤を使うのは、これ以外に手立てがないときを限定に、もしかして、枯れることもあることを頭に置いた上で使うようにしましょう。
地中に巣くう【カナブン・カブトムシの幼虫】
白く丸まった幼虫におなじみの方は多いものです。
虫が好きな子供が近くにいれば全部持って帰ってもらえるのにといつも思うのがこれらの幼虫です。
カナブンの方がカブトムシより二回りほどコンパクトな体型をしています。
地中に巣くって根も食べてしまうので、ついてしまうとバラがダイレクトに枯れていきます。
鉢植えなら鉢を外してみると、中からごろごろ出てくることがあります。
地植えの場合は、真冬以外は抜くとそれもダメージになるので、株の周りをザクザクっと掘ってみて、土の中に何か混じっていないか確かめると、数匹いることがあります。
地中に巣くって夜葉もたべる【ヨトウムシ】
ヨトウムシはヨトウガの幼虫で、土気色のまだら模様の芋虫です。
日中は土の中にいて、夜這い出してきて地上部を食べる習性があります。
夜に這い出して来るから「夜盗虫」と呼ばれています。
何処にも虫がいないのに、どんどん地上部が寂しくなってくるときは、ヨトウムシがいることが多くあります。
夜になって這い出したところを懐中電灯をつけて探すか、昼間ならカナブンなどの幼虫のように周りの土を掘ってみるとコロンと出てきます。
クモの巣状の袋のようなものをのばす【地蜘蛛】
バラに限らず、木の根元に長いクモの巣の袋のようなものが伸びていることがあります。
地蜘蛛がそこに巣くっていて、クモの巣の袋のようなものの地中に伸びた先にいるようです。
袋に落ちてきた虫などを食べるといわれていますが、根も食べるようで、急激にバラが弱ってきたときなど、株もとにクモの巣の袋のようなものがついていることがあります。
袋をつついて上に出てきたものを捕まえると捕まえられるようですが、虫が大嫌いなので実行したことがありません。
地中用の強力な殺虫剤を撒くと一時的に除去できますが、しばらくすると舞い戻ってきてしまいます。
放置するとバラが枯れることがあるので、舞い戻ってくるにしても除去を試みるようにしますが、殺虫剤を撒きすぎるとバラがダイレクトに枯れたりするので、加減に気を付ける必要があります。
働き者でも大迷惑【アリ】
アリが巣くうと、鉢植えでも地植えでも、バラはあっという間に枯れ果ててしまうので、アリはアリのままに生きているのにという心遣いはガーデナーには無用ではないかと思います。
アリ退治用の殺虫剤を塗布した後、鉢植えではビニール袋に密封してしばらく様子を見ます。
地植えの場合は密封しませんが、しばらく様子を見ます。
アリ退治用の殺虫剤でバラが枯れることもあるといわれていますが、今のところ、バラは枯れたことがありません。
アリはふわふわ繊維状の園芸資材がすき
アリは、土の中にいるのが一番好きだと思っていましたが、バークチップやミズゴケ、ココヤシなどのマルティング材などのふかふかした環境をもっと好むようです。
最近バラの栽培で用いる土に変わる園芸資材として、ココマットやピートモスのような「可燃ごみに出せる土」に注目が集まっていますが、この中にアリは巣を作るのがとても好きなようで、土よりも柔らかいせいか、置いて1週間もしないうちに巣くっていた!という経験もあります。
土の代わりにこういった園芸資材を使っている場合は、その周りにアリを見つけたらすぐに確認して、アリ退治用の薬剤を塗布しておくようにしましょう。
アリ退治用の殺虫剤|置型VS粉末
プラスチックケースに入ったアリ退治用の置型の殺虫剤を庭に数個おいていましたが、そのすぐそばにはアリは見られないものの、アリの被害がなくならなかったので、20株を越え、鉢植えもかなりある我が家では、置いて回るのも面倒くさいし見た目も悪いので、現在は使っておりません。
もっぱら粉末を噴出させる「アリ退治用」と書かれた大きな殺虫剤を愛用しています。
「植物が枯れることがあります」と書かれているので、はじめは置型を使っていましたが、アリの被害がなくならないので業を煮やして粉末に変えたところ、被害を受けているバラそのものがすぐに救出でき、枯れることがなかったので、これに頼りきりになっています。
アリが慣れて薬が効かなくなることがないように、新しく買い求めるときは違うメーカーのものを買うようにしています。