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我が家に亀甲竜がやってきました。
私にありがちの、10年前から育てている、とか言うのではありません。
正真正銘、来たばっかりです。
しかも、2ヶ月前に購入したものは、1ヶ月たたずにお亡くなりになり、二代目です。
この記事は、亀甲竜の育て方は熟知しているから、そのノウハウをご披露~♪というものではありません。
また枯らしたくないので、枯らさないために、調べ上げた結果をご披露しています。
自分のために、もう枯らさないために、しっかり考察しています。
亀甲竜 Dioscorea elephantipes
亀甲竜(Dioscorea elephantipesディオスコレア・エレファンティペス)は、ヤマノイモ科なので、長芋の仲間ということになります。
塊根植物(コーデックス)に分類されます。
「亀甲竜を育てているの」というのと同様に、「コーデックスを育てているの」というと、なんだかかっこいいですね。
亀甲竜には、メキシコ原産の夏型と、アフリカ原産の冬型があります。
メキシコ産夏型の亀甲竜
メキシコ産の亀甲竜は、秋口から葉が枯れはじめ、冬は葉が枯れてきます。
しかし、冬でも完全には枯れてしまわず、完全には休眠していません。
耐寒温度は10℃ですが、胡蝶蘭並みに15℃以上にしておくほうが無難です。
春になるとだんだん元気を取り戻していって、暑い夏、ガンガンにつるを伸ばす習性があります。
メキシコ産亀甲竜は、流通量が少ないこともあって、非常にお高い。
一般的に「亀甲竜」として販売されているものの中で、お値段が安いのにメキシコ産ということはまずありません。
メキシコ産の亀甲竜はめったに手に入らないし、うちにいるのもアフリカ産なので、メキシコ産の亀甲竜について、ここでは言及するのはここまでです。
性質の違うメキシコ産もあるよ、ということでご紹介しました。
アフリカ産冬型の亀甲竜
普通に亀甲竜として販売されているものは、まずアフリカ産と考えて問題ありません。
アフリカ産の亀甲竜は、暑さが和らいだ10月頃から葉が伸びてきて、冬の間どんどん葉を伸ばしていきます。
耐寒温度は5℃位と言われていますが、大事を取って10℃以上の環境で育てましょう。
春になると、だんだん枯れ込んでいき、6月くらいから葉が枯れてしまうものも多く、夏には芋だけになっています。
6~9月中は、水やり禁止。
禁水にして休眠させます。
芋が腐ってしまうだけなので、水やりは我慢です。
亀甲竜は自生地では土に埋まっている
亀甲竜は、自生地では半分以上芋が土に埋まっていますが、芋がかっこいいので、通常、芋がむき出しで販売されています。
あんまり芋が地上に浮いていると、芋の成長によって、芋の真下と土の間に空間ができてしまい、ここがいつまでもジメジメしていて、虫が巣食ったり、過湿になって下から枯れてきたりすることがあります。
気になるようなら、ちょいと増し土して、半分とは言わないものの、埋め気味にしておいてもいいかもしれません。
亀甲竜はホッテントットのパン
亀甲竜は、アフリカ最古の人種と言われるホッテントット族(コイサン族)が、皮を剥いたものを焼いて、パンのようにして食べていたので、ホッテントットのパンとも呼ばれています。
下処理として、水にさらしてからでないと、食べられないようですが、結構美味しいそうです。
でも、ただでさえ高いのに、食べてみる勇気はありません。
亀甲竜の水やりは難しい!
秋になって気温が下がって過ごしやすくなってきた頃、亀甲竜のつるが伸び始めます。
こうなると、徐々に水やりを再開します。
土が乾いてからたっぷりと水やりします。
普通の植物のように、気温が少し上がってくる頃の午前中に水やりするよりも、午後に気温が下がってきてからのほうがオススメのようです。
葉が枯れ始めたら徐々に水やりを控えていき、枯れ落ちた休眠中は禁水にします。
徐々に水やり?
一般的な多肉植物に、休眠明けに水やりするときは、「そろそろいいぞ!」という時期になったら、鉢底から流れ出るまで水やりします。
ずっと水やりしていないので、土がジュージュー水を吸う音を立てます。
禁水あけの亀甲竜には、同じように水やりした場合、水のやりすぎになるのではないか??と疑っています。
「徐々に水やり」のやり方としては、本来植物には一番悪いと言われている、表面の土だけが水を含むような、ちょろっと水やりが良いのかもしれません。
すでに休眠明けしてしっかり葉を茂らせている2代目亀甲竜にセオリー通りの鉢底から抜け出る水やりを、購入してから1週間後にやってみましたが、1週間たっても、未だに表面の土が乾ききっておりません。
亀甲竜の根が水を吸う力が非常に弱いと考えられます。
2代目亀甲竜が、来年秋まで無事育っていると仮定して、「徐々に水やり」は、我が家の場合は、「葉っぱが茂っしげに茂ってから再開する」と解釈することにします。
土が乾いてから?
亀甲竜の場合、「表面の土が乾いてから」ではなく、「土が乾いてから」です。
亀甲竜2代目を購入する際、売り場のお姉さんが嫌な顔をするくらい、根掘り葉掘り聞いてきました。
「前に小さいのを枯らしたから、これは枯らしたくないから」と、くどくど説明し、あれこれあれこれききました。
「この株は、いつ頃最初に水をやるのがおすすめ?お姉さんなら、すぐ水やりする?」
しつこく食い下がったところ、お姉さんは、亀甲竜の土を指でガンガン掘り起こし、
「う~~~ん」と考え込みつつ、「やってもいいかなあ」と言っていました。
このとき亀甲竜の土は、深さ3cm以上、その奥までも、さらっさらの状態です。
他の多肉なら、水やり忘れてた!状態です。
それが、やってもいいかなぁ状態とは。
水をやるサインの乾いた土は、表面の土ではありません。
かなり奥まで乾くまで、水やっちゃダメですよ!(←自分にも戒めています)
徐々に、の段階が終わっているので、水をあげるときは底から流れ出るまでやって、かなり奥まで乾くまで、水やりしないのがいいですね。
サンスベリアの水やりは、春~秋にかけては大体月1回ですが、亀甲竜はもっと少なくていいかと思います。
水やりを控える?
「徐々に水やり」同様、土のかなり奥深いところまで乾かないと水やりしない植物に、「水やりを控える」というのは、やっぱり難しいですね。
あー、これは水涸れだなあと思うんでない限り、もうやらないほうがいいように思います。
栽培に慣れてないので、水涸れかそうでないかわからないだろうから、暖かくなってきて枯れ始めたら禁水にしようと思います。
葉水はガンガンやろう!
土の過湿を嫌う植物でも、葉水はたっぷり与えたほうがいいものが多くあります。
亀甲竜もそうではないだろうかと思っています。
葉っぱが非常に柔らかく、虫が巣食いやすそうなので、スプレーで水をしゅしゅ~~と葉の裏表にかけることで、葉っぱもいきいきしてきますし、病害虫予防になります。
今のところ、始終葉水をやっていますが、元気はいいように思います。
芋には水がかからないように注意してください。
亀甲竜の置き場所
亀甲竜は日当たりを好むので、置き場所は日当たりがおすすめですが、本来土の中にいるはずの芋にガンガン日が当たるのは好ましくないので、芋は茂ってきた葉っぱで覆い隠すように仕立てたほうが無難と言われています。
耐寒温度は5℃なので、屋外栽培している亀甲竜は、安全をみて、最低気温が10℃を下回る前に、室内の明るい窓辺に置き場所を変えましょう。
地上部が枯れた夏場は、地上部がなければ日当たりも度外視で良いので、涼しく風通しの良い場所でゆっくり休眠させるのがおすすめです。
屋外栽培VS室内栽培
天気のいい日は屋外に出す、どなたもよくやられるようです。
屋外栽培でないと元気を失うエケベリアのような多肉植物なら、ぜひそうしたいところ。
亀甲竜もそうしたほうがいいと、長年育てている方も言っているようですが。。。
購入してきたばかりの亀甲竜は、温室育ち。
温室育ちの植物は、温度変化にとても弱い。
過湿を嫌う亀甲竜に、雨があたったら??考えただけで恐ろしい。
成長期は水を好むと言われていますが、これまで私が育てた植物の中で、最も過湿を嫌うように思います。
買ってきたばかりのデリケートさんは特に、日当たりの良い室内でずっと栽培したほうがいいんじゃないかと思います。
葉が枯れた後、夏場は日陰の風通しの良い屋外のほうがいいかもしれませんが、雨が怖い。
葉水はあたえるから、とりあえず我が家の亀甲竜は、通年室内育ちにします。
簡易温室は亀甲竜におすすめ?
日当たりがよく、湿度が適度にあって、気温も高めに維持できる簡易温室。
ベランダに設置しました。
亀甲竜にはここのほうがいいのかも?ちょっと考えたりもしました。
2代目亀甲竜を購入する際、売り場のお姉さんに、
「ベランダに置いた簡易温室に入れようかなとも思っているんだけど」
というと、お姉さんは大きく目を見開き、
「温度変化が大きすぎるし、気温が上がりすぎるから、絶対ダメ!」
とブルブル震えながら否定。
「条件が良ければ、6月ぐらいまで葉っぱが茂ってる」
というので、「条件が良いのは、どんな条件?」と聞くと、
巨大な多肉植物専用の売り場である温室をぐるりと見渡し、
「こことおんなじような条件」と言われました。
いい感じの湿度。いい感じの温度。いい感じの風通し。
私の思う、温室育ちのデリケートな植物に一番いいだろうと思っている環境です。
2代目亀甲竜は、やはり室内の明るいところで通年管理することにしました。
亀甲竜の肥料
亀甲竜の肥料は、春と秋に薄めの液体肥料を与えるか、秋に少量の緩効性化成肥料を与えるのがおすすめとされています。
肥料をあげたほうが、芋の成長が良くなると言われています。
有機質がたっぷりの土で育てたほうがいいとも言われています。
しかし!
じゃがいもにしろ、さつまいもにしろ、肥料をやりすぎると地上部ばかりがしげしげして、肝心の芋が全く育たなくなります。
どっちも、植え付け時に鶏糞堆肥を仕込んで植えて、それ以降全く追肥したことがなかったけれど、よく育ちました。
亀甲竜だって、長芋の仲間。
地上部ばかりがしげしげ・・・いや、これはこれでいいか?・・・でも、芋も成長させたい。
肥料を全くやらないのは問題外にしても、芋の栽培で肥料は控えめは鉄則。
亀甲竜だって芋だから、少なめでいいはず。
成長期に1度水をやったくらいで、全然土が乾かない亀甲竜には、肥料はつぶつぶの緩効性化成肥料を一粒、おいときゃ十分だと判断。
秋と春に、薄めの液体肥料を水の代わりに1度ずつ、やってみましょう。
今回、秋はもういいや。つぶつぶ肥料一粒あげるし。
春になったら、薄めた液体肥料を1回、水の代わりにあげてみることにします。
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「我が家に亀甲竜がやってきた」から始まる亀甲竜の栽培記録の加筆を続けていましたが、非常に長くなってきたので、「亀甲竜栽培記録」として新たにまとめなおしました。
我が家の亀甲竜の栽培記録については、「亀甲竜栽培記録」をご覧ください。