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お庭があって、はじめてのバラ栽培に挑戦するとき、全く何もノウハウがないままでも失敗なしで育てられるおすすめのバラは何だろうと考えたとき、今まで誰もおすすめされたことがないけれど、これなら多少育て方が悪くても、生育条件が悪くても、大丈夫だというバラを思い出しました。
はじめてのバラ栽培におすすめ【ハマナス】
ハマナスは、四季咲き(と言っても、春~秋口まで。冬は咲かない)中輪のバラですが、モダンローズでもオールドローズでもありません。
日本に自生しているバラの原種なんですね。
日本に自生していたので、ほぼ放任でどこででも育ち、雪囲いもなくても上に雪がドカンと降っても物ともしません。
春先から秋までずっと花を絶やさず、花殻摘みしないとすぐに大きなローズヒップをつけ、ローズヒップがどかどかついていても花がどんどん咲いてくれるので、花とローズヒップが同時に楽しめる優れものです。
ハマナスは無農薬・花殻摘みなしでもOK!
ハマナスはアブラムシがびっしりつこうが、チュウレンジハバチに狙われようが、ものともしない丈夫さがあります。
ローズヒップをとって食用にしようとする場合、やはり無農薬で栽培したいので殺虫剤をまかないし、ローズヒップを育てるには終わった花を摘んでしまったらローズヒップにならないので、つまりは花殻摘みもしません。
花柄を摘まなくてもどんどん蕾が上がってくるので、花の濃いピンクや白、大きなローズヒップの鮮やかなオレンジ、小さめの葉っぱの黄緑色と、三色が入り乱れて観賞価値が高いのもポイントです。
アブラムシがどうしても気になるときは、水やりするとき、蕾の先を持った状態で強い水流のシャワーで洗い流しておくとかなり取り除けます。
ローズヒップを収穫して楽しむ
ローズヒップは「ビタミンCの爆弾」と言われるほどビタミンCを多く含んでいます。
「ローズヒップティー」というと「あの赤くてきれいなのに、すーっぱいお茶!」と思われるかもしれませんが、あの赤はブレンドしたハイビスカスのアカバナのもので、ローズヒップだけでお茶をとろうとすると、結構味もそっけもないお茶になります。
フレッシュなローズヒップは癖がなくておいしいすっきりした味わいのフルーツと言った感じです。
自分で無農薬で育てたローズヒップ以上に安全なものはないし、たくさん手に入るので、ジャムにしたり、ティーにしたり、そのまま食べたり、色々楽しめます。
ローズヒップを食べるときは、中央の種とその周りの毛が非常にやっかいで、4つに割ってスプーンで繰り出して実をとるといいますが、ハマナスの実は大きいので、ミカンの皮をむくように実をむきとると、種袋が丸ごと取れて簡単に実が取れます。
ハマナスのネックは鋭いとげ
ハマナスはたいていまっすぐのび、新しい枝は株元からまた新たに伸びてきますが、どれもこれもび~~~っしり、鋭いとげが茎についています。
葉っぱの裏にもとげがあるので、油断も隙もありません。
茎を握って半分に折ろうとして、革手からとげが突き抜けたことがあるくらいで、それさえなければ・・・と思いますが、基本何の世話もしないでもぐんぐん育つから、邪魔なところに生えてきた枝を切るときだけ、気を付けるようにしてください。
お庭で育てるハマナス【植え方】
同心円状に広がっていくのがハマナスの増え方なので、その周りが通れなくても問題がないような十分スペースがあるところに植えましょう。
私は通路の角に植えたので、子供から「危なくて通れやしない!」と苦情が出ましたが、防犯能力が高いので、侵入者が通りそうなところに植えておくと万全の対策になります。
植え付け方法は、
- 直径も深さも30cmくらいの穴を掘る。
- 中にバラ用の肥料を混ぜ込み、元の土か培養土を厚さ5cm分ほど埋め戻す。
- 穴の中に苗を置いて、中央が少し盛り上がるまで土をかぶせる。
- 周りがどろどろになるまで水やりする。
ハマナスにおすすめの肥料と土
ハマナスを育てる場合、肥料は蕾が少なくなってきたらバラ用の肥料を株元にまくようにします。
植え付け用の土はバラ用の培養土でも一般の草花用の培養土でも構いません。
土の違いがのその後の生育を大きく分けるといいますが、高い土を使ったかどうかよりも、しっかりと施肥しているかの方が問題ではないでしょうか。
多少ほったらかしで肥料不足でもハマナスは花をつけます。
元肥えとして、バラ用の肥料をおすすめしていますが、におい漏れがしても大丈夫という場所であれば、元肥えは鶏糞や牛糞堆肥がおすすめです。
年末に葉っぱを全部取り除き、細枝を切り落とし、株もとに穴をあけてその中に有機質の堆肥を埋めて土をかぶせ、あれば株もとにわらなどを敷いて休眠準備をします。
我が家のハマナス・ミステリー
かつて、ネット懸賞に当たって我が家にやってきたのがハマナスの赤と白の二株でした。
当時私は、何を考えていたのか、同じハマナスだし紅白咲き乱れるといいから、30cmほどあけて並べて植えればいいやと植えました。
源平梅と勘違いしていたんでしょう。
そんな環境でも(とげが嫌なので、植え替える気をおこせないまま)すくすく育ち、広がるスピードの速さと鋭いトゲから、「凶悪すぎる!」「切れ!」と苦情が出まくりました。
ある年、ハマナスが異常に弱り、テッポウムシが巣くったようで、中央の太めの株に穴が開いているのを見つけ、その後元気を回復したものの、白いハマナスがいなくなりました。
その後数年、赤いハマナスだけが咲き誇っていましたが、我が家の庭に「地蜘蛛」被害が及び、ハマナスも被害にあい、なかなか退治できなかったため、多めに殺虫剤をまいたところハマナス自体が枯れかかり、もうだめ?と思いました。
しかし、原種は強い!ハマナスは復活しました!なぜか白いハマナスのみが。
赤いハマナスは何処に行ったのでしょう、白いハマナスは何処に今まで数年潜んでいたのでしょう。
不思議なバラです。
そのうち、赤いのも帰ってくるのかもしれません。
気長に待ちます。