美しいバラの花の魅力に誰もが魅了されてしまいます。
「剣弁高芯咲き」「丸弁平咲き」「ロゼット咲き」など、きれいなバラの花の形を的確に表す言葉がありますが、その言葉の意味するところは、なんとなくわかりにくかったりします。
バラの花の形を、品種ごとのバラの花の画像とともに、ご紹介していきましょう。
2018年5月12日に、はままつフラワーパークで咲き誇っていたバラの花々から、分類を見ていきましょう。
バラの花の分類は、これ以外にもあり、フラワーパークのバラ全てでもありませんが、出来る限りご紹介しています。
花びらは「花弁」
「花びら」を「花弁」と書くと、なんだか堅い感じがするので、「花びら」と書き分けていますが、「花弁」は「はなびら」とも「かべん」とも読めます。
「剣弁」「丸弁」の「弁」は、「花弁」の「弁」のことなので、「丸弁」は縁が丸い花びらを意味しているように、花びらの形を表しています。
花の形の分類って、変な名前と思うことが多いのですが、意味がわかればわかりやすいと思えるし、購入するときなど、参考になりますね。
ハイブリットティーの第一号はラ・フランス
品種の説明の中で、「ハイブリットティー(HT)」がなんの説明もなく使われていますが、
ハイブリットティーが何かと説明するとき、わかりやすいのが、四季咲き大輪品種第一号であり、ハイブリットティー第一号の「ラ・フランス」です。
ハイブリットティーは、オールドローズに分類される(←つまりはラ・フランス以前の品種で、四季咲きではないバラたち)ハイブリットパーペチュアル系統のバラと、ティー系統のバラを複雑に交配していき、出来上がっていった品種なので、両方の系統の名前をミックスして、「ハイブリットティー(HT)」とされています。
厳密には学術的な分類ではありません。
ハイブリットティーは、切り花などにも向く、枝先に一つだけ大輪の花が咲く物が多く、直立性のある木立性で、四季咲きの品種のものをいいます。
モダンロースには、ハイブリットティーが非常に多いので、ハイブリットティーだと言われたら「四季咲きの木立性が強いバラだな」と考え、ツルバラのように広~~いスペースも必要なく、横にビロロ~~ンと広がるわけではない、普通のスペースで良いバラ、と認識してもらえればと思います。
剣弁高芯咲き
オーソドックスなこれぞバラ、という花形が「剣弁高芯咲き」ですが、「剣弁」は、花びらの縁が外側に反り返っていて、花びらの縁の一部が尖ったようになっている物を言い、「高芯咲き」は、花を横から見たときに中央部分が盛り上がって高くなっているものを言います。
青龍
1992年 日本のアマチュア育苗家 小林森治氏作出
小林森治氏によるブルーローズの代表品種。
サントリーのブルーローズのように、パンジーなどの遺伝子を組み入れたのではなく、バラの交配のみで作られています。
2002年の国際バラとガーデニングショウで青龍を見た「グレーパール」の作出者サミュエル・マクレディ氏が「世界で最も青いバラ」と称賛したと言われています。
非常にデリケートで病気がちで、強健種と真逆の性質を持つため、「魔性のバラ」と呼ばれています。
四季咲き、花径8cm【中輪】剣弁高芯咲き、花びらは25枚
樹高0.8~1.0m 大きくなっても細くデリケートな茎のままで、広がって成長しません。
ハイブリットティー(H)で直立性(木立性)があります。
香り:微香
花色 : 淡紫青色
香澄
1998年日本・京成バラ園芸作出
剣弁高芯咲きは、The Rose という感じのオーソドックスな咲き方ですが、咲き進むと印象がかなり変わります。
「ケイハコラン」の別名があります。
四季咲き、花径12cm【大輪】剣弁高芯咲き 花びらの数は32~40枚
樹高1.3m ですが、直立性が強いので、幅は広くなりません。
ハイブリットティーHT
香り:強香
花色 : コーラルサーモンピンク
半剣弁平咲き
花びらの縁が反り返っていて尖った部分があるものを「剣弁」、花びらの縁の部分の反り返りがない上に、尖った部分もなく丸いものを「丸弁」といいます。
「半剣弁」は、そのどちらでもない、中間のような花びらのものを言います。
「平咲き」なので、横から見たとき中心部分が盛り上がっていない平らなものになります。
「高芯咲き」のものでも、咲き進むと平咲きっぽくなる場合もあるので、どっちよ?と思うこともありますが、きれいな状態で平たいものが平咲き、きれいな状態で中心部分が盛り上がって厚みのあるのが「高芯咲き」と考えましょう。
ザ・マッカートニー・ローズ
1991年 フランス・メイアン社 作出
元ビートルズのポールマッカートニー氏に捧げられたバラで、多数の国際コンクールで最高賞を獲得しています。
四季咲き、花径12cm【大輪】半剣弁平咲き
花びらの数は20枚
樹高1.5m
ハイブリットティー(HT)ですが、半横張り性があり、シュラブローズ(S)でもあります。
香り : 強香 (ダマスク香にティーの香り)
花色 : 鮮やかなローズピンク色