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コノフィツムとは「リトープス」と同じように、「生きた宝石」と呼ばれることもありますが、「太陽の子」ともいわれるおひさまの好きな、脱皮をする多肉植物です。
とげがない多肉植物なので、「メセン(女仙)」と呼ばれています。
南アフリカやナミビア南部の、過酷な乾燥地帯に自生しています。
コノフィツムは見た目のバリエーションが豊富で、リトープスそっくりのまん丸コロコロした玉型のものもあり、区別がつきにくくなっています。
コノフィツムは大体が緑色のものが多く、リトープスは茶色や灰色なので、どちらかわからないときは、緑っぽければコノフィツムと考えます。
コノフィツムは品種が多い
コノフィツムは原種だけでも170種が知られていて、園芸品種は400種をこえ、まだまだ新種や変種が発見され続けています。
見た目の形状から、そのものの形をしているので、「丸型」「独楽型」「足袋型」「円錐型」「ハート型」「卵型」「円筒型」などに区別されていますが、それは性質で分類しているのではなく、あくまで見た目の形だけで分類されています。
一番上に透き通った部分の「窓」があるもの、産毛が生えているもの、模様があるもの、と言った見た目に特別な特徴があったり、花に香りがあるものとないものもあれば、花が昼に咲くものと夜に咲くものなどの性質上のバリエーションもあります。
コノフィツムは冬型種で脱皮する
コノフィツムは冬型種に分類される多肉植物ですが、厳冬期でも元気いっぱいな寒さに強い品種ではありません。
コノフィツムの生育期は3~5月と10~12月で、生育温度は8~25℃前後、-2℃くらいになると枯れてしまいます。
つまりは春と秋が生育期で、その前後の春というには寒い時期や、秋というには寒い時期も生育期に含まれ、厳冬期は休眠しないものの、少し元気がなくなります。
コノフィツムは、日差しが好きでも真夏の直射日光は嫌いです。
明るい室内でも通年栽培することが可能ですが、より明るい場所で育てた方が、色鮮やかに育ちます。
寒冷地でも冬以外は、可能であれば屋外栽培した方が、良い状態を保ちやすくなります。
梅雨の高温多湿が嫌いで、真夏は休眠してしまうので、この期間の水やりは極力減らします。
休眠期には表面の皮が枯れたようになり、休眠期が終わると皮を脱ぎ捨てるように中からきれいな新しい姿が出てきます。
コノフィツムの水やりと花芽
コノフィツムが元気がなくなる最大の原因は水のやりすぎによるものです。
コノフィツムの水やりは、生育期であれば、表面の土がしっかり乾いてきたら鉢底から水が流れ出るまで水やりし、しっかり水切りして次に表面の土がしっかり乾いてくるまで水やりしません。
生育期でも、週1回程度の水やりで十分ですが、表面の土が乾いていないときは次の週まで水やりしないなど、メリハリの利いた水管理が必要です。
コノフィツムは休眠期の夏に子株を作り、休眠期に水やりを控えることで花芽を作ります。
休眠期なので全く水やりしない場合、株が小さいときは水を貯える力が弱いので、枯れてしまうこともあるので、休眠期には禁水するより、月1~2回程度水やりするようにします。
水のやり方は生育期と同じように、たっぷりやってしばらくやらないといった形をとり、あげない期間を長くとります。
コノフィツムの植え替え
コノフィツムの植え替えは2~3年ごとに9~11月に行うのがおすすめです。
鉢一杯にコノフィツムの株が広がって、水やりもしにくくなったら植え替えのサインが出ています。
コノフィツムの根は細根なので、休眠期に大部分が枯れているので、枯れた根を取り除き、無理せずにポロっととれる皮だけを取り除いて新しい鉢に植え替えます。
コノフィツムは根を深く張らないので、鉢に深さは必要ありません。
深植えすると根腐れしやすくなるので、グラグラしない程度で浅く植えるようにします。
コノフィツムの株分け
コノフィツムの株分けをするときは、なるべく手でやさしく切り分けるようにします。
分けにくいときはカッターで軽く切れ目を入れてから手で分けましょう。
株分けした後は切り口を日陰で2~3日乾かしてから植えつけるようにします。
コノフィツムは乾いた土では根が出てこないので、植え付け後すぐに水やりします。
植え付け用土と肥料
コノフィツムは水持ちと水はけのよい土が栽培に適しています。
粒状のサボテン用の土をそのまま使うほかに、赤玉土や芝目土の小粒、川砂や桐生砂を等量混ぜたものに、バーミキュライトやパーライト、くん炭などをブレンドした土もお勧めです。
コノフィツムは肥料をあまり必要としません。
植え替えるときに緩効性化成肥料を少量加えればその年は追肥は必要なく、植え替えなかった年は液体肥料を生育期に月1回程度与えるようにしましょう。
コノフィツムの大きく鮮やかな花
コノフィツムの開花時期は品種によって異なり、10~3月ごろに開花します。
夏の休眠期が終わり、脱皮も終えて、徐々に大きくなってくると、花芽がついて開花に至ります。
開花まで時間のかかる品種もありますが、一番早い品種で脱皮後すぐに開花を始めることもあります。
一つの個体に一つの花を咲かせますが、一つの花は2週間程度咲いています。
昼咲きは夜花が閉じ、夜咲きは昼花が閉じていて、夜咲きの方がより花びらが細い繊細な花を咲かせます。