【実践】庭植えのバラを抜いて別所に植えたり鉢植えにする!

庭植えにして数年育てたバラを抜いて、別の場所に植え替えたり、鉢植えに仕立て直したりするのは、1~2月の厳冬期が適期とされています。

冬はバラが活動を休止する休眠期なので、根をいじったり、根の周りの土を大部分落としたりしてもダメージを受けにくいためです。

何年も庭植えで育てたバラは、根を縦横に広げています。

掘り起こして植え替えるときに、根に全くダメージを与えないのは難しくなってしまいます。

新株と違って、古株は、新しい環境に適応しにくくなっています。

植え替えそのものがダメージなので、万全の注意を払って行いますが、それでも絶対に枯れないと言う保証はありません。

植え替える必要性がないのであれば、できるだけやらないことをおすすめします。

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【事前に!】強剪定&葉っぱとりして休眠させる

四季咲きのバラは、雪が上にドカンと降り積もっても、休眠させていなければ完全に休眠しないまま、花を咲かせ続けてしまいます。

花を咲かせることは多大なエネルギーの消費になるので、春まで株に養分を貯め込むために、冬はバラをしっかり休眠させます。

バラを確実に休眠させるには、樹高を1/2~1/3まで切り詰める「強剪定」を行い、ついている葉っぱをすべて取り除く「葉っぱとり」をする必要があります。

庭植えのバラになるべくダメージを与えず、掘り上げて植え替えるには、事前にしっかり休眠していることが重要です。

通年、私はクリスマス前後に、バラの強剪定&葉っぱとりを行っていましたが、正月頃に植え替えを行うために、2018年は少し早めて11月20日頃に行っておきました。

バラの根をいじるのは1~2月限定に

バラの植え替えは、1~2月の厳冬期が適期ですが、土を全く落とさないで、根を損なわないのであれば、それ以外の季節でも植え替えることは可能です。

冬以外では、ガッツリ大きく掘り起こし、土を落とさず根も切らずまるごと植え替えます。

いわゆる強健種などの育てやすい品種であれば、3年以上育てたバラの場合、簡単に掘り起こせるサイズ以上に根が伸びています。

根にダメージを与えずに植え替えるのは難しいので、土をほとんど落とさない場合でも、植え替えは1~2月に行うのがおすすめです。

しっかり休眠しているバラは、1~2月の厳冬期なら、古い土を全部落としたり、伸びすぎた根を切り詰めたりして、植え替えることも可能になります。

できるだけ根は切らないほうがいいものの

バラの「吸水根」とも呼ばれる主根は、非常に地中深くまで、太く長く伸びています。

1本だけのことも多いのですが、複数本伸びていることもあります。

いわゆる強健種などは、ごぼうか?と言いたくなるほどしっかり太く長く伸びています。

この太く長い根を切らずに植え替えるのが非常に難しいのですが、なるべく切らないで残したほうが、植え替え後のダメージを少なく抑えることができます。

とはいえ、たいてい、ある程度のところで切れてしまいます。

切れたとしても、即枯れると決まったわけではありません。

ホワイトクリスマスを庭植えにして3年ほどたったとき、冬に掘り上げ、場所を変えて植え直したことがあります。

根をなるべく切らないように気をつけましたが、何本かは切れました。

翌年、秋近くまで前年より樹勢が弱く、デリケートな状態になっていましたが、それ以降は元気に育っていました。

実践!庭植えのバラを抜く作業

2019年1月2日、お正月気分のまま、子供も巻き込んで庭植えのバラを抜いて、植え場所を移したり、鉢植えに仕立て直す「鉢上げ」を行いました。

朝、雪が10cmほど積もっており、道路の雪かきを行いましたが、2018年11月20頃に強剪定&葉っぱとりをした後、マルティングを厚く敷き詰め、敷き藁もつけていたので、土は凍っていませんでした。

庭植えのバラを抜く作業手順

  1. 敷わらを外す。(←やっていた場合限定ですね)
  2. 株まわり30~50cmのところ3~4箇所にショベルを深く差し込む
  3. 差し込んだショベルで株を軽く浮かせてみて、動かないところを更に深掘りする
  4. 株が持ち上がる様になったら一気に掘り上げる

古株や横に広がりやすい株の場合は、株からなるべく離したところにショベルを差し込みましょう。

1~2月であれば、根を整理することも可能なので、土を落としたり、いたんだ根や細根を整理できますが、不安なときはいじらないようにしましょう。

この後鉢植えにする場合は、鉢に入らないような長すぎる根は、切り詰めます。

根を切ることはダメージになるので、ギリギリのところを選択します。

今回、体重約0.1tの次男がフル荷重をかけて、ようやく掘り起こせました。

ウエイトの軽い方には重労働になります。

ホワイトクリスマス

ホワイトクリスマスは、1953年アメリカ・ハワード&スミス作出のハイブリットティー(HT)ローズです。

樹高1.5m程度の半直立性に育つと言われていますが、2mを余裕で越え、ほぼほぼまっすぐ広がらずに育ちました。

うどんこ病に弱いとされていますが、カイガラムシの被害が多いものの、10年以上育てていますが、うどんこ病にはかかりませんでした。

12~15cmの香りの高い大輪の花を咲かせますが、一輪開花するのに非常に時間がかかるのに、雨が当たるとすぐにポシャります。

ホワイトクリスマスは一度植え替えしているので、生育10年をすぎていますが、植え付け直して5年ほど。

地中深くに根を伸ばしますが、横方向にはあまり広げません。

株周り30cmくらいに数箇所ショベルを差し込みました。

大体全周ショベルが入ったところで株を持ち上げてみて、柱に近いところに長い根があったので数回深くまでショベルを入れ直して、もう一度掘り上げました。

太い根が何本も伸びていましたが、切れてしまったのは1本ですみました。

青龍

アマチュア育種家・小林森治氏2002年作出の「青龍」はブルーローズの代名詞ですが、「魔性のバラ」とも呼ばれるように、非常にデリケートで育てにくい品種です。

一生庭植えで育てたいものの、放置するのは忍びないので、鉢上げすることにしました。

5年以上育てていますが、株が広がっていることはまず考えられないので、ショベルを差し込む位置はそう離す必要はありませんが、「くれぐれも丁寧に扱え!」と次男に言明して作業に当たらせました。

伸びた太い立派な根が、最大限切らずに掘り起こせました。

太めの根も何本かあり、細根も広がっています。

5年めの株にしては根の伸びは少ないですが、青龍にしてはよく育っています。

反対側も、いい感じです。

鉢上げしますが、根は整理せず、そのまま植え付けます。

エマグロ-テンドロスト

エマグローテンドロストはオランダ作出のフロリバンダローズ(FL)です。

グローテンドロスト(グルーテンドルスト)社作出のバラです。

現在ほとんど流通していないようで、細かなデータがありません。

濃い紫がかったピンク色の花を房咲きにします。

四季咲き性と多花性が強く、真夏に葉っぱが全然ない状態になっても、とても良く咲いてくれます。

樹高は60~70cmくらいまでしか伸びませんが、10年以上育てていたので横に広がっています。

大きく育たない品種なので、株にほど近いところからショベルを入れました。

グルッと回りにショベルを入れた後、再び深く差し込んで、ぐっと持ち上げました。

ほとんど抜けていますが、数本長く伸びた根がうまく抜けきれません。

最終的に根も整理する必要があるので、長すぎる根は切り落としました。

ショベルを入れた位置が近すぎたようで、ふと根がかなり切れていますが、丈夫な品種なので持ちこたえるかと思います。

予想に反して、根は広がっていました。

それほど深く伸びていない点だけが当たりでした。

芳純

香りのバラとして高く評価されて来た「芳純」はMr.ローズこと京成バラ園芸所長だった鈴木省三氏が1981年に資生堂と共同開発した香りのバラ。

本当にいい香りがします。

10年ほど、数年おきに大きな鉢に植え替えてきて、最終的に直径70cmほどの鉢で育てていました。

2018年4月に、ちょくちょく水やりに戻れないことから、庭に植え替えたので、それほど根は広がっていないと考えられました。

掘る前と掘るところの画像を取り忘れました。

↑上の画像は、冬支度の途中で、テッポウムシの被害箇所を切り取った後の株の様子です。

掘り上げた芳純は、もともと鉢植えだったこともあって、根は広がっていませんでしたが、根は深く伸びていました。

丸まっている感じに見えますが、実際はこの下にぐるぐる巻きに、長い細い根が渦をまいていました。

地上部分もずいぶんと刈り込んだことも合って、ぐるぐる巻きの部分は切り落としました。

地際にも、細根がぎっしりついていましたが、今回かなり落としました。

株をリフレッシュさせる目的で行いました。

アイスバーグ

バラ愛好家が必ず一本は育てていると言われているアイスバーグは、1958年ドイツ・コルデス社作出のフロリバンダローズ(FL)です。

つるアイスバーグでなくてもホワンホワンにトゲの少ない長いシュートを伸ばします。

アイスバーグは樹高も幅も1.5mくらいまで伸びますが、今回抜いたアイスバーグは植え付け1年めの小さなものなので、さっくり抜いてさっくり移動させることが可能です。

周りにざくざくショベルを入れていきます。

小さい株だし、植えて1年なので作業は比較的ラクです。

全体に根が伸びているので、全周にショベルを入れます。

ショベルを深く差し込んでぐっと持ち上げます。

根はまだまだ細い状態ですが、かなり伸びていました。

ジャストジョーイ

ジャストジョーイは、1972年イギリス・カンツ作出のハイブリットティーローズ(HT)です。

直径15cmの大輪のフリルのある花びらのアプリコット色の花を咲かせる、強香のバラと言われていますが、栽培1年の今、オレンジがかった小さな黄色い花を咲かせました。

樹高も幅も1mくらいまでしか伸びないので、鉢植えにもぴったりに伸びるようです。

まだまだ小さい株ですが、1年めにしてはしっかり育っています。

サクサク抜ける一年目の株なので、次男はめんどくさがって敷き藁を外しませんでした。

根は広がっていませんが、想像以上に長く伸びていました。

チャイコフスキー

我が家のチャイコフスキーがちゃんと咲いているところに居合わせたことがまだないので、↑上の画像はフリー画像です。

チャイコフスキーは2000年フランス・メイアン社作出のハイブリットティーローズ(HT)です。

半剣弁ロゼット咲きになる大輪の花を咲かせますが、樹高は1.5mくらいまで伸びてしまいます。

手をかけなくてもよく育つようですが、まだ育てて1年の小さい株なので、問題なく抜くことができます。

抜く前と抜いている間の画像を取り忘れました。

さっくり簡単にぬけています。

育ってない?というくらいコンパクトな状態です。

細根ばかりで、広がりもそれほどではありません。

鉢でも十分行けるかと思います。

抜いたバラを庭に植え付ける

抜いたバラを庭に植え付けるのは、バラを庭植えにする作業と全く同じです。

結構大きな穴が開けてあるように見えますが、上↑の画像は苗を掘り起こした後の穴で、これを更にもう少し掘り下げます。

もともとバラを植えていたところに植える場合は特に、土を多めに取り除いて、培養土に入れ替えるのがおすすめです。

  1. 大きめの穴を開ける(30cm以上の大穴が基本)
  2. 有機堆肥・もみ殻くん炭をたっぷり入れ込んで底土と混ぜ合わせる
  3. 培養土を5cm位かぶせる
  4. 苗を良い位置にセッティングし、根の中に土が入るようにしながら、徐々に土を入れる
  5. しっかり土を入れたら、水をたっぷり与える
  6. マルティングを厚く敷いて、その上に敷きワラをする

今年、もみ殻くん炭をたっぷり分けていただいたので、培養土にもみ殻くん炭を3割程度ブレンドした培養土を使いました。

培養土は、普通の草花用を用いています。

もみ殻くん炭がなければなしでいいかと思います。

わたしも普段は入れていません。

有機堆肥は、馬糞堆肥を用いました。

馬糞堆肥は高価ですが効果が高いので用いました。家にあったし。

これ以外では、鶏糞堆肥をいつも愛用していました。コスパ最高です。

マルチング(マルティング)には例年、サンデーマルチを愛用していますが、今年はもみ殻くん炭をたくさん頂いたので、今回もみ殻くん炭を厚く敷き詰めました。

ホワイトクリスマス

ホワイトクリスマスを、アイスバーグの後に植え付けました。

2019年6月15日のホワイトクリスマスです。

一番花は終わっていましたが、例年通りの育ち具合です。

芳純

芳純はホワイトクリスマスの左隣、ヒペリカムを抜いた後に植え付けました。

2019年6月15日の芳純です。

一番花が終わっていましたが、蕾が大きくなっていて、楽しみな状態になっています。

ぐるぐる巻きになっている底の根を切っていますが、無事に根付いたようです。

エマーグローデンドロスト

エマグローテンドロストは、ヘデラを抜いた後に植え付けました。

エコキュートの吹出口の真ん前なので、念のために支柱をたくさんつけておきました。

春になる前に、芳純とホワイトクリスマスにも念の為支柱をつける予定です。(←結局付けませんでした)

雪が降っているから、周りの土も固まるだろうし、問題ないだろうと他のはつけてこなかったのですが、つけときゃよかったと後悔しているので、戻ったらつけようと思っているわけです。

2019年6月15日のエマーグローデンドロストです。

エコキュートの風にもめげず、しっかり育っています。

一番花が終わっていましたが、元気に育っているので、二番花が楽しみです。

抜いたバラを鉢に植え付ける

上↑の画像は、庭植えにしたバラを抜いたもので、鉢植えにするものを並べています。

左から、アイスバーグ、青龍、ジャストジョーイ、チャイコフスキーです。

青龍は特に、庭植えで育てて5年め位とは思えないほど脆弱ですね。

鉢底石を鉢底の一段低いところに入れてネットを被せておく

全体に入れても良いのですが、鉢が10号で小さめなので、深さを活かしたいので一段低いところだけに入れました。

赤玉土を5cm位入れる

面倒ならなしでもいいのですが、水はけが良くなるように、5cmほど赤玉土小粒を入れました。

培養土を10cm位入れる

今回培養土に、たくさん分けてもらったもみ殻くん炭を1:1でブレンドしたものを用いました。

ようするに、マゼマゼするだけですね。

肥料をひとつかみ入れて混ぜ合わせる

肥料を土の上にたっぷり入れたら、軽くかき混ぜます。

鉢植えなので、有機堆肥ではなく、バラ用のペレット状の肥料を与えています。

混ぜたらこんなかんじですね。

だいたい混ざればいいです。

更に上に土を入れ、水をたっぷり与える

根に肥料が当たると傷んでくることもあるので、根に触れないようにするために、肥料をブレンドした土の上に、培養土を入れていきます。

はじめと同じく、培養土にもみ殻くん炭を混ぜた土を入れていきますが、苗の大きさに合わせてどんどん入れていきます。

苗を置いてちょうどいい位置に来るようになったら、苗を片手に持ちながら土を根の中にしっかり入るように入れていきます。

ウオータースオペースは必ず残しておきましょう。

3cmくらい残っているとベストですが、少なくても水がやりにくいだけです。

接ぎ木部分を土に埋めても埋めなくても、その後の生育にはあまり変化がないので、接ぎ木部分を埋める埋めないはお好みで。

水は、土にしっかり根付くように与えますが、冬なので、なるべく暖かい時間帯にあげるようにしてください。

土の上にマルチング(マルティング)を厚めに敷いておく

鉢植えにした株は、植え替え後、浜松に鉢ごと運びました。

右から、ジャストジョーイ、青龍、アイスバーグ、チャイコフスキーの順に並べてあります。

この順にしたのは、広がるタイプを離すためです。

元気に育ってくれることを祈っています。

その後の鉢植えに植え替えたバラ

チャイコフスキーが、2019年4月20日に、一番乗りで開花しました。

次いで、ジャストジョーイが開花しました。

アイスバーグはさらに翌日の2019年4月22日に開花しました。

青龍は少し遅れて、2019年5月6日に開花しました。

ちなみに、チャイコフスキーが開花したころ、近所のモッコウバラは満開になっていませんでした。

寒冷地長野から、暖地浜松に運んだことで、「ちょっと~もう春よ!咲かなきゃ!!」と思ったのでしょうか。

浜松先住組に先駆けて、一目散で開花しました。

鉢上げがうまくいったようで、一安心です。

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