バラの咲き方・花形ガイド3 | カップ咲き(丸弁・波状弁・ディープ・オープン)

2018年5月12日に、はままつフラワーパークで咲き誇っていたバラの花々から、分類を見ていく「バラの咲き方・花形ガイド」その3です。

今回は、「カップ咲き」を取り上げました。

カップ咲きは、花弁全体がゆるくまあるくカーブしていて、横から見るとカップのような形になっている咲き方です。

2018年6月に自宅で咲いたものや信州なかの一本木公園で割いていたものなども加筆しています。

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丸弁カップ咲き

花びらの縁が反り返っていないもので、とんがった部分もないのが「丸弁」です。

カップ咲きは、花びら全体が丸くカーブしていて、横から見るとカップのような形になっているので、全体として、コロンコロンとした可愛らしい花形になります。

セプタード・アイル

1996年イギリス・デビッド・オースチン作出

シェークスピア「リチャード2世」のセリフ「この歴代の王座、この王権に統治される島…銀色の海に浮かぶ宝石」に由来して名付けられています。

「セプタード・アイル」は「王が治める島」を意味しています。

四季咲き性の強い返り咲き、花径8~10cm【中大輪】カップ咲き

樹高1.5m ✕ 幅1.5m なので、鉢植えでも育てやすい品種

こんもりと茂るシュラブローズ(S)なので、横張り性が強い。

香り:ミルラ香 (中~強香) 優れた香りのバラに贈られる王立バラ協会「ヘンリー・エドランド賞」受賞

花色 : 桃色

2018年6月15日に長野県中野市 一本木公園にて、よりカップ咲きらしい咲き方のものを見つけたので、撮影しました。

しのぶれど

2006年 日本 京成バラ園芸 作出

百人一首の平兼盛の和歌「しのぶれど 色に出りけり わが恋は 」が名前の由来。

花が上向きに咲きます。

1997年フランス・メイアン社作出

1997年ジュネーブ国際コンクール金賞受賞

四季咲き、とも繰り返し咲きともいわれています。秋になると花数が少なくなることが考えられます。

花径8cm【中輪】ロゼット咲き。花びら40枚

樹高1.6~1.8m

ハイブリットティー(HT)で、半ツル性(シュラブローズ)のため、ショートクライマー(小さめのツルバラ)としても仕立てられます。

香り: 中香

花色 :黄色

波状弁カップ咲き

花びらにウエーブが入っていたり、ギザギザが入っていたりして、波打っている感じなので、「波状弁(はじょうべん)」といいます。

ここでは紹介していない咲き方ですが、「ロゼット咲き」や「抱え咲き」と、どう区別すればいいのか、正直言って、よくわかりません。

生産者の方がおっしゃる分類が正しい分類と考えるしかないように思います。

ゲーテ・ローズ

2011年 ドイツ・ タンタウ 作出

四季咲き 花径12~15cm【大輪】波状弁カップ咲き。ロゼット咲きともいわれます。

花びら45~65枚

樹高1.5m

ハイブリットティー(HT)ですが、半横張り性があり、シュラブローズ(S)にも分類されます。

香り: 強香(ダマスク~フルーティーな香り)

花色 :紫がかったディープピンク

あおい

2008年 日本 Rose Farm Keiji 國枝啓司氏 作出 (R&Gローズ(京阪園芸))

切り花としては「葵」の漢字名で流通し、スプレーバラとして販売されています。

四季咲き 花径5cm【中輪】波状弁カップ咲き。

樹高 0.6~0.8m

房咲きになるフロリバンダローズです。半直立性のため、コンパクトに育ちます。

木立性(シュラブ樹形)に育ちます。

香り: 微香(ティーの香り)

花色 :春バラはモーヴピンク、秋バラはココア色にマゼンダ・淡いラベンダー色が絡み合う。

エウリディーチェ

2016年 日本 バラの家 木村卓功氏 作出

日本の気候風土に合った育てやすいバラ「ロサ・オリエンティス(Rosa Orientis)」シリーズの一つ。

ギリシャ神話の竪琴の名人オルフェオの愛妻の名前がついたバラです。

四季咲き 花径5cm【中輪】波状弁咲き。咲き始めは丸弁のオーソドックスな花形になります。

樹高 1.2m ✕ 幅 0.9m

木立性(シュラブ樹形)に育ちます。非常に真っ直ぐ育つので、切り花にもおすすめですが、生育はそれほど旺盛ではなく、ハダニなどが付きやすい性質があります。

香り: 強香(ダマスク系の透明感のある香り)

花色 :パウダーピンク

(自宅で咲いたものを2018年6月25日に撮影しました。)

ディープカップ咲き

花びらが全体にゆるやかに丸くカーブしていますが、とても厚みのある大きな花になります。

横から見るとカップ状には違いないのですが、花びらの立ち上がりが高いため「深さのあるカップ」ということで、「ディープカップ咲き」といいます。

ザ・シェパーデス

2005年イギリス・デビッド・オースチン作出

Austwistの別名があります。

四季咲き、花径8~10cm【中輪】ディープカップ咲き 花びらの数は45枚

樹高1.0m ✕ 幅0.8m ですが、暖地で育てると1.5m以上に伸びることも。

直立性の強いシュラブローズ(S)

香り:レモンの香りを含んだフルーティーな香り (強香)

花色 : 優しいアプリコットピンク(リッチアプリコットピンクとも)

 シャンテ・ロゼ・ミサト

2004年フランス・デルバール社作出

歌手の渡辺美里さんに捧げられたバラで、「シャンテ・ロゼ・ミサト」は「バラ色の歌ミサト」を意味しています。

スヴニール ・ダムールシリーズのひとつ。

四季咲き、花径8~10cm【大輪】ディープカップ咲き

樹高1.5m ✕ 幅1.0m

シュラブローズ(s)ですが、直立性のスッキリとした樹形になり、少し横に広がる感じに育つのでショートクライマー(小さめのツルバラですね)としても楽しめます。

香り:アニスの香りを含んだスパイシーな香り(強香)

花色 : 真っ赤な蕾からライラックピンクに変わり、優しいピンクへ

 オープンカップ咲き

花びら全体が丸くなっているものの、非常に浅いカップ状のものを、オープンカップ咲きといいます。

丸弁平咲きとどう違うのか??というと、その境界は非常に曖昧に思えます。

スヴニール・ドゥ・ルイ・アマード

1999年フランス・デルバール社作出

シャンソンの名曲「バラはあこがれ」の作詞家ルイ・アマードに捧げられたバラ

「スヴニール ドゥ ルイ アマード」は「ルイ・アマードの思い出」の意味

四季咲き、花径8~10cm【中大輪】波打つ花びらのオープンカップ咲き

樹高1.0m ✕ 幅1.0m なので、鉢植えでも育てやすい品種

ハイブリットティーHT(木立性のバラ)ですが、少し横に広がる感じに育つので、半平張り性があっり、枝分かれが多いので「スプレー・ブッシュ」とされます。

香り:ミルラ香 (強香) 「アニス・エストラゴンの個性的な香り」

花色 : モーヴピンク(淡桃色)

アミ・ロマンティカ

2010年フランス・メイアン社作出

アミ・ロマンティカは、フランス語で女友達の意味。

四季咲き、花径7~8cm【中輪】オープンカップ咲きに分類しましたが、浅いカップ咲きと書かれていることも。

花びらの数が90~100枚ととても豪華です。

最終的な樹高は2m ですが、はじめの3~4年の成長はゆっくりめです。

ツルバラ・クライミングローズ(CL)ですが、株元から枝先までよく花が付きます。

香り:微香(ティーの香り)

花色 : 外側が白いピンク色

咲き始めは、花びらにギザギザの入ったコロンとした感じですが、咲き進むと花びらがぎっしりの豪華な花になります。

2018年6月25日ごろ自宅で咲いたものを撮影