鉢植えのバラ・ミニバラの冬の強剪定【実践編】

2018年11月3日公開の記事の中で、鉢植えのバラとミニバラの強剪定で、どのあたりで切るのかをまとめてありますが、今回は、実践編です。

実際に強剪定してスッキリさせ、寒肥を施肥してマルチング(マルティング)を施す作業もようやく終了したので、まとめてどんなふうにしたのかをご紹介しましょう。

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バラの強剪定をやるワケ【ざっくりおさらい】

どうして強剪定するのか、説明なしで実践編にしてしまうと、ここで始めてブログを訪れた方

は???になってしまいますね。

バラを思いっきりバッサリと切り落としてしまう作業「強剪定」は、冬が本格化する直前に行います。

もちろん、大寒までやらないというのも一つの方法。

全然やらないまま次の春を迎えてもバラは枯れません。

来春までに体力をつけさせる

バラは冬に休眠します。

強剪定しないでいると、しっかり休眠しません。

これは暖地限定ではありません。

寒冷地でもしっかり休眠しません。

雪が降り積もっても、健気に花を咲かせ続けて、十分に休眠しません。

バラをしっかり休ませて、株に力を蓄えさせるために強剪定します。

来春に見事に咲き誇ってほしいから、休眠させるために強剪定します。

今年の病害虫を来年に持ち越さない

強剪定するとき、ついている葉っぱも全て取り除きます。

これは、今年の病害虫を来年に持ち越さないために行います。

葉っぱがついたままでは、そのままほとんどの病気を持ち越してしまいます。

株をリフレッシュさせるためにも、葉っぱ取りも必須作業です。

3年以上育てた太い古枝は株元から切り落とす

直径3cm以上あるような太い古枝は、株元から切り落として株をリフレッシュさせます。

途中からシュートがたくさん出ていたら、シュートを残してその上で切り落とします。

太い古枝は、新芽がつかなくなり、花数も減ってしまいます。

太い古枝を切り落とすことで、株全体をリフレッシュできます。

もったいなくて切れない!そんなときは切らなくても構いません。

太い枝に花が全然咲かなかった、そうなってからでも切るのは遅くはないからです。

無駄に背が高くなるから切り詰める

強剪定では、通常、樹高の1/2~1/3を残して切り落としてしまいます。

えーもったいない!

つるバラを育てているときなどは特にそう思うものですね。

切りたくないときは甘い剪定でも構いません。

まだ小さい苗などは、先端を切り落として葉っぱ取りするだけでも構いません。

ある程度育ってきたら、少なくとも1/3くらいは切り落とすのがおすすめです。

切り方が甘いと、背が高くなりすぎて、花の位置が妙に高い木になってしまいますが、強剪定が甘くても、それだけが原因で枯れることはありません。

年末年始の忙しいときのその前に

年末年始、忙しくて十分に世話がしきれないときがあります。

そんなとき、バラが休眠していると、水をほとんど吸わないので、水やりは1~2週間おきくらいになるため、手間がかかりません。

後回しにしていて、ついうっかり枯らしてしまうことがないように、忙しくなる前に済ませておくと管理もしやすくなります。

お正月あけに時間がたっぷりある方は、ここでやってもいいですね。

遅くとも、大寒の前には、やってしまいましょう。

アンブリッジローズの強剪定

まだ咲きそうな蕾がついているし、蕾が10こはあるのですが、きりがないのでここで強剪定しました。

花は、切り花として室内で楽しみます。

強剪定前の様子です。

樹高が1~1.2mくらいに育っています。

アンブリッジロースはそれほど背が高くならない品種なので、最大長に近い長さに育っています。

育てて1年のまだ若い株なので、とりあえず今回は1/2くらいの樹高に切りそろえました。

細い枝は、たいてい春には枯れているので、切り落としてしまいましたが、残しておいて、枯れてから切っても構いません。

色んな方向から見て、絡みあった枝がないように剪定しましょう。

スッキリしたなと思う感じに仕上がったら、それでOKです。

エウリディーチェの強剪定

エウリディーチェは、剪定する前からヒョロヒョロと背が高く、葉っぱがほとんどなくなっています。

下の方にも新芽が少ないというわけではないので、株全体ががっしりしてくるように、1/3~1/2くらいまでしっかりと切り戻すことにしました。

支え棒のほうが太いんじゃないか??と言いたくなるような感じですが、段々と元気に太くなっていくんじゃないかと思います。

ミニバラ・インフィニティの強剪定

インフィニティはもともと挿し木苗でしたが、株元もしっかり太くなっているので、花もでっかいし、ミニバラだと言っても説得力がない感じに育ちました。

白とピンクを購入しましたが、白のほうが株がスッキリガッツリ大きく育ちます。

8号鉢で育てているので、このままで十分でしょう。

草は抜きますが、増し土・土の入れ替えも今回は必要ないかな。

上の画像の木質化した古い枝は、シュートを残して切り落としました。

下の画像で、切り口が白く見えている中央の枝がそれです。

ミニバラ・インフィニティの強剪定その2

白のインフィニティと違って、ピンクのインフィニティは全体に株元が長く伸びて、そこから放射状にシュートが広がっています。

株が脆弱な方のピンクなのですが、土がすごく少なくなっています。

全体を1/2くらいに切り詰める強剪定をしました。

あんまり土が少ないし、根っこが見えている感じが気に入らないので、主幹の部分まで土をっ加えました。

鉢のふち周りにペレット状の有機質の肥料をグルッとまいたあと、幹が少し埋まるまで土を足し、更にその上にサンデーマルチを掛けました。

多分この鉢だと思うのですが、みんな一緒に見えて、自信がありません。

ミニバラ・グリーンアイスの強剪定

グリーンアイスは、2017年国際バラとガーデニングショウの会場の前で売られていたものを、株分けして育てたものの、そのうちの一株です。

まだまだ花盛りなので、剪定するのに忍びませんね。

濃いピンクの蕾は切り花でも咲くので、このあたりを切り花でとっておき、葉っぱをできるだけ整理していき、茎が見えてきたら切り詰めていくやり方で進めます。

グリーンアイスは、茎が太りにくいので、邪魔でない限り、多少細い枝も残します。

どれが残るか、決めかねる時はとりあえず残しておき、枯れたら切り落とすようにします。

グリーンアイスは刺が鋭利なので、革手なしで作業すると手が傷だらけになってしまいます。

土が異様に少ないです。

地下部にもう少し余裕がほしいところです。

翌日、寒肥を施肥するとき、暴挙に出ました。

株元を持って株をずぼっと引っこ抜き、下に肥料と土を入れて混ぜ合わせ、肥料が根に当たらないように土を更にかぶせて株を戻し、上にサンデーマルチを敷きました。

「よい子はまねしちゃいけません」と言われそうな暴挙ですが、植えて1年半だし、今なら行ける!と思いました。

鉢底石の上のネットまで根が伸びていたので、これでよかったと思います。

【16年もの】スノーシャワープチシャンテの強剪定

修景バラのスノーシャワープチシャンテは、垂れ下がるバラなので、自由奔放に伸びています。

茎や刺の感じは、グリーンアイスと同じです。

どこで剪定したらいいのか全くわからないもじゃもじゃ状態ですが、長い付き合いなので、切りどころは熟知しています。

だいたい20~30cmの長さで切りそろえ、葉っぱ取りしてから、傷んだ枝・枯れ枝を取り除き、新芽の上で整理していきます。

新芽がものすごく小さいので、葉っぱがあると見つけられないので、ざざっと切ってからさがします。

中央あたりの土が黒っぽく見える辺りは、古い株が黒く枯れ果てたものを手でちぎった後です。

ぽきぽき取れるんです、今なら。

株の状態は、例年通りです。

全部を短くしすぎると、春の開花が遅れるので、長めに残した茎は必要です。

ファーザーズ・デイズの強剪定

マザーズデイズもかつて育てたことがありますが、あの当時、株分けして育てることに気がついていなくて、枯らしました。

このファーザーズデイズは、挿し木苗ではなく、接木苗です。

かわいい丸い蕾がいっぱいついていたので嬉しくて連れ帰ったのですが、咲かずに枯れ落ちます。

育て始めて4~5年目の今年、始めて花が咲きました。

結構かわいいやん!と思いましたが、一輪だけです。

蕾が可愛くても咲かないバラ、大きく育ってくれなくてもいいので、思いっきり剪定します。

古枝3本は、シュートのところで切り落としました。

レンゲローズの強剪定

私が始めて株分けして育ててみたミニバラが、レンゲローズです。

多分12年位になるでしょうか。

以前、スタンドの上において、二重鉢にして、外側の鉢との間にバークチップを詰めていたら、そこにアリが巣食っていました。

あり巣コロリをかけて1週間。アリがいなくなり、レンゲローズはその間も生きていました。

強いですね。

ピンクも持っていたのですが、プレゼントしたほか、どうなったのか忘れました。

原種だし、茂っしげなので、スノーシャワープチシャンテどうよう、適当に長さだけ揃えて切り、葉っぱを取ってから全体を見て整えます。

切り詰めてももじゃもじゃ。

枯れ枝も、結構あったのですが、葉っぱがあると、全くわかりません。

スッキリしました。

新芽は確認しません。

芽が出なかったり、枯れたりした枝は、その都度、切り落として育てていきます。

それでももじゃもじゃになるので、細かな剪定はいらないバラです。

ミニバラ・ラブリーピンク(仮)の強剪定

国際バラとガーデニングショウの会場の店主が品種名を「ミニだ」と豪語したミニバラなので、便宜上「ラブリーピンク」と名付けているミニバラです。

透き通るような花びらのラブリーな花が咲きます。

花はもちろん、切り花に。

株の状態があまり良くない上に、土も少なくなっています。

枯れ枝は切り落としますが、状態が良くないので、剪定を甘めにして状態を見ます。

一つやったら、2つやっても同じ。このままにして置けないし。

ということで、グリーンアイス同様、今度は少しやさしめに株を持ち上げ(結局持ち上げていますが)下に土と肥料を入れ、株を戻し、更に土を上にも増やして、色の変わっている株元が地下部に来るようにしました。

サンデーマルチを上に乗せて出来上がりです。

インフィニティ似のピンクのミニバラの強剪定

花が垂れ下がっていますが、茎が細いのに花が大きいので、たれています。

普段は、レンゲローズにもたれかかっているので、上向きですが、今は支えがないのでタレ放題です。

2018年4月に浜松の園芸店でミニバラ1ポットを購入し、4株に分けられましたが、脆弱な一株は枯れました。

この子も、店員さんが名前を知らないというので、名無しです。

花は切り花で楽しみます。

もじゃもじゃしているので、とりあえず葉っぱをできるだけ落としてから、切る位置を決めていきます。

一年未満の若い苗なので、剪定は甘めに。

長く伸びすぎた枝だけ短めにしました。

土が少なめなので、鉢のふち周りに有機質のペレット状の肥料をまいてから、土を上から入れる増し土をして、サンデーマルチをつけました。

インフィニティ似のピンクのミニバラの強剪定【2】

でっかい蕾がグン!と伸びているので、花が垂れ下がっていたものと同じものには見えにくいのですが、同じポットから株分けしたものです。

蕾は切り花に、元気のいい茎を、細い茎に合わせて短めに剪定しました。

クローバーがびっしり生えていたのを抜いたので、鉢が汚れています。

土が少なめなので、もう一つの鉢同様、上に土を増やす増し土をしました。

インフィニティ似のピンクのミニバラの強剪定【3】

このシリーズの中で、枯れたものの次に脆弱なのがこの株です。

1本だけ伸びた形になっているので、なるべく甘い剪定をしました。

上の2つよりも、土が少ないのが極端なので、折れないように気をつけながらズボッと抜いて、下に土と肥料を入れ、株を戻し、更に上にも少し土を入れてからサンデーマルチを敷きました。

何故あるのか忘れた赤いミニバラの強剪定

春に地植えにしていたものを掘り起こして長野から持ってきた赤いミニバラです。

名前はおろか、どういう経緯で育てているのかすら覚えていません。

基本的に赤いバラは好きではないので、枯れないから育てているバラでした。

先日、横浜イングリッシュガーデンに行ったときに赤いバラが何種類も植えられているのを見て、赤もいいなあと思いはじめ、急にもう少し大事にしようかなと思い始めています。

少なくとも3年以上、長く育てているので、茎は太くなってきています。

花が春からずっと途切れないお利口さんでした。

古い主幹は、シュートの上で切り落としています。

鉢を回してみると、苔が株元に生えているのがわかりました。びっくりです。

苔を取り除いて、上に土を足す増し土をしました。

指やら他の枝やら入っていますが・・・株を引っこ抜いて、底に土と肥料を足して株を戻す暴挙を行い、サンデーマルチをかけています。

2年ほど前からカイガラムシがよく付いているので、カイガラムシ取りもしました。

強剪定につづいて寒肥&マルチング(マルティング)

強剪定をしたその後は、寒肥を施肥して、マルチング(マルティング)を厚くしておきます。

寒肥は、鉢植えなので、有機堆肥は使っていません。

狭いスペースに、有機堆肥は根のダメージが強くなるので、私はおすすめしません。

現在使っているのは、フランスの育種家アルノー・デルバールさんのおすすめのペレット状の肥料です。

なんでもいいと思っているし、ぶっちゃけ、安いほうが好きなのですが、浜松に来て購入した肥料を使っていたら、コバエぶんぶんに。

「捨てて買い替えろ!」と夫に言われて、それならと、ホームセンターの肥料売り場で一番高いのを選んで購入しました。

効いているか?と問われれば、効いているでしょう。高いのに効かないなんて、許せません。

高いのなら、効いて当たり前。

安くて効くのがほしいのに。

数が多いから、肥料代もばかにならないの!

今年は鉢のふちにぐるりと施肥

もともと、追肥するときは、2~3箇所、マルチング(マルティング)を避けて、土の上に肥料ペレットをまいて、マルチングを戻していました。

コバエブンブン事件が起こり、土を掘って、そこに肥料をひとつかみ入れて、土をかぶせてマルチングを戻す、というやり方に変えました。

今年、寒肥を施肥するにあたって、全方向に肥料が効いたほうが嬉しいなと思い、鉢のふちにぐるりと肥料をまいた上に土をかぶせ、マルチングを載せておきました。

土が充分あるときは、軽く掘って肥料をまいて、土を戻し、土を足すときは、肥料をまいてから土を足しました。

数箇所に施肥する場合も、縁の周りにぐるっと施肥する場合も、根がダメージを受けないように、なるべく株元から遠ざけて端の方に施肥します。

マルチング(マルティング)も肥料もお好みで

肥料のやり方も、肥料の種類も、気まぐれで選んでいます。

手に入るものを有効に使えば、なんでもいいし、もっといいやり方もあるかと思います。

マルチング(マルティング)は、手に入りやすいものを、いろいろ試してみてください。

根を保護するために厚く敷き詰めているだけなので、なんでもかまいません。

無理のない範囲で、楽しんでいます。

無理のない範囲で、楽しんでください。

強剪定、どこをどこまでやっていいのかわからないと悩んでしまうかもしれません。

やりすぎても、それだけでは枯れることはないので、いろいろチャレンジしてください。

また、ガーデニングは、枯らしてなんぼ!だと思います。